2016 年度の講義概要のデータベースを検索します。
学部・研究科
Faculty/Graduate School
法務研究科(法科大学院)
時間割コード
Course Code
96090
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
法曹倫理
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
02
担任者名
Instructor
竹下 賢/若松 陽子/松本 哲泓/上坂 和央
曜限
Day/Period
火1
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

 2年次を対象として、法曹の業務全般にわたり必要とされる責任感や倫理感を養うことを目的とする。弁護士倫理に限定せず、法曹全体についての使命、行動規範、資質などを講義する。そのため裁判官、検察官についても独自に経験者による講義を行うこととするほか,全体の総論部分を研究者教員が担当する。弁護士倫理については、訴訟手続だけでなく訴訟外に拡大されつつある弁護士の職務の現状を踏まえるとともに、司法改革の進展に伴い変容する弁護士のあり方を具体的課題と事例を通じて検討し、プロフェッションとしての自覚と倫理観を会得して貰う。

到達目標 / Course Objectives

法曹実務家として必要な倫理観の修得

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

 研究者教員とともに実務家教員が、各分担して一般的講義のほか、事前に事例や判例を提示し、場合によってはレポートを提出させ、当日論点につきディスカッションを行う。初めの3回は研究者教員が総論を担当し、その後は実務家教員が各論を担当する。各論は弁護士について8回とし、検察官、裁判官について各2回を割り当てる。
第1回〜第3回<研究者教員担当>
(1)現代社会における法と倫理
  ①人間の主体性と共同性
  ②法的責任と倫理的責任の重複 
(2)法と倫理の異同
  ①区別の物理的要素としての強制
  ②区別の心理的要素としての法的確信
  ③区別の理念的要素としての正義
(3)法と社会倫理と職業倫理
(4)司法制度改革と法曹養成教育
第4回〜第11回<弁護士教員担当>
第4回 弁護士の使命と職務
(1)弁護士法1条ないし3条、法曹の役割、期待される弁護士像
(2)弁護士倫理の性格
(3)特に弁護士に厳しい倫理が求められる根拠
(4)使命感とマネイジメントの両立
第5回 わが国弁護士制度の特色
(1)弁護士制度の歴史と変遷
(2)弁護士自治について
(3)わが国の弁護士を統合する理念とモデル論
第6回 弁護士と依頼者の関係(1)
(1)弁護士の誠実義務と独立性、説明義務、
(2)党派的弁護の可否(忠実性、秘密保持と公共的立場)
(3)利益相反(弁護士法25条)、非弁提携の禁止
第7回 弁護士と依頼者の関係(2) 
(1)秘密保持の権利と義務
(2)名誉毀損とプライバシー侵害への配慮
(3)弁護士と他の弁護士・相手方との関係
第8回 民事訴訟・執行の代理人としての在り方
(1)事前の調査、証拠の確保、証人対策、不当訴訟
(2)訴訟引延しと弁護士倫理、訴訟進行への協力(裁判迅速化法案との関連)
(3)応訴、訴訟追行にあたっての真実義務
第9回 刑事弁護人の使命と弁護士倫理
(1)最善の弁護活動(誠実義務と弁護人の良心)、正当な手続の保障
(2)弁護人活動における真実義務の存否
(3)国選・被疑者弁護と弁護士倫理
第10回 弁護士と企業法務(組織内弁護士)
(1)弁護士の役員就任と雇用弁護士の解禁、届出義務
(2)弁護士の独立性と雇用契約(コンプライアンスと不正の是正)
第11回 弁護士の綱紀・懲戒制度と公益活動
(1)弁護士の会活動とプロボノ活動
    隣接法律専門職種との関係(ワンストップサービス、独立性と相互協力)
(2)弁護士会の綱紀、懲戒手続
    綱紀・懲戒事例の現状、公表問題
    弁護士会の指導監督、倫理研修
第12回〜第13回<裁判官教員担当>
(1)裁判官の役割と特色
    裁判官制度の歴史的沿革
    司法の独立と裁判官の独立(身分保障)
(2)裁判官の地位と規律
    裁判官としての生きがいと生活
    裁判官に求められる資質、姿勢
    裁判官職務上の義務、懲戒手続、裁判官の市民的自由
第14回〜第15回 検察官の役割と責任<検察官教員担当>
(1)検察官としての生きがいと生活
(2)検察官に求められる資質、姿勢

授業時間外学習 / Expected work outside of class

 事前配布の資料を読み、出題された問題がある場合には、これを検討の上、授業に臨むこと。

成績評価の方法・基準
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Course Content

筆記試験に代わる論文(レポート)の成績と平常成績で総合評価する。総合評価の割合は、論文(レポート)70%、平常成績30%とする。
2015年度の実績:S→10名、A+→4名、A→10名、B+→1名、B→2名、C+→0名、C→1名、不合格→0名

基準 / Evaluation Criteria

各回で取り上げた基本的な問題や概念について正しく理解できているかどうかを評価する。平常成績には、講義中の質問やディスカッションの対応、出欠状況を加味する。

教科書
Textbooks


特に指定しない。参考事例や判例等を適宜プリントで配布する。

参考書
References


適宜教示する。

備考
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