2017 年度の講義概要のデータベースを検索します。
学部・研究科
Faculty/Graduate School
安全
時間割コード
Course Code
75194
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
社会安全のための数学1
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
2
担任者名
Instructor
藤江 哲也
曜限
Day/Period
火2
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

 本講義では,自然現象,社会現象を数式表現し,それを定量的に解析する場合に,数学の基礎理論がどのように役立っているかを理解するとともに,社会安全学を学んでいくうえで必要となる数学の基礎的な手法を習得することを目標とする.具体的には,社会現象のなかに存在する数量的関係とその変化を記述するために必要となる微分法,2  次元表の形に整理できるデータを統一的に扱う場合や,社会の均衡状態を数学的に求める際に必要となる行列の固有値と固有ベクトルを学ぶ.さらに,情報通信のセキュリティ確保の基礎技術となる素数および剰余系の性質や,人工知能技術の基礎になる論理と推論など,離散数学にも触れる.

到達目標 / Course Objectives

・1次関数,2次関数,三角関数について,その数式表現,グラフの形状,グラフを平行移動した場合の数式表現,導関数を理解する. 
・1変数関数および多変数関数の微分に関する基本的な公式を使いこなせるようになる. 
・2×2行列の演算と固有値・固有ベクトルの算出,対角化が手計算でできるようになる. 
・素数や剰余系のもつ性質とその応用に関する理解を深める.
・論理式を使った推論に関する基礎知識を習得する.

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

(微分法) 
第1回  多項式関数
 1次関数,2次関数のグラフと,これらを平行移動したグラフが表す関数の性質について学ぶ. 
第2回  三角比
 直角三角形の辺の長さの比から三角関数を定義し,そのグラフの特徴を理解する
第3回  三角関数の性質
 3  辺,  2  辺挟角,1  辺と  2  角が既知の三角形について,未知の辺や角を求める方法を学ぶ.
第4回  微分の定義とその応用
 微分係数を平均変化率の極限で定義し,これを用いてグラフの概形を求める方法を学ぶ. 
第5回  微分の性質
 関数の積を微分する方法や,入れ子になった関数を微分する方法を学ぶ. 
第6回  いろいろな関数の微分
 平方根を含む関数,関数の商の形をした関数,三角関数を微分する方法を学ぶ. 
(線形代数) 
第7回  行列とその演算
 行列およびベクトルの和,差,積を計算する方法を学ぶ. 
第8回  逆行列
 逆行列を計算する方法と,逆行列に関する諸性質を学ぶ. 
第9回  連立一次方程式
 連立一次方程式を行列とベクトルで表現し,ガウスの消去法で解く方法を学ぶ.
第10回  正方行列の固有値と固有ベクトル
 左から正方行列をかけても定数倍にしかならないようなベクトルと定数を求める方法を学ぶ.
第11回  行列の対角化
 正方行列を固有ベクトルを並べた行列で変換すると,対角行列に変換できることを学ぶ.
(離散数学)
第12回  数の世界
 分数を循環小数として記述する方法を学ぶ.素数判定法と素数のもつ様々な性質を学ぶ.
第13回  割り算の余り
 素因数分解された数をある数で割った余りを求める方法と,RSA  暗号の構成方法を学ぶ. 
第14回  集合とその演算
 合併集合,共通集合,補集合をとる演算が,ブール代数とよばれる代数系になることを学ぶ.
第15回  命題と論理 真・偽の2値に対する演算を学んだ後,このような演算で構成できる推論について考える.

授業時間外学習 / Expected work outside of class

教科書の各章末に掲載する演習問題を各自でノートに解き,自己採点して提出すること.

成績評価の方法・基準
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。定期試験:55%,平常成績:45%(中間テスト,演習問題への取り組み)で評価する.

基準 / Evaluation Criteria

微分法,線形代数,離散数学の基礎的事項の理解度に基づいて評価する.具体的には,以下の各項目を理解できているかどうかにより評価する.
・一次関数,二次関数,三角関数のグラフが正しく書けること.
・平方根を含む多項式関数,有理関数,三角関数とその合成関数が微分できること.
・2×2行列の固有値・固有ベクトルが計算でき,これ用いて行列のべき乗を求められること.
・素数,循環小数,剰余演算など,整数論の基礎的事項を理解していること.
・ブール代数の諸法則を用いて,論理式の変形ができること.
なお,上記「授業時間外学習」にまじめに取り組んでいない場合は単位を認定しない.

教科書
Textbooks

山川栄樹  『数理学入門』  (電気書院)  2015年

参考書
References

石村園子  『大学新入生のための微分積分入門』  (共立出版)  2004年 小倉久和  『はじめての離散数学』  (近代科学社)  2011年 小倉久和,高濱徹行  『情報の論理数学入門;ブール代数から述語論理まで』  (近代科学社)  1991年 芹沢正三  『素数入門;計算しながら理解できる』  (講談社)  2002年 瀧澤精二  『微分積分学;上』  (廣川書店)  1976年 瀧澤精二  『微分積分学;下』  (廣川書店)  1976年 三宅敏恒  『入門線形代数』  (培風館)  1991年 山形邦夫,和田倶幸  『線形代数学入門』  (培風館)  1991年 吉田武  『オイラーの贈物;人類の至宝  e(iπ)  =  -1  を学ぶ;新装版』  (東海大学出版会)  2010年

備考
Other Comments

高等学校における数学の履修状況や,数学に関する基礎的素養に基づいてクラス分けを行う.

担当教員は非常勤であるため,授業およびその前後以外に質問があるときは,同じ科目の  1,  7,  8  組を担当している専任教員(山川栄樹)に質問されたい.