- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 理工学研究科
- 時間割コード
Course Code - 93883
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - M材料界面工学特論
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 秋/2
- 担任者名
Instructor - 春名 匠
- 曜限
Day/Period - 金1
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
講義(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
金属の酸化、硫化、水溶液中でのイオン化(腐食)は金属の酸化反応の結果であり、金属の電解精錬、溶融精錬、メッキなどは金属の還元反応の応用技術である。これら金属の酸化還元反応は、電子を媒介とした化学反応、いわゆる電気化学反応で明確に記述でき、反応の駆動力を電位で、反応速度を電流で極めて正確に測定、評価できる。また、電気化学の概念は、燃料電池、太陽電池、光触媒、各種化学センサー、腐食防食技術などを検討する場合の重要項目である、材料の表界面特性を理解するために必要不可欠である。
この講義では、水溶液中における金属の腐食を題材にして、金属の電気化学である「電極反応」の平衡論と速度論の基礎事項を、演習を交えて定量的に理解し、種々の界面反応へ応用できる能力を養うことを目的にする。学位授与方針との関係 / Related Diploma Policy
(理工学研究科(M化学生命工学))
1.知識・技能
2.思考力・判断力・表現力等の能力
到達目標 / Course Objectives
① 知識・技能の観点
水溶液中での金属の電気化学反応、すなわち電極反応に関する基礎知識を理解する能力、ならびに腐食科学・防食技術に対するアプローチの方法を理解する能力が養われる。
② 思考力・判断力・表現力等の能力の観点
予習課題の電極反応に関する基礎的内容を種々の界面反応へ応用する能力が養われる。
③ 主体的な態度の観点
予習課題に取り組むことによって授業に対して能動的に取り組む能力が養われる。授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり
・学生同士の意見交換(グループ・ペアワーク、ディスカッション、ディベート等含む)
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
ほぼ毎回予習課題を出題し、その課題を中心に講義を行う。予習課題は学部での種々の講義(化学を学ぶ(基礎化学1)、基礎化学2、物理化学1、物理化学2、物理化学3、速度論と物質移動(もしくは反応速度論))の復習となる内容が中心であるが、本講義で学習済みの内容も予習課題に組み込まれるので、次第に学習レベルが上がる。
講義計画は以下のとおりである。
第1週 授業の進め方についてのガイダンス
第2週 溶質の活量と濃度
第3週 電気化学反応における自由エネルギーと電極電位の関連性
第4週 電極電位と溶質濃度の関連性
第5週 電位-pH図の作成
第6週 電位-pH図の解釈
第7週 反応速度と電流の関連性
第8週 電荷移動律速と拡散律速
第9週 腐食速度と反応面積(ガルバニック腐食)
第10週 金属の酸化皮膜とその成長則
第11週 金属の不働態皮膜の破壊と局部腐食
第12週 金属の環境脆化(応力腐食割れと水素脆化)
第13週 腐食現象のばらつきの評価(確率分布)
第14週 極値統計法による寿命予測
第15週 まとめ授業時間外学習 / Expected work outside of class
予習課題は学部での種々の講義の復習となる内容が中心なので、予習課題に十分な評価が与えられるように、事前学習を十分に行うこと。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
予習課題と講義中の演習の総合成績(100%)で評価する。基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
到達目標に記載した項目の内容をおもな評価基準とする。
- 教科書
Textbooks
教科書は指定せず、必要に応じて資料などを配布する。
-
参考書
References 渡辺正、金村聖志、益田秀樹、渡辺正義 著 『電気化学』 (丸善) 2001年
渡辺正、中林誠一郎 著 (日本化学会編) 『電子移動の化学-電気化学入門』 (朝倉書店) 1996年
H.H.ユーリック、R.W.レヴィー 著 (岡本 監修、松田、松島 共訳) 『腐食反応とその制御(第3版)』 (産業図書) 1989年
腐食防食協会 編 『材料環境学入門』 (丸善) 1993年
水流 徹 著 『腐食の電気化学と測定法』 (丸善) 2017年
- フィードバックの方法
Feedback Method 解答された予習課題を採点して返却する。
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact 【オフィスアワー】授業終了時に随時受付もしくはメールなどの連絡で日程調整。
【メールアドレス】関大LMSのメッセージ機能 もしくは haruna@kansai-u.ac.jp.
- 備考
Other Comments 学部4年次生の履修には、予め指導教員の指導を受けること。
学部で「電気化学」に関連する講義を履修していることが望ましいが、未履修者でも学習が可能なように講義を工夫しているので歓迎する。