- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 文/経
- 時間割コード
Course Code - 30904
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - アジア経済史1
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 春/2
- 1
- 担任者名
Instructor - 西村 雄志
- 曜限
Day/Period - 火3
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
前期はアジアが本格的に欧米諸国に植民地化される19世紀後半までを対象時期とする。しかし、この講義では時期区分よりむしろ、問題対象を絞るかたちで進めていきたいと考えている。欧米諸国が本格的にアジアに進出してくる以前、アジアではどのような経済活動が行われていたのか、近年になって多くの素晴らしい研究が発表されてきている。インド洋交易圏や朝貢システムを基礎とした東アジア国際秩序の存在等、それら欧米諸国が関与していない独自の「纏まり」の存在が、欧米諸国が本格的にアジアに進出して植民地化を推進していくなかで、どのように変容し「再編」されたのか。この講義では19世紀末から現代まで続くアジア経済の「纏まり」の存在の端緒を皆さんとともに考えてみたいと思います。
到達目標 / Course Objectives
21世紀の現在においても、アジアには様々な独自性を有した文化や慣習が存在し、それに基づく経済活動も色濃く残っています。それと同時にアジアには稲作を中心とした農業社会をはじめとして共通する土台らしいものが存在しているのも事実です。アジアには多様性と共通性が共存しています。ヨーロッパにも同様のものは存在しますが、アジアと比較すればその違いは大きなものとは言えません。この講義の達成目標は、こうしたアジアに存在する多様性と共通性を歴史的視座から捉え直すとともに、現在のアジア経済が発展する源流を受講して頂く各々が自分なりに考え理解して頂くことにあります。講義の内容を細かく覚えるのではなく、むしろ自分なりの問題関心を醸成して言って頂く事が大事な事だと考えます。
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
第01回:アジア経済史を学ぶ背景
第02回:国家、市場、共同体
第03回:稲作文化と労働集約的技術・労働吸収的制度
第04回:ムガール帝国の経済発展
第05回:K.N.チョードリのインド洋交易圏論と家島彦一
第06回:朝貢貿易システム論
第07回:明末清初以降の「華夷変態」
第08回:李氏朝鮮と琉球王国:属国と自主のあいだ
第09回:近世東南アジア経済の発展:アンソニー・リードの議論
第10回:イギリス東インド会社とオランダ東インド会社
第11回:イギリス東インド会社の独占崩壊と中国貿易
第12回:東アジアの開港と世界経済への統合
第13回:中国の世界市場への統合に果たしたアヘンの役割
第14回:英系国際銀行の設立運動:香港上海銀行の事例
第15回:大分岐論:K.ポメランツの問題提起授業時間外学習 / Expected work outside of class
リーディングリストの文献を読むことや講義で取り上げた研究について自ら図書館等で調べることを求める。講義内容が理解できない場合は放置せずに自分自身で解決する努力をすること。
- 成績評価の方法・基準
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。基本的に定期試験で判断する。ゲストスピーカーを招聘した講義を行った場合、ミニッツペーパーを考慮する場合もある。
定期試験の情報等はすべてインフォメーションでアナウンスする。従って、講義の最中に定期試験のことは説明しない。各自でインフォメーションを確認する事。基準 / Evaluation Criteria
定期試験に関しては、説得的・論理的な論考であることを求める。誤字脱字が少ない事や字がきれいである事に越した事はないが、可能な限り読み手に対する配慮があった方が評価は高まる。
- 教科書
Textbooks
教科書は指定しない。
-
参考書
References
追って指示する。
- 備考
Other Comments 講義のレジュメは1週間前からインフォメーションに掲載する。その際、講義に関係するリーディングリストも合わせて掲載する。受講生は必ずレジュメをプリントアウトして参加する事。できればリーディングリストの文献に目を通しておく事。
今年度から要約版の配布は行わない。講義で示した図表等のみインフォメーションに講義後に掲載する場合がある。
オフィスアワーは月曜の昼休みを予定している。その際、以下のアドレスまで事前にアポイントを入れる事< tnishimu@kansai-u.ac.jp >。