2025 年度の講義概要のデータベースを検索します。カリキュラムツリーへのリンク
学部・研究科
Faculty/Graduate School
法務研究科(法科大学院)
時間割コード
Course Code
96039
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
行政救済法
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
02
担任者名
Instructor
元氏 成保
曜限
Day/Period
火5
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

講義(対面型)

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

 行政法は、行政組織法、行政作用法および行政救済法に大別できる(行政組織法および行政作用法の総論部分は、法学未修者を対象とする「行政法総論」において説明する)。本講義では、行政救済法について説明する。行政救済法は、国民の権利救済に直接関わり、行政訴訟法や国家賠償法などの一般法が存在していることおよび多くの裁判例が存在していることからも重要な法分野である。

学位授与方針との関係 / Related Diploma Policy

(法科研究科(専門職))
1.知識・技能
  高度職業人たる法曹として自立して活動するために必要とされる高度な理論に裏打ちされた実務的・実践的な知識・技能を修得することができる。
  実務的・実践的な知識・能力を総合的に活用することができる。
2.思考力・判断力・表現力等の能力
  高度な考動力を発揮して、複雑・多様化する現代社会における法的問題を自ら発見して解決することができる。

到達目標 / Course Objectives

 行政救済法に関する理論を習得し、重要な裁判例の意味や位置づけを理解することを到達目標とする。

授業手法 / Teaching Methods

・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

第1回 行政救済制度の概観と行政訴訟の類型・取消訴訟の訴訟要件(1)…処分性(1)
 行政救済制度の仕組みを概観し、行政事件訴訟法が定めている行政(事件)訴訟の類型について説明するとともに、取消訴訟の訴訟要件(出訴期間、裁判管轄、被告適格など)についても概観する。

第2回 取消訴訟の訴訟要件(1)……処分性(2)
 取消訴訟の対象となる行政処分とはどのようなものかについて説明する。取消訴訟の排他性(排他的管轄)についてもここで説明する。

第3回 取消訴訟の訴訟要件(2)……原告適格(1)
 取消訴訟を提起することのできる資格(原告適格)がいかなる場合に認められるかについて説明する。

第4回 取消訴訟の訴訟要件(3)……原告適格(2)
 取消訴訟における原告適格の問題を、訴訟実務におけるその重要性に鑑みもう1回取り上げる。

第5回 取消訴訟の訴訟要件(4)……訴えの利益
 取消訴訟の訴えの利益の消滅と「延長」(存続)の問題について説明する。

第6回 取消訴訟の審理と判決
 取消訴訟の審理の対象である違法性に関する問題と判決(とくに取消判決)の効力などについて説明する。理由の差替、主張立証責任についてもここで取り上げる。

第7回 取消訴訟以外の抗告訴訟
 無効確認訴訟、不作為違法確認訴訟、義務付け訴訟および差止訴訟について説明する。

第8回 抗告訴訟以外の行政訴訟
 当事者訴訟(実質的当事者訴訟および形式的当事者訴訟)、確認訴訟、客観訴訟(とくに住民訴訟)について説明する。当事者訴訟と取消訴訟の関係・民事訴訟との比較および国・地方公共団体が提起する当事者訴訟についてもここで触れる。

第9回 行政事件における仮の救済
 取消訴訟や無効確認訴訟について認められている執行停止の制度、それと裏腹の関係にある内閣総理大臣の異議の制度および仮処分の制限と許容性の問題について説明する。
 当事者訴訟における仮の救済についてもここで取り上げる。

第10回 公権力の行使と国家賠償責任(1)
 国家賠償法1条が定めている公権力行使責任の要件などについて説明する。民事不法行為法との関係にも触れる。

第11回 公権力の行使と国家賠償責任(2)
 国家賠償法1条が定めている公権力行使責任のうち、近年重要性を増している権限の不行使に対する責任(不作為責任)について説明する。

第12回 営造物の設置管理と国家賠償責任
 国家賠償法2条が定めている営造物管理責任の要件などについて説明する。民法上の工作物責任との関係についても触れる。

第13回 損失補償
 損失補償の要件、内容などについて説明する。

第14回 国家賠償・損失補償の責任主体および国家賠償と損失補償の関係
 国家賠償および損失補償の責任主体についてまず説明し、さらに、国家賠償と損失補償の関係とくに国家補償の谷間の問題を取り上げる。

第15回 行政不服審査
 行政不服審査の制度について説明する。

授業時間外学習 / Expected work outside of class

 予習と復習をしっかりとやること。

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。
評価割合は定期試験70%、平常点(授業中の発言)30%とする。

2024年度:S→2名、A+→3名、A→3名、B+→7名、B→8名、C+→3名、C→3名、F→4名

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

1、基礎的な理論と概念を習得しているか。
2、事案との関係において的確な法的判断ができるか。
3、1・2に関し、論理的な組み立てができるか。
4、文章が論理的かつ明晰に書けているか。
5、授業において予習・復習を適切に行っているか。
6、授業において適切に応答・発言を行っているか。
7、授業への出席状況は良好か。

教科書
Textbooks

野呂充・下井康史・中原茂樹・磯部哲・湊二郎編  『ケースブック行政法』(第7版。弘文堂)  

参考書
References


特に指定しない。代わりに補充レジュメを配布する。

フィードバックの方法
Feedback Method

担任者への問合せ方法
Instructor Contact

備考
Other Comments

連絡は、Eメール(motouji@kyoei-law.com)でされたい。