- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 理工学研究科
- 時間割コード
Course Code - 93823
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - M化学・物質工学ゼミナール3
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 春/2
- 担任者名
Instructor - 坂口 聡
- 曜限
Day/Period - 土3
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
演習(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
授業の到達目標およびテーマ
ゼミナール1〜ゼミナール4を通して、化学物質を取り扱う幅広い全ての分野(有機合成化学、有機工業化学、高分子材料化学等)で将来第一線の研究者として活躍できる「知識人」の育成を目指す。
授業の概要
有機化学反応は精密化学品や医薬品、機能性高分子材料を合成・製造する際のツール(道具)として利用されており、数多くのツールが開発されている。本講では、従来法にはない新しい有機反応(合成ツール)の開発を目的に、反応のデザインや触媒分子のデザインを考案し研究を行う。これは未知分野の開拓という極めて知的な行為となる。それと同時に、自分の研究だけにとらわれず幅広く深い知識を得るため、成書および最新の学術論文を輪講形式で熟読する。本講によって、有機化学のみならず、有機金属化学、錯体化学、触媒化学、機器分析化学、計算化学、有機電子論、分子軌道論、反応機構論、グリーンケミストリーなどに関する幅広い知識が一層深まるものと期待している。到達目標 / Course Objectives
週報会等での研究発表を行う。
雑誌会および輪読会での発表を行う。
これらを大きな壁と感じることなく、『やればできるな』と自身で感じるようになることが到達目標である。
やっつけ仕事をすることなく、仕事をきちんとこなす習慣を身に付ける。授業手法 / Teaching Methods
・学生による学習のふりかえり
・学生同士の意見交換(グループ・ペアワーク、ディスカッション、ディベート等含む)
・プレゼンテーション(スピーチ、模擬授業等含む)
・課題探究(プロジェクト学習、課題解決型学習、ケーススタディ等含む)
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
主として以下の3点について、必ず定期的に行う。ゼミナール1〜ゼミナール4を通して継続して努力することで、知識が確実に身につくものと思われる。
①新規有機反応論の開拓:分子や反応をデザインして試験(実験で試すという意味での)を行う。いわゆる座学ではなく、ある意味で答えのない未知の領域での活動(研究活動)であり、極めて知的な行為となる。研究を展開するための論理的な思考(PDCAサイクル)を養い、自主性、積極性、独創性を高める。さらに、研究成果をまとめ、学会や学術雑誌等に発表する。
②成書輪読会:書物を通して将来に役立つ幅広く深い知識を身につける。
③雑誌会:最新の学術論文を通して将来に役立つ最先端の知識を身につける。②成書輪読会も同様だが、研究内容を理解するだけでは満足できない。参考文献をあたりその研究の背景までもきちんと理解して、それらをゼミナール受講生の前で発表する。その緊張感が、知識を確実なものとし、また同時に皆がその知識を共有できるようになる。さらには、不明瞭な点、気になる点を積極的に質問し、真に理解できるまで深く議論を行うことが重要である。授業時間外学習 / Expected work outside of class
研究室のスケジュールに従って与えられたプログラムを遂行するだけでなく、例えば、甲種危険物取扱者 免状の取得を目指したり、有機化学や物理化学の教科書を問題を解きながら精読するなど、毎日継続して自己研鑽に努めること。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
総合評価(100%)基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
週報会や中間報告会での研究発表、雑誌会および輪読会での発表を、欠けることなく必ず行うこと。
- 教科書
Textbooks 野依良治・柴﨑正勝・鈴木啓介・玉尾皓平・中筋一弘・奈良坂紘一 編 『大学院講義 有機化学Ⅰ.分子構造と反応・有機金属化学』 (東京化学同人)
野依良治・柴﨑正勝・鈴木啓介・玉尾皓平・中筋一弘・奈良坂紘一 編 『大学院講義 有機化学Ⅱ.有機合成化学・生物有機化学』 (東京化学同人)
野依良治 ほか編 『大学院講義 有機化学 演習編』 (東京化学同人)
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参考書
References ヘゲダス 『遷移金属による有機合成』 (化学同人)
檜山為次郎・野崎京子 編 『有機合成のための触媒反応103』 (東京化学同人)
有機合成化学協会編 辻 二郎 『有機合成のための金属触媒反応』 (東京化学同人)
日本化学会編 村井眞二・玉尾皓平・中村栄一・檜山為次郎・吉田潤一 『有機合成化学の新潮流』 季刊化学総説 47 (学会出版センター)
日本化学会編 山本 尚・伊藤 卓・伊藤嘉彦・奈良坂紘一・丸岡啓二・諸岡良彦 『金属反応剤を用いる不斉化学合成』 季刊化学総説 19 (学会出版センター)
日本化学会編 伊藤 卓・内本喜一朗・中村 晃・干鯛眞信・山崎博史 『前周期遷移金属の有機化学』 季刊化学総説 17 (学会出版センター)
奈良坂紘一・岩澤伸治 編 『最新有機合成化学 -ヘテロ原子・遷移金属化合物を用いる合成- 』 現代化学増刊 43 (東京化学同人)
R.ホワイトマン 『有機金属と触媒』 (化学同人)
玉尾皓平 編 『有機金属反応剤ハンドブック』 (化学同人)
松田 勇・丸岡啓二 『有機金属化学』 (丸善)
山本明夫 監修 『有機金属化合物 合成法および利用法』 (東京化学同人)
山本明夫 『有機金属化学』 (裳華房)
中村 晃 編 『基礎 有機金属化学』 (朝倉書店)
柴崎正勝 監修 『有機分子触媒の新展開』 (シーエムシー出版)
岩村 秀・野依良治・中井 武・北川 勲 編 『大学院有機化学 上・中・下』 (講談社)
G.S. ツヴァイフェル・M.H.ナンツ 著 檜山為次郎 訳 『最新 有機合成法』 (化学同人)
東郷秀雄 著 『有機反応のしくみと考え方』 (講談社)
Rakesh Kumar Parashar 著 『合成有機化学』 (東京化学同人)
ハートウィグ 『有機遷移金属化学』 (東京化学同人)
- フィードバックの方法
Feedback Method 講義終了後または関大LMSにて面談の予約希望の連絡をしてもらえれば、対応する。
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact 教員との連絡は、対面あるいは電子メール(satoshi@kansai-u.ac.jp)で行う。
- 備考
Other Comments 本講を通して主として次のようなことが取得できるものと期待される。
・研究の論理的展開力
・薬品に関する知識、安全な取り扱い、処理方法の体得
・情報の検索・収集、および系統的な情報処理能力
・機器分析装置やコンピューターなどの操作・保守の習熟
・日本語および英語での情報(研究成果)の発信力
・研究の発表、プレゼンテーション力
・ディスカッション力
・時間、人、道具(機械)を有効活用するマネージメント力
なお、危険物取扱者(甲種)免状の取得を推奨する。
良い学習者(これまでの学校教育で教育されてきたことである)であることに加えて、旺盛な知的好奇心から湧き出てくる探究心を持つ者が、大学院において成長できるもののように思われる。道のないところに自身で道を築いていくということを体験してほしい。最初から道が用意されているわけでなく、後で振り返ると道ができているものである。それを自身で実感してもらいたい。