2016 年度の講義概要のデータベースを検索します。
学部・研究科
Faculty/Graduate School
時間割コード
Course Code
62019
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
数学基礎ゼミナール1
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
2
担任者名
Instructor
楠田 雅治
曜限
Day/Period
水1
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

べクトル空間上の線型変換を扱うとき,  「その線形変換に対する固有ベクトルの集合の中からベクトル空間の基底を選ぶことができるか?」という問題が生じる。一般に,  無条件ではこの問題は否定的である。では,  線型変換にどのような条件を課せれば,  この問題が肯定的であるかという問題を固有値問題という。
 通常の大学数学科1年次の線型代数の授業では,  秋学期の後半に行列の固有値・固有ベクトル、さらに行列の対角化などを学ぶが,  時間の関係もあり,  例えば解析学との関連などには触れず,  あるいは関連付けようとする視点を欠いたままで授業が終了してしまうのが普通である。そのため,  関数解析学を学んだ時,  ヒルベルト空間論で自己共役作用素のスペクトル分解が2次曲面の主軸問題と同じ議論であることに気が付かなかったり,  あるいはフーリエ級数論が固有値問題であることを知らなかったりするような事態が生じている。
 このゼミナールでは2次正方行列からスタートして,  1年かけて線型代数と3年次以降の解析学,  例えばヒルベルト空間の自己共役作用素(特にコンパクト作用素)のスペクトル分解,  フーリエ級数との関係等が理解できるようになることを目標とする。
テキストの第1講から第3講までは,  高校数学の旧カリキュラムの内容なので学生諸君は各自自習しておいてほしい。
ゼミナールの第1回は第4講「線形写像と行列」(1年次10月頃の授業の線形代数)から始める。

到達目標 / Course Objectives

(1)固有値問題の意味を理解する。
(2)無限次元ベクトル空間上の連続な線形写像(線形作用素という)
で重要なものの定義とその特徴を理解する。

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

第1週.    線形写像と行列を復習する。
第2週.    固有値と固有方程式を復習する。
第3週.    対角化可能な線形写像を復習する。
第4週.    内積を復習する。
第5週.    正規直交基底
第6週.    射影作用素、随伴作用素  (1)
第7週.    射影作用素、随伴作用素  (2)
第8週.    正規作用素
第9週.    エルミート作用素
第10週.  ユニタリ作用素と直交作用素  (1)
第11週.  ユニタリ作用素と直交作用素  (2)
第12週.  積分方程式  (1)
第13週.  積分方程式  (2)
第14週.  フレドホルムの理論  (1)
第15週.  フレドホルムの理論  (2)

授業時間外学習 / Expected work outside of class

(1)ゼミナール発表者以外の学生諸君も発表者のつもりでテキストを読んでおくこと。
(2)ゼミナールが終わった日は、その日の学習分をよく復習しておくこと。

成績評価の方法・基準
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Course Content

定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。平常評価(100%)

基準 / Evaluation Criteria

出席点と発表の出来で平常点を評価する。発表の評価ポイントはテキストの内容を理解度、聴き手が理解しやす用に内容を整理して話しているか、テキストの文を読むのではなくて自分の言葉で話しているか等を評価ポイントとする。

教科書
Textbooks

志賀浩二  『固有値問題30講』  (朝倉書店)  

参考書
References

備考
Other Comments

オフィスアワーについて:取扱いの詳細については、授業中に追って指示します。