春/2

T2

授業計画 / Course Content

　『刑法事例演習教材』から、主として刑法総論の論点を中心に、各論における論点とも交錯する問題を採り上げる。演習形式で行うので、受講者全員に予習･復習を要求し、調査・報告・討議を求める。それぞれの論点につき、刑法の総合的応用力の涵養を目的とする。
第1回 因果関係
「トランク監禁の悲劇」『刑法事例演習教材』８問
第2回 不作為犯
「ヒモ生活の果てに」『刑法事例演習教材』３問
第３回 故意・錯誤
「妄想と勘違い」『刑法事例演習教材』35問　
（＊「ボンネット上の酔っ払い」『刑法事例演習教材』１問）
第４回 被害者の同意・危険の引き受け
「偽装事故の悲劇」『刑法事例演習教材』10問
第5回 過失犯と違法阻却事由
「走る凶器と人間凶器」『刑法事例演習教材』45問）
（＊「黄色点滅信号」『刑法事例演習教材』4問）
第6回 正当防衛
「ノー・ウエイ・アウト（No  Way  Out）」『刑法事例演習教材』41問
（＊「哀しき親子」『刑法事例演習教材』16問・「けんかをやめて二人をとめて」同書51問）
第7回 過剰防衛
「暗転した同窓会」『刑法事例演習教材』30問
第8回 緊急避難
「ナンパ仲間の暴走」『刑法事例演習教材』33問
第9章 実行の着手・中止犯
「クリスマスイブの事件」『刑法事例演習教材』20問
第10回 共犯の因果性
「招かれざる客」『刑法事例演習教材』31問
第11回 共謀共同正犯
「カネ・カネ・キンコ」『刑法事例演習教材』６問
第12章 共犯と身分
「車に乗せてはみたものの」『刑法事例演習教材』32問
第13回 片面的共犯
「某球団ファンの暴走・その１」『刑法事例演習教材』26問
第14回 罪数
「欲深い売主」『刑法事例演習教材』2７問：不可罰的事後行為
（＊「紫の炎」『刑法事例演習教材』９問：かすがい現象）
第15回：重要問題に関連する近時の裁判例
　最終回は、重要論点を補充し、最新重要判例がある場合には、これを紹介・解説する。受講者全員にとり有意義と思われる質問がある場合には、それに答える時間ともする。＊印は参考問題

授業時間外学習 / Expected work outside of class

各回の予習は、掲載したテーマ全体にわたって行うこと。単に、行為者の罪責を答えるだけではなく、そのテーマの重要論点について十分に理解できるよう「予習」すること。

方法 / Grading Policies

定期試験（筆記試験）の成績と平常成績で総合評価する。
定期試験の割合は70%、平常成績の割合は30%とする。

2024年度：S→3名、A+→3名、A→3名、B+→8名、B→7名、C+→3名、C→3名、F→1名

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

　刑法における規範を事実に具体的にあてはめ、それを、口頭で発表・文章化できる能力を習得したかどうかを基準とする。

井田良・佐伯仁志・橋爪隆・安田拓人　　『刑法事例演習教材・第3版』　　（有斐閣）　　

山中敬一・山中純子　　『刑法概説Ⅰ［総論」』第２版　　（成文堂）　　
松宮孝明　　『刑法総論講義』第6版　　（成文堂）　　
山口厚　　『刑法』第４版　　（有斐閣）　　
井田良　　『講義刑法学総論』第２版　　（有斐閣）　　
西田典之・橋爪隆（補訂）　　『刑法総論』第３版　　（弘文堂）　　
只木誠　　『コンパクト刑法総論』第２版　　（新世社）　　
松原芳博　　『刑法総論』第３版　　（日本評論社）　　
大塚裕史ほか　　『基本刑法Ⅰ（第３版）』　　（日本評論社）　　

その他の参考書については初回授業時に指示する。