2016 年度の講義概要のデータベースを検索します。
学部・研究科
Faculty/Graduate School
時間割コード
Course Code
65051
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
特別研究1
(有機化学反応研究室)
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/3
担任者名
Instructor
坂口 聡
曜限
Day/Period
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

個人で研究課題に取り組む。有機化学反応に関する様々な専門的知識や技術を習得すると同時に、試行錯誤しながら道を開拓していくという研究の進め方を身につける。研究を行う中でいくつもの壁にぶつかるが、自分で考えて乗り越えていくという能力が極めて大切である。目の前の問題から逃げ出さずに、自身の力で対処するということは、各人が卒業後に仕事をしていく上で最も重要なことである。ただし、導き出した処方箋が結果的に正しくなかったという経験も多々する。そのような場合、さらなる次の一手を考えて前に進む必要がある。同じ研究室に配属された仲間と日々精進するようなプログラムを用意しているので、少なくともそれをやっつけ仕事することなく継続的にきちんとこなし、さらには自己啓発に努めてほしい。また、将来の仕事人生に向けて、セルフマネージメント(自己管理)能力を身につける。将来、個々人が仕事をするにあたり、本質を見抜く力を養うことを旨とする。

到達目標 / Course Objectives

以下の点を到達目標とする
1.研究の背景に対する調査と真の理解力
2.安全・衛生面に配慮しながら有機合成化学実験を行う能力
3.迅速な有機化合物の機器分析とデータ解析能力
4.実験を基にした論理的な考察、問題点の発案ならびに問題解決能力(PDCAサイクル)
5.信頼できる確実な実験データを導き、また積み重ねた実験データを整理する能力
6.研究成果の論述能力ならびにプレゼンテーション能力
7.有機化学反応に関する知識を習得し、他者にわかり易く解説する能力
8.有機化学反応に関する最新の論文(.英文)を読解し、他者にわかり易く解説する能力
9.セルフマネージメント能力(受動的でなく能動的に仕事に取り組む能力)
10.卒業論文執筆ならびに卒論発表会での発表

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

主として以下の3点について、必ず定期的に行う。継続して努力することで、知識が確実に身につくものと思われる。
①新規有機反応論の開拓:分子や反応をデザインして試験(実験で試すという意味での)を行う。いわゆる座学ではなく、ある意味で答えのない未知の領域での活動(研究活動)であり、極めて知的な行為となる。研究を展開するための論理的な思考(PDCAサイクル)を養い、自主性、積極性、独創性を高める。
②成書輪読会:書物を通して将来に役立つ幅広く深い知識を身につける。
③雑誌会:最新の学術論文を通して将来に役立つ最先端の知識を身につける。②成書輪読会も同様だが、研究内容を理解するだけでは満足できない。参考文献をあたりその研究の背景までもきちんと理解して、それらを大学院生を含む他の受講生の前で発表する。その緊張感が、知識を確実なものとし、また同時に皆がその知識を共有できるようになる。さらには、不明瞭な点、気になる点を積極的に質問し、真に理解できるまで深く議論を行うことが重要である。

授業時間外学習 / Expected work outside of class

研究室のスケジュールに従って与えられたプログラムを遂行するだけでなく、例えば、甲種危険物取扱者  免状の取得を目指したり、有機化学や物理化学の教科書を問題を解きながら精読するなど、毎日継続して自己研鑽に努めること。

成績評価の方法・基準
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Course Content

定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。総合評価(100%)

基準 / Evaluation Criteria

週報会での研究発表、雑誌会および輪読会での発表を、中間報告会での発表、卒業論文の執筆、卒論発表会での発表を欠けることなく必ず行うこと。

教科書
Textbooks

ジョーンズ  『有機化学』  (東京化学同人)   ブルース  『有機化学』  (化学同人)   東郷秀雄  『有機反応のしくみと考え方』  (講談社)  

参考書
References

ヘゲダス  『遷移金属による有機合成』  (化学同人)   檜山為次郎・野崎京子 編  『有機合成のための触媒反応103』  (東京化学同人)   野依良治・柴﨑正勝・鈴木啓介・玉尾皓平・中筋一弘・奈良坂紘一 編  『大学院講義  有機化学Ⅰ.分子構造と反応・有機金属化学』  (東京化学同人)   野依良治・柴﨑正勝・鈴木啓介・玉尾皓平・中筋一弘・奈良坂紘一 編  『大学院講義  有機化学Ⅱ.有機合成化学・生物有機化学』  (東京化学同人)   日本化学会編 山本 尚・伊藤 卓・伊藤嘉彦・奈良坂紘一・丸岡啓二・諸岡良彦  『金属反応剤を用いる不斉化学合成』 季刊化学総説  19  (学会出版センター)   日本化学会編 伊藤 卓・内本喜一朗・中村 晃・干鯛眞信・山崎博史  『前周期遷移金属の有機化学』 季刊化学総説  17  (学会出版センター)   奈良坂紘一・岩澤伸治 編  『最新有機合成化学 -ヘテロ原子・遷移金属化合物を用いる合成-  』 現代化学増刊  43  (東京化学同人)   東郷秀雄  『有機人名反応 そのしくみとポイント』  (講談社サエンティフィク)   東郷秀雄  『演習有機反応 その解き方と考え方』  (講談社サエンティフィク)   日本薬学会 編    『知っておきたい有機反応100』   (東京化学同人)   有機合成化学協会 編  『演習で学ぶ有機反応機構-大学院入試から最先端まで-』  (化学同人)   G.S.  ツヴァイフェル・M.H.ナンツ 著  檜山為次郎 訳  『最新 有機合成法』  (化学同人)   Rakesh  Kumar  Parashar  『合成有機化学』  (東京化学同人)  

備考
Other Comments

1.実験中の事故には十分気をつけ、保護メガネを必ず着用すること。
2.使用する試薬や有機溶媒の物性を必ず調べ、その取り扱いおよび管理に注意すること。
3.教員との連絡は、対面あるいは電子メール(satoshi@kansai-u.ac.jp)で行う。