- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 経済学研究科
- 時間割コード
Course Code - 91348
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - M国際経済学研究2 講義
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 秋/2
- 担任者名
Instructor - 菅田 一
- 曜限
Day/Period - 金2
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
講義(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
(本講義の内容は「M国際経済学研究1」の続きである。)
『国際経済学』は国際経済問題の実物面の分析が中心となる「国際貿易論」と金融面を分析の主な対象とする「国際金融論」から構成される。本講義で扱われるのは前者である。そして、経済学者が現実に観察される国際経済現象を如何にして分析し、その問題に対してどのような処方箋を与えるのかを理解するのが、本講義の目的である。
本講義では、「M国際経済学研究1」で学んだ国際経済分析のための基本理論を使い、経済成長と貿易の関係、資本の国際間移動の主要因である海外直接投資、輸入関税をはじめとする様々な貿易政策の手段の経済効果を分析する。さらに、近年における新興国の著しい台頭、FTA(自由貿易協定)の地球的な広がり、EUや北米、東アジアにおける経済統合の活発化など最新のトピックスを網羅する。
ヘクシャー=オリーンの貿易モデルに代表される新古典派の貿易理論では、輸入関税や輸入数量割当を用いて国内産業を保護する政策は、それらを実施する国の経済厚生を低下させることが示される。つまり、自由貿易がベストな政策であると主張している。しかし、実際には保護貿易政策が多くの国で実施されている。この保護貿易政策を擁護する理論を、最後にいくつか紹介する。
受講生には国際経済に関する学術研究書および学術雑誌が読解できるツール(道具)を習得してもらう。到達目標 / Course Objectives
①知識・技能の観点
・国際経済学の研究者・高度専門職業人として活躍するための高度な知識・技能を修得する。
・国際経済学の高度な知識・技能を総合的に活用することができる。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
・国際経済学における高い専門性を活かし、国際的な視野に基づいて、高度な「考動力」を発揮することで、社会に貢献することができる。
③主体的な態度の観点
・国際経済学の専門知識を有する者としての責任を持ち、経済学や現実の社会が抱える諸問題に主体的に取り組むことができる。授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
第1回 授業ガイダンス、5章 経済成長と貿易(1)
第2回 5章 経済成長と貿易(2)
第3回 5章 経済成長と貿易(3)
第4回 6章 生産要素の国際間移動 (1)
第5回 6章 生産要素の国際間移動 (2)
第6回 7章 輸入関税の基礎理論(1)
第7回 7章 輸入関税の基礎理論(2)
第8回 7章 輸入関税の基礎理論(3)
第9回 8章 貿易政策の手段(1)
第10回 8章 貿易政策の手段(2)
第11回 8章 貿易政策の手段(3)
第12回 9章 保護貿易政策に関する議論(1)
第13回 9章 保護貿易政策に関する議論(2)
第14回 9章 保護貿易政策に関する議論(3)
第15回 まとめ授業時間外学習 / Expected work outside of class
各授業回で扱われる教科書の各章を事前に熟読しておくこと。
配布資料の中の練習問題を使った問題演習の復習を行うこと。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
小テスト(100%)(配布資料に掲載される問題を毎回の授業中に解くことで理解度を確認し、その正答率で評価する。)基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
①以下の基準で評価します。
・経済成長が貿易参加国の貿易三角形の形状および交易条件、そして経済厚生に及ぼす影響が理解できているか。
・国家間で資本移動が発生するメカニズムおよび資本流出国・流入国の所得分配に与える効果を適切に説明できるか。
・輸入関税を始めとする様々な貿易政策手段の余剰分析(消費者と生産者の経済厚生に及ぼす影響)が理解できているか。
・保護貿易が行われる理由を幼稚産業保護論やゲーム理論などに基づいて説明できるか。
これらを確認するために、配布資料内の練習問題を使って小テストを毎回実施し、その点数で評価します。
②配布資料の練習問題の正答率(=獲得点数÷満点数)が全授業回の平均で60%を上回れば合格:秀(90%〜)・優(80〜89%)・良(70〜79%)・可(60〜69%)。
- 教科書
Textbooks 浦田秀次郎 『日経文庫「国際経済学入門」<第2版>』 (日本経済新聞社)
浦田秀次郎・小川栄治・澤田康幸 『はじめて学ぶ国際経済 (有斐閣アルマ)』 (有斐閣)
配布資料(毎回の授業で配布予定)
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参考書
References クルグマン/オブズフェルド(石井・浦田・竹中・千田・松井訳) 『国際経済(理論と政策)第3版 国際貿易』 (新世社) 教科書よりも説明は詳しい。
大川昌幸著 『国際経済学』 (新世社) 余剰分析の解説がある。
石川城太/菊地徹/椋寛 『国際経済学をつかむ<第2版>』 (有斐閣) 最新のトピックスが紹介してある。
ジョセフ・E・スティグリッツ/カール・E・ウォルシュ(藪下・秋山・蟻川・大久保木立・清野・宮田訳) 『スティグリッツ・ミクロ経済学・第4版』 (東洋経済新報社) ミクロ経済学の辞書
ミクロ経済学の知識が不十分な受講生はスティグリッツ/ウォルシュ共著『スティグリッツ・ミクロ経済学・第4版』(東洋経済新報社)で各自復習しておくこと。
- フィードバックの方法
Feedback Method
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact オフィスアワー
その他 sugeta@kansai-u.ac.jp
- 備考
Other Comments 本講義は「国際経済学1」の基礎知識を前提としているので、春学期に「ミクロ経済学基礎研究」と同時に履修すること。また、関連科目である「国際金融論」も併せて履修することを勧める。