- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 総合情報学研究科
- 時間割コード
Course Code - 95112
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - M聴覚情報論
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 夏集/2
- 担任者名
Instructor - 津崎 実
- 曜限
Day/Period - 他
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
この講義では聴覚を通じて人間が外部からの情報をどのように取り入れ,環境に適用的な行動を取っているかについて理解をしてもらうことを目的とします。聴覚的な刺激である音響信号の物理的な基礎,それを中枢に伝えるために聴覚系が持つ構造とその機能の詳細,その結果として人間の聴覚印象が持つ特性について概観していきます。最終的には聴覚情報処理とは具体的にどのような問題解決をしていることになるのかについて,音声や音楽などの古典的に聴覚の中心的な対象と思われてきた刺激を包括的に含む,環境音全般の認知という観点から解説します。
到達目標 / Course Objectives
(1) 聴覚を必ずしも専門とするものでなくても,知っておくべき聴覚の特性を把握する。
(2) キーワードを脈絡なく記憶するのではなく,聴覚系の動作原理について納得する。
(3) そもそもなぜ人間に聴覚が備わっているのか,という素朴な疑問に答えられるようになることを目指す。
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
集中講義であるので,それぞれのコマで触れるトピックについては進行状況や受講者の理解の様子を見ながら調整していきます。主に次の5点に関して解説します。(1)音の物理的な基本特性 (2)聴覚末梢系の構造と機能 (3)基本的な聴覚特性 (4)聴覚の計算論的モデル (5)聴覚による情景分析。
人間の聴覚系の様々な段階に存在する非線形性について,その原因となっている機構と,その結果として得られる利点を軸として講義を行います。それぞれのトピックについて中心となるこの軸との関連性を念頭に置いて理解を進めてもらうことを期待します。授業時間外学習 / Expected work outside of class
・物理学の基本知識について事前に復習しておくことで理解が容易かつ効率的になるはずです。
・数式は極力用いませんが,数学的な思考を避けて通ることがないようにアレルギーのある人はなるべく払拭しておいて下さい。
- 成績評価の方法・基準
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Course Content
定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。出席点40%, 授業中レポート60%。ただし, 必要に応じて講義期間終了後に追加レポートの提出を課す場合がある。
基準 / Evaluation Criteria
講義を受けたことにより,聴覚についての理解が深まり,それまでの自分の聴覚に対する理解に何が新しく加わったかを伝えるレポートであることが期待される。
- 教科書
Textbooks
-
参考書
References 日本音響学会編 音響サイエンスシリーズ 聴覚モデル コロナ社 2011年 乾敏郎 編 認知心理学1 知覚と運動 東京大学出版会 1995年 B.C.J.ムーア著 大串 健吾監訳 聴覚心理学概論 誠信書房 1994年
- 備考
Other Comments いわゆる文系,理系という枠を超えた近代的な心理学的な視点での講義となります。音を中心とした信号処理に関する基礎的な解説をしていきますので,純粋に文系的な学生諸君には少し取っつきにくい印象を与えるかも知れませんが,講師ももともとは文科系の出身の人間ですので尻込みせずに挑戦してください。