2025 年度の講義概要のデータベースを検索します。カリキュラムツリーへのリンク
学部・研究科
Faculty/Graduate School
文学研究科
時間割コード
Course Code
90742
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
M日本文学史研究B 講義
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
担任者名
Instructor
小田 芳寿
曜限
Day/Period
水4
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

講義(対面型)

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

古代日本(主に奈良時代)では、円滑な国家機能を執行するために、律令(大宝律令・養老律令)が制定された。それらは社会状況や経済状況、臨時の任務や職掌等により更新されていった。本講義では、そうした法令の変容と『万葉集』の歌表現の関連性について考えていく。講義の主軸は、『万葉集』の歌表現の考察であるが、日本史料である『続日本紀』や律令、正倉院文書、木簡等を扱う。本講義の目的は、『万葉集』の歌表現の読みを深化させるだけでなく、他文献の読みも深め、複合的研究への視野を広げることにある。

到達目標 / Course Objectives

①知識・技能の観点
知識という点では、『万葉集』に関連する日本史料を知ることができる。また、史料の読みや扱い方を学ぶことができる。次に、技能という点では、日本史料を用いて日本文学作品の読みへの還元や反映方法を習得することができる。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
思考力という面でいえば、作品考察の際に、どこに問題があるのかという点や研究史の問題点に如何に気づくことができるか、という力を養うことができる。次に判断力では、そもそも上代文献の考察にあたっては、史料に恵まれないことに直面する。その際に、どのように論理構築を行うのか、その判断力を養うことができる。最後に表現力という点では、講義において上記①、②の事項を発現することや文章化する場面がある。そうした際に発信力や記述力の向上が考えられる。
③主体的な態度の観点
本講義は、教員から生徒への一方向性のものではなく、生徒からの発言を多く求める。したがって生徒の積極的、かつ主体的な姿勢が養われることになる。

授業手法 / Teaching Methods

・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり
・学生同士の意見交換(グループ・ペアワーク、ディスカッション、ディベート等含む)
・課題探究(プロジェクト学習、課題解決型学習、ケーススタディ等含む)

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

第1回  万葉集の時代区分と律令制
第2回  橘諸兄と橘奈良麻呂(『万葉集』巻19・4279~4281歌群題詞の考察)
第3回  題詞に見える「按察使」の性質
第4回  『万葉集』巻19・4279の考察(訓詁注釈)
第5回  『万葉集』巻19・4280の考察(訓詁注釈)
第6回  『万葉集』巻19・4281の考察(訓詁注釈)
第7回  『万葉集』巻19・4281左注の考察(訓詁注釈)
第8回  考察作品群の性質
第9回  班田制の整理(研究史の整理)
第10回  日本史料に見える班田
第11回  天平元年の班田と万葉集(橘諸兄の歌)
第12回  丈部龍麻呂挽歌(研究史の整理)
第13回  丈部龍麻呂挽歌長歌の表現考察
第14回  天平元年の笠金村歌の研究史
第15回  天平元年の笠金村歌の表現考察

授業時間外学習 / Expected work outside of class

万葉集の基礎的な内容(『万葉集事始』掲載の時代区分等)は事前に予習しておくこと。
また、歌の作品考察を行う時には、前もって歌番号や作品を伝えるため、事前に、『新編日本古典文学全集 万葉集』等を読んで把握しておくこと。
講義で扱った歌の考察については、配布資料を保管の上、理解を深めておくこと。

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
授業中のレポート・小テスト 30%
積極的な授業参加 50%
口頭発表等 20%

履修者数が多数になった場合には、成績評価方法を「定期試験(16週目)」に変更することがあります。
成績評価方法が変更になった場合は、インフォメーションシステム等で連絡します。

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

①知識・技能の観点
15回の講義中に、発表を求める。その発表内容において、問題意識が適切かつ正当であるか、またその問題に対して正しくアプローチできているか、これらが知識等の評価点である。次にそれらを受け手に対して明確に発信できているか、が技能の評価点における重要性である。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
上記①に関連して、研究史を鵜吞みにするのではなく、その適正を考え、判断できているか、が重要である。また上記①の発信力も伝える表現能力が重要である。その良し悪しが評価につながる。
③主体的な態度の観点
発表を行うかどうかという点と発表をしなかった場合、それに代わるレポート内容の可否が重要である。

教科書
Textbooks

井手至・毛利正守  新校注 萬葉集  和泉書院  978-4-7576-0490-2  C0392

参考書
References

坂本信幸・毛利正守  万葉事始  和泉書院  978-4-87088-728-2

フィードバックの方法
Feedback Method

関大LMSやメールで対応・指導を行う。

担任者への問合せ方法
Instructor Contact

授業の前後に対応する。もしくは、yoshihisaoda.opu@gmail.comまで連絡をすること。

備考
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