- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 法務研究科(法科大学院)
- 時間割コード
Course Code - 96131
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - 現代法特殊講義(知的財産訴訟実務)
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 秋/2
- 担任者名
Instructor - 近藤 剛史
- 曜限
Day/Period - 火3
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
講義(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
法律実務家(弁護士)の立場から、知的財産法の理論的分析とともに、知財実務における法の具体的解釈や運用について解説する。具体的には、特許法及び著作権法を中心に、実際に取り扱って来た知財事件や裁判例などを題材とし、具体的事案の実務的解決能力を涵養することを目標とする。
学位授与方針との関係 / Related Diploma Policy
(法科研究科(専門職))
1.知識・技能
実務的・実践的な知識・能力を総合的に活用することができる。
2.思考力・判断力・表現力等の能力
高度な考動力を発揮して、複雑・多様化する現代社会における法的問題を自ら発見して解決することができる。
3.主体的な態度
自らの学びに責任を持ち、高い職業的理論のもと、民主主義と個人尊重の価値の実現を目指す法曹としてリーダーシップを発揮することができる。
到達目標 / Course Objectives
法律実務家としての広い視野を持てるようにしつつ、事案分析能力、論点把握能力、理論的分析力、結論の妥当性を見出す能力等を涵養し、事案処理能力を身につけるとともに、インタラクティブな質疑等を通して、発想力、表現力、質問力、コミュニケーション等の向上をも目指す。
授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
第1回 特許調査の方法
知財弁護士の仕事<実務閑話>、ユーグレナ社(ミドリムシ)の知財戦略、特許調査の方法(切り餅特許)
第2回 クレーム解釈論
リパーゼ事件、磁気リーダー事件、ウィンドサーフィン事件、プロダクト・バイ・プロセスクレーム(最高裁判決)と出願実務・訴訟実務への影響
第3回 均等論・間接侵害
ボールスプライン事件、中空ゴルフクラブ事件、マキサカルシトール事件、製パン器事件、一太郎アイコン事件(間接の間接侵害)
第4回 知財訴訟手続論
メリヤス編機事件、食品包装容器事件、ナイフ加工刃事件<実務閑話>、シートカッター事件
第5回 複数主体による特許権侵害
オール・エレメント・ルール、車載ナビ装置事件判決、インターネットアクセス提供事件、眼鏡レンズ供給システム事件、発泡性ポリスチロール事件判決、時計文字盤電着画像事件
第6回 消尽論
Lexmark米国最高裁判決、キャノン・インクタンク事件、BBS事件(最高裁)渉外的法律関係論(カード式リーダー事件)
第7回 職務発明
職務発明を巡る問題、オリンパス事件、日立製作所事件、職務発明の二重譲渡
第8回 著作物の創作
著作権の基礎理論、著作物取引における契約類型、長尾鶏事件、スイカ写真事件、AIによる創作
第9回 ソフトウェアの法的保護
法人著作、スペース・インベーダーⅡ事件、RGBアドベンチャー事件、NEW増田足事件<実務閑話>、オート君事件<実務閑話>、サイボウズ事件
第10回 ソフトウェア企業における著作権紛争
法人著作(職務著作)、創作者の認定、著作権帰属に関する知財訴訟<実務閑話>
第11回 デジタルコンテンツと映画の著作物
中古ゲーム訴訟<実務閑話>、三沢市勢映画事件、ときめきメモリアル事件、101匹ワンチャン事件
第12回 規範的侵害主体論
クラブ・キャッツアイ事件、音楽教室事件、北新地バー事件<実務閑話>、選撮見録事件、録画ネット事件、まねきTV事件、ロクラクⅡ事件、ファイルローグ事件、Winny事件<実務閑話>
第13回 差止と損害賠償論
カラオケリース事件、小学館記事掲載事件、「やっぱりブスが好き」事件、「写真で見る首里城」事件、東京リーガルマインド事件、大阪ヘルプデスク事件<実務閑話>、CADソフト著作権侵害調停事件<実務閑話>
第14回 SNSを巡る著作権問題
ツイッター・リツイート事件、氏名表示権・同一性保持権、規範的責任論(カラオケ法理)からの検討、表現の自由を巡る問題
第15回 AI時代における著作権問題
ディープラーニングに関する著作権問題、AI利用による創作に関する著作権問題、出版・印刷業における著作権講演<実務閑話>授業時間外学習 / Expected work outside of class
講義レジュメを読んで予習するとともに、講義にて解説を行った実際の取扱事件や裁判例に関する復習を行う。また、知的財産権法に関する基本書の精読を行う。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
小テスト(30%)、確認テスト(40%)、質疑応答(30%)の割合で評価します。基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
具体的事例の解決において必要となる基礎的概念の理解や論理の組み立て方ができているかどうかとともに、知財訴訟や調停・和解などの交渉を行う上で必要不可欠な法的主張力の習得度により評価する(ただし、知財分野における細かな法的知識の暗記、記憶までは要求しない)。
- 教科書
Textbooks
-
参考書
References 高林 龍 標準特許法(第8版) 有斐閣
中山信弘 特許法(第5版) 弘文堂
中山信弘 著作権法(第4版) 有斐閣
- フィードバックの方法
Feedback Method 小テストを実施する際には、すべての答案につき添削やコメントを付けた後、名前及び学籍番号をマスキングした上で、全員ですべての答案について読み合わせ検討会を行います。
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact 電子メール(tsuyoshi★kondolaw.jp)
注)「★」を「@」に書き直して下さい。
- 備考
Other Comments