2016 年度の講義概要のデータベースを検索します。
学部・研究科
Faculty/Graduate School
時間割コード
Course Code
62206
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
熱・統計力学
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
担任者名
Instructor
伊藤 誠
曜限
Day/Period
月4
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

熱力学、統計力学はともに物理系の熱現象の記述を目的とするものであるが、それらの基本的描像は大きく異なっている。熱力学では物理系をマクロなスケールの塊としてとらえ、熱現象を記述するのに対し、統計力学では系を分子、原子の集合体としてとらえ、よりミクロなレベルから熱現象を記述しようとするものである。
本講義ではマクロスケールの理論である熱力学の理論体系について主に学ぶ。また、その際、ミクロスケールな考え方についても適宜導入して説明を行う。統計力学によるミクロレベルな取り扱いついては、余裕があれば気体分子運動論について触れ、導入部分を解説するにとどめる。統計力学を本格的に学びたい場合には、三年次に開講される、「統計力学1」も併せて履修することを進める。

到達目標 / Course Objectives

本講義の達成目標は以下の①~④である。
①熱力学第一、第二法則が理解できる
②エントロピーの概念とエネルギーの関係が理解できる
③熱力学的な諸量の相互の関係、計算ができる。
④熱力学と統計力学のつながりが理解できる

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

以下の講義内容を予定している。前半において熱力学第一法則を学習し、後半は主に第二法則等を講義する予定である。なお、講義内容は状況に応じて適宜変更する予定である(以下の番号は必ずしも講義番号を表すものではない)。

1.  温度と熱(1):経験温度、気体の性質、状態方程式
2.  温度と熱(2):熱と仕事、内部エネルギー、実在気体の性質
3.  熱力学第1法則(1):エネルギー保存則、状態量、準静的変化
4.  熱力学第1法則(2):全微分による熱力学諸量の取り扱い
5.熱力学第1法則(3):熱容量、エンタルピー
6.  熱力学第1法則(4):理想気体の内部エネルギーと断熱変化
7.  問題演習:熱力学第1法則
8.  中間テスト:1~7の内容のテスト
9.  熱力学第2法則(1):熱機関、熱力学第2法則
10.  熱力学第2法則(2):熱機関の効率と熱力学的温度
11.  熱力学第2法則(3):熱機関とエントロピー、
12.  熱力学第2法則(4):エントロピー増大の法則とエクセルギ―
13.  問題演習:熱力学第1,2法則総合問題
14.  統計力学の導入:ミクロレベルでの気体の捉え方
15.  まとめと到達度確認テスト

授業時間外学習 / Expected work outside of class

授業資料、教科書、ノートを読み返し、授業内容の理解に努めるよう復習をすること。

成績評価の方法・基準
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Course Content

定期試験を行わず、到達度の確認(筆記による学力確認)と平常成績で総合評価する。成績評価の目安は、中間テスト(30%)、到達度確認テスト(40%)、平常成績(30%)であるが、履修者の成績分布に応じて適宜変更する。

基準 / Evaluation Criteria

総合成績で60点以上が合格基準です。

教科書
Textbooks

戸田和盛  物理入門コース7  熱・統計力学  岩波書店  熱・統計力学の入門的な教科書。初学者向けであるため、やや初歩的な内容に限定されている。
教科書は一応指定するが、自分に合ったテキスト各自で選んでもよい。一回目の講義時に教科書に関するガイダンスを行う。

参考書
References

原島鮮  熱力学・統計力学  培風館  熱力学と統計力学がコンパクトに、なおかつ明確に纏められている。説明や論理展開がやや高度である。 横田伊佐秋  熱力学  岩波書店(物理テキストシリーズ)  熱力学の一般論に関して、基礎から応用までコンパクトにまとめられている。

備考
Other Comments

第一回目の講義時にオフィスアワーなどについて連絡する。