2016 年度の講義概要のデータベースを検索します。
学部・研究科
Faculty/Graduate School
東アジア文化研究科
時間割コード
Course Code
98847
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
M文化交渉学特殊研究A 講義
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
担任者名
Instructor
井上 克人
曜限
Day/Period
火4
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

日本の近世・近代における西洋近代思想の受容と変遷をたどる。徳川時代の体系的な思想として注目されるのは儒教と国学だが、とくに儒教は武士社会はいうまでもなく、町人農民の間にも広く行き渡り、人々の教養として、あるいは倫理意識として浸透していた。まさに儒教は、徳川時代思想界の主導的で正統的な体系的思想であった。しかし儒教が一面において封建秩序を理念づけながら、他面において徐々に変貌しつつ、どのように新しい時代を準備し、西洋近代思想受容の前提を形成したかということに焦点をあてて、考えてみる。その際、問題を5つにしぼる。
(1)人権思想受容への道
(2)実証主義思想受容への道
(3)自然科学受容への道
(4)日本の哲学思想の展開
(5)明治期の美学思想の誕生

到達目標 / Course Objectives

(1)日本の近代思想受容の学問的前提を理解する。
(2)日本の近代を準備する学問的姿勢が、朱子学にあったことを再認識する。
(3)儒教に対する狭い知識を、近現代においても通用する思想として見つめなおす。

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

第1回  近世における学問的基盤
第2回  朱子学に見る科学的精神
第3回  新しい学問の形成と知識人
第4回  明治初期の啓蒙思想その1
第5回  明治初期の啓蒙思想その2
第6回  自由民権運動とその思想
第7回  国粋主義の国家観―政教社の思想家
第8回  明治期におけるキリスト教の受容と特質その1
第9回  明治期におけるキリスト教の受容と特質その2
第10回 明治アカデミー哲学の特質―その1
第11回 明治アカデミー哲学の特質―その2
第12回 近代日本の中国認識―亜細亜と東洋
第13回 明治期の美学思想その1
第14回 明治期の美学思想その2
第15回 総括

授業時間外学習 / Expected work outside of class

授業資料、ノートを読み返し、理解が不十分な箇所に関しては各自参考書を調べるなどして復習をすること。また、シラバスで指定している参考書の範囲を読み、内容を把握するように予習すること。

成績評価の方法・基準
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Course Content

定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。出席率30%、レポート70%

基準 / Evaluation Criteria

(1)明治期の思想家たちが、西洋近代化と伝統思想との絡み合いのなかで、どのように思惟を展開させていったか、その的確な理解ができているか。
(2)そもそも西洋近代の特質がどのようなものであり、また東アジア圏における東洋的伝統思想が、日本、中国、韓国等では必ずしも同一ではないことを、どの程度理解できているか。
(3)近代日本の中国認識はどのような特質をもっていたか、正確に理解できているか。
(4)明治期になって美学思想がどのように生じ、展開したかを理解する。

教科書
Textbooks


教科書は使用しない。

参考書
References

松本三之介(編集・解説)  『近代思想の萌芽[現代日本思想大系1]』  筑摩書房   松本三之介  『明治思想における伝統と近代』  東京大学出版会   松本三之介  『近代日本の中国認識』  以文社   西村清和・高橋文博  『近代日本の成立』  ナカニシヤ出版   中村春作  『江戸儒学と近代の「知」』  ペリカン社   井上克人編著  『豊饒なる明治』  関西大学出版部   神林恒道  『近代日本「美学」の誕生』  講談社学術文庫  
その他、適宜、授業中に指示する。

備考
Other Comments

オフィスアワー:水曜日・第3時限目
事前にアポイントメントを取ってください。