2025 年度の講義概要のデータベースを検索します。カリキュラムツリーへのリンク
学部・研究科
Faculty/Graduate School
法務研究科(法科大学院)
時間割コード
Course Code
96011
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
民法3
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
AF1
担任者名
Instructor
下村 正明
曜限
Day/Period
木3
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

講義(対面型)

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

いわゆる債権各論の範囲を、便宜上「民法3」と「民法4」とに分割して講義する。
本講義では、債権契約総論、譲渡型契約及び貸借型契約をとりあげる。民法及び関連法規の条文を、法律要件分類に留意して丹念に読み取ることが何より重要であることを理解させたい。

学位授与方針との関係 / Related Diploma Policy

(法科研究科(専門職))
1.知識・技能
  高度職業人たる法曹として自立して活動するために必要とされる高度な理論に裏打ちされた実務的・実践的な知識・技能を修得することができる。
2.思考力・判断力・表現力等の能力
  高度な考動力を発揮して、複雑・多様化する現代社会における法的問題を自ら発見して解決することができる。

到達目標 / Course Objectives

①知識・技能の観点
債権契約総則・譲渡型契約・貸借型契約について、今後の学修深化の基盤となるべき基本的理解を判例通説の水準において修得することが求められる。

②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
テクニカルタームと法的三段論法の駆使能力を身につけることが求められる。

③主体的な態度の観点
論理的思考の習慣を獲得しようと努めることが求められる。

授業手法 / Teaching Methods


・双方向性の実質を確保して行う講義

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

01)債権各論序説:契約自由の原則
近代私法の大原則の一つである契約自由の原則について講述する。予約や定型約款の諸規定にも言及する。

02)債権契約の目的:譲渡型・貸借型・労務提供型・その他
典型債権契約の各類型につき、その基本的特徴を講述する。

03)承前

04)双務契約の効力:同時履行抗弁権
双務契約の代表格たる契約類型として売買契約を念頭に置き、同時履行抗弁権の行使とその効果、同抗弁権の存在の効果について、講述する。

05)承前

06)双務契約の効力:対価危険の分配
債権単独の問題(したがって債権総則の問題)として給付危険とその分配についての理解を踏まえ、双務契約の代表格たる契約類型として売買契約を念頭に置き、反対給付危険とその分配について講述する。

07)債権契約終了の諸相:法定解除等
債権契約終了原因につき、法定解除論を軸として講述する。約定解除(手付解除を含む)・合意解除、継続的契約における解約自由の原則などにも言及する。

08)承前

09)契約目的物の契約不適合
有償契約の代表としての売買契約を念頭に置き、契約に基づいて引き渡された目的物の性状が契約の趣旨に適合しない場合の法律関係につき、講述する。商事売買の特則にも言及する。

10)賃貸借契約論:当事者の債権債務関係
賃貸借契約に関し、賃貸人・賃借人間の債権債務関係について、使用貸借との対比を踏まえつつ、基本的事項を講述する。

11)賃貸借契約と第三者:転貸借・賃借権譲渡
賃借人が目的物を第三者に引き渡した場合の法律関係の顛末につき、要件事実論に留意して講述する。賃借権譲渡の場合の敷金返還請求権不承継の原則にも言及する。

12)賃貸借契約と第三者:賃貸目的物の譲渡、賃貸人の交替
賃貸目的物を所有する賃貸人がその目的物を第三者に譲渡した場合の法律関係の顛末について、要件事実論に留意して講述する。敷金返還義務承継の原則にも言及する。

13)不動産賃借権の物権化
借地借家法等の特別法により、一定の不動産賃借権が、債権でありつつも、存続力を強化され、第三者対抗力や第三者に対する妨害排除力を付与され、第三者への譲渡の適法化を援助されることにより、物権(地上権)に匹敵するほどの強い効力を発することができるものとされていることについて、講述する。

14)承前

15)消費貸借契約・準消費貸借契約の留意点
消費貸借契約に関する基本的知識を踏まえ、準消費貸借契約について留意すべき点を講述する。

授業時間外学習 / Expected work outside of class

授業では、その履修範囲の骨格部分に集中してその理解獲得をめざすから、残余の部分については各自の学修に委ねざるを得ない。オフィスアワー等を利用してできるだけ支援するが、各自において積極的かつ自主的に知識の範囲を広げ、共通到達度確認試験や司法試験短答式試験への対応力を高めるよう努めてもらいたい。

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

定期試験(筆記試験)の成績で評価する。
定期試験100%
授業内の質疑に対する応答の内容はこれを成績評価資料としないが、主体的かつ真摯に応答しようとする態度や論理的に考えようとする姿勢が著しく欠けていると認めるときは、消極評価を行う。

2024年度:S→2名、A+→2名、A→2名、B+→4名、B→4名、C+→2名、C→2名、F→7名

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

①知識・技能の観点
債権契約総則・譲渡型契約・貸借型契約について、今後の学修深化の基盤となるべき基本的理解を判例通説の水準において修得することができているか。

②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
テクニカルタームと法的三段論法の駆使能力を身につけることができているか。

③主体的な態度の観点
質疑に対し、主体的かつ真摯に応答し、また、論理的に考えようとする姿勢に欠けるところがないか。

教科書
Textbooks

潮見佳男  民法(全)第3版  有斐閣  978-4-641-13885-8
青野博之・谷本圭子・久保宏之・下村正明  新プリメール民法4(第2版)  法律文化社  978-4-589-04064-0

参考書
References

フィードバックの方法
Feedback Method

担任者への問合せ方法
Instructor Contact

オフィスアワー:追って公示する。
その他:授業各回直後にはクエスチョンタイムを確保できるよう努める。個別の連絡にはメール(cogitoergosum@nike.eonet.ne.jp)を利用されたい。

備考
Other Comments

条文を精確に読み取ることが何よりも肝要である。その読み取りの手助けのために諸書籍がある。この主従の関係を決して誤解しないようにされたい。

講義の内容・進度は、質疑応答を経て測定される受講者の理解深度に応じて流転する。この意味において授業は生き物であり、したがって、授業計画の記載は、各回の講義内容を固定的に示すものではない。

レジュメ等の補助教材の配布は、原則としてこれを行わない。司法試験にCBT方式が導入されても、平素から自分の手を動かして自分だけのノートを作ることが知識の獲得と定着のために重要な役割を果たすことに変わりはないからである。なお、受講者各自において各種の機器を利用することは、授業進行の支障となる等特段の事情のない限り、妨げられない。