2016 年度の講義概要のデータベースを検索します。
学部・研究科
Faculty/Graduate School
政策/外
時間割コード
Course Code
86462
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
マイノリティ論
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
担任者名
Instructor
孝忠 延夫
曜限
Day/Period
水3
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

「マイノリティ」とは、今日一般的には、「何らかの属性的要因(文化的、身体的特徴など)を理由として、否定的に差異化され、社会的・政治的・経済的に弱い地位におかれ、当人たちもそのことを意識している社会的構成員」(宮島・梶田)とされています。「少数者」と訳さないのは、それが数の問題ではないからです。もともと、民族的・宗教的マイノリティに限定して用いられていたのですが、その概念の拡散状況の中で、「他の成員によって社会からはじき出されている人々の集団で、自らも集団差別の対象となっていると考えているグループ」をマイノリティグループと呼ぶようになっています。
 この講義では、「社会の周縁的存在」とされている広い意味での「マイノリティ」を扱います。そして、21世紀グローバル市民社会のなかで、見直しと再構成の対象となっている「国民国家(Nation-State)」の将来像を考えるうえで、不可欠の考慮要素となる「マイノリティ」について検討します。

到達目標 / Course Objectives

①「マイノリティ」を国民国家の再構築とグローバル社会のあり方のなかに位置づけて理解すること。
②多義的で多様な「マイノリティ」の存在とその課題を理解すること。

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

 おおよそ以下のような内容、スケジュールで講義を行います(受講生の問題関心などに応じて順序を入れ替えたり、特定のテーマについて詳細に論究したり、あるいは省略することもあります)。

第1回〜第3回
Ⅰ.序――いくつかの具体例を通して、あらためて「マイノリティ」を考える 
1.これまでの幾つかの事例を手がかりに
(1)  アルフォンス・ドーデ作『最後の授業』(1872年作、1973年出版)
(2)動物への「人道的」?処遇(スイス憲法)
(3)  いわゆる「ブルカ禁止法」(フランス、2010年)
(4)  「先住民族・アイヌ」
(5)  スリランカ――「宗教」が違う、「言語」が違うから「紛争」が起こったのか?
(6)  誰が「国家」を歌うのか――いくつかの「国歌」を手がかりに
2.  宗教的マイノリティとしての「再洗礼派」
第4回
Ⅱ.「マイノリティ」とは何か? 誰か? 
1.研究者(社会科学者)による「マイノリティ」概念
2.国際法の分野における「マイノリティ」
3.「マイノリティ」概念の拡散
第5回〜第6回
Ⅲ.「マイノリティ」問題の登場 
         ――国際社会の「形成」とマイノリティ
1.「ナショナリティ」から「マイノリティ」へ
2.「マイノリティ」概念の発展
3.国家への同化を運命づけられた「マイノリティ」
4.第二次世界大戦後の「マイノリティ」
5.自由権規約第27条が保障するマイノリティの権利
6.「マイノリティの権利宣言」の意義と課題
第7回〜第11回
Ⅳ.「国民国家(Nation-State)」の成立・展開と「マイノリティ」 
         ――近代国民国家の「影(闇)」としてのマイノリティ
1.はじめに
2.フランスの場合
3.ドイツの場合
4.ベルギーの場合
5.アメリカ合衆国の場合
6.インドの場合
7.中国の場合
8.その他の「国民国家」
第12回
Ⅴ.多文化主義と文化多元主義 
第13回〜第14回
Ⅶ.グローバル市民社会とマイノリティ
第15回
Ⅷ.むすびに 
――「人権問題としてのマイノリティ」と「民主主義の問題としてのマイノリティ」

授業時間外学習 / Expected work outside of class

①レジュメおよび資料は、あらかじめ読んでおくこと。
②レジュメなどは、インフォーメーション・システムにアップするので、講義前に必ず確認すること。
③講義でとりあげるテーマだけではなく、受講生が関心をもったテーマについて自主的に学習することを望みます。

成績評価の方法・基準
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Course Content

定期試験を行わず、到達度の確認(筆記による学力確認)と平常成績で総合評価する。学力確認のための平常試験をおこないます(70%)。課題レポートなどの成績評価割合は30%とします。

基準 / Evaluation Criteria

①講義内容を基本的に理解しているものを合格とします。
②講義内容の理解の程度に応じてプラスポイントをつけます。
③講義でとりあげたテーマ、課題などについて自主的に調べ、考察した内容を示す答案などはとりわけ高く評価します。

教科書
Textbooks


とくに指定しません。

参考書
References


授業中、適宜指示します。

備考
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