2016 年度の講義概要のデータベースを検索します。
学部・研究科
Faculty/Graduate School
時間割コード
Course Code
62358
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
実験流体力学
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
担任者名
Instructor
田地川 勉
曜限
Day/Period
水1
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

 現代の流体力学における実験の役割と位置付けは,実験技術と装置の進歩に加えて,近年の数値流体力学(CFD)の目覚ましい発展に伴って大きく変わりつつある.このため,実験の哲学そのものに立ち帰って考えることが重要である.流体に関する諸現象への取り組み方として,理論的,数値計算的アプローチと比べ,実験的アプローチは経費と人手がかかるが,実現象を制御された形で直接取り扱うので,前者による結果を実証するためには必須であるだけでなく,現象の本質を直観的に理解することができるため,新たな知見や論理につながることが多く,流体現象を扱う研究・開発・設計・製造の全段階において極めて重要な役割を担っている.
 この講義では,模型実験と実機の関係を力学的見地から記述した「力学的相似則」,風洞・回流水槽の最新技術,流体の諸物性値から圧力,流量,流速等の計測法および流れの可視化手法の原理とこれらに関わる光学的理論について講義するとともに,実際の計測例を紹介することで,技術者,研究者として必須の基礎知識・基礎技術を身に付ける.

到達目標 / Course Objectives

・模型実験の基礎となる力学的相似則を修得する.
・各種流体計測法の測定原理を理解する.
・各種流体計測法の長所・短所を理解し,実験実施時に必要な基礎知識を修得する.

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

 1.実験流体力学とは? 実験の哲学(物理現象への実験的アプローチの意義)
   模型実験の応用例
   模型実験の理論的基礎(力学的相似則)1;パイナンバーの導出方法
 2.模型実験の理論的基礎(力学的相似則)2;流体の運動と熱・エネルギー・物質輸送の相似則
 3.模型実験の理論的基礎(力学的相似則)3;主要パイナンバーの紹介ととその応用例
 4.風洞実験法
 5.回流水槽実験法
 6.流体物性値の測定;密度,粘度,動粘度,表面張力など
 7.圧力の測定法;マノメーター,ブルドン管,熱伝導率式,半導体圧力変換器など
 8.流量の測定法1;差圧式,電磁式,超音波式,渦式,コリオリ式,容積式など
 9.流速の測定法1;ピトー管,熱線・熱膜流速計など
10.流速の測定法2;レーザードップラー流速測定法(LDV)
11.流れの可視法;全手法の概観
12.流れの可視化計測法1;速度場の計測(PIV,PTV,LIF)
13.流れの可視化計測法2;温度,濃度,圧力場の計測(LIF,PSPなど)
14.流体計測データ処理法
15.実験流体力学の将来展望;計測の知能化・コンピューター化(センサー、信号処理、情報抽出),CFDとの関係

授業時間外学習 / Expected work outside of class

各講義回に資料を配付するので,前週までの内容について資料を読み返しておくこと.

成績評価の方法・基準
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Course Content

定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。定期試験(筆記)の成績,授業中に課したレポートを合わせて総合評価する.
平常成績で20%,期末試験で80%.

基準 / Evaluation Criteria

各試験,レポートで,どれだけ授業目標に到達しているかで評価する.

教科書
Textbooks


使用しない.毎時間,プリントを配布する.

参考書
References

朝倉書店  『模型実験の理論と応用(第三版)』  (技報堂出版)   大場謙吉・板東潔  『流体の力学  -現象とモデル化-  』  (コロナ社)   Pankhurst  &  Holder  『Wind-Tunnel  Technique』  (Sir  Isaac  Pitman  &  Sons  Ltd)   日本機械学会・編  『技術資料 流体計測法』  (日本機械学会)   F.Durst  et  al.  『Principles  and  Practice  of  Laser-Doppler  Anemometry』  (Academic  Press)   浅沼強・編  『流れの可視化ハンドブック』  (朝倉書店)   M.ラッフェル・C.E.ヴィラート・J.コンペンハンス 著,小林敏雄 監修(岡本孝司・川橋正昭・西尾茂 訳)  『PIVの基礎と応用-粒子画像流速測定法-』  (シュプリンガー・フェアラーク東京)   日本実験力学会・編  実験力学会ハンドブック  (朝倉書店)  

備考
Other Comments

オフィスアワーについて:毎回の授業終了時等に受付を行うので,各自申し出ること.