2016 年度の講義概要のデータベースを検索します。
学部・研究科
Faculty/Graduate School
時間割コード
Course Code
62173
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
量子光工学
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
担任者名
Instructor
淺川 誠
曜限
Day/Period
火3
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

言語 / Language

<秋>
日本語(Japanese)


授業概要 / Course Description

<秋>
 プラズマ:電子とイオンが混在した気体.わずかなきっかけがあれば,プラズマ中の電子が運動し,電磁場を作る.この電 磁場がプラズマ全体の運動に影響を与える.プラズマはわずかな一部分の影響が全体に影響を与える系,言い換えれと物事が絡み合って成り立つ系の典型的な例である.プラズマ物理学は非線形微分方程式(物事が絡み合うと必ずこの方程式になる)を扱う非線形物理学の典型例として研究されており,その成果は太陽系の成り立ちや核融合発電,半導体プロセスのような科学分野のみならず,経済学や社会学においても役立っている.
 講義では,電磁気学・統計力学・流体力学を組み合わせ,プラズマを構成する荷電粒子の運動を記述する基礎方程式を作る.そして,荷電粒子の運動用により生じる電磁波(放射光)を記述する基礎方程式も作る.また放射光を量子論的から,すなわち光子が発生する過程として理解することについても学習する.また,これらの非線形微分方程式を解析的に解くための技術(特に微分方程式の線形化)についても学習する.

到達目標 / Course Objectives

<秋>
1.  電磁場のみでなく電磁ポテンシャルを利用して電磁気学を考える.
2.  プラズマ中の波動と分散性.複素数は慣性を表現する.
3.  プラズマによる波の減衰と荷電粒子の運動エネルギーの増大.微分方程式の準線形化.
4.  運動する荷電粒子が作る電磁ポテンシャル(Lienard-Wiechert  potential)を導出する.

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

<秋>
第1回  電磁場・Maxwell方程式・ポアソン方程式
第2回  非線形問題・電磁ポテンシャル理論
第3回  ゲージ変換・ダランベール方程式
第4回  電磁場中の荷電粒子の運動1
第5回  電磁場中の荷電粒子の運動2
第6回  プラズマを記述する方程式・ラグランジュ微分
第7回  プラズマ振動・複素数の力学的意味
第8回  磁場のかかったプラズマ中を伝搬する波動
第9回  準線形理論
第10回  電磁流体不安定性・solar  flare・aurora
第11回  双極子放射
第12回  Lienard-Wiechert  potential  1
第13回  Lienard-Wiechert  potential  2
第14回  加速器・放射光・衝突実験
第15回  到達度の確認

授業時間外学習 / Expected work outside of class

<秋>
講義で説明した事項について,参考書の対応する範囲を読み,復習すること。

成績評価の方法・基準
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Course Content

<秋>
定期試験を行わず、到達度の確認(筆記による学力確認)と平常成績で総合評価する。到達度の確認(80%),レポート(20%)

基準 / Evaluation Criteria

<秋>
総合点が60点以上のものを合格とする.

教科書
Textbooks

<秋>
備 考 / Note=====================================
<秋>
特に教科書は設けない。講義ノートおよび随時配布するプリントを中心に講義を行う。

参考書
References

<秋>
Walter  Greiner  classical  theoretical  physics:  Classical  Electrodynamics  Springer  そろそろ英書で物理学を勉強してみませんか.本書は丁寧に式導出の過程を掲載してくれているので,自習に適しています. John  David  Jackson  Classical  Electrodynamics  third  edition  John  Wiley  &  Sons,  Inc.  とても有名なテキストです.プラズマ物理や放射光物理の分野の学者さんは皆読んだ事があります.結構,高度な内容です. 太田浩一  電磁気学の基礎I、電磁気学の基礎II  シュプリンガー・ジャパン  
備 考 / Note=====================================
<秋>

備考
Other Comments

<秋>
電磁気学系科目を修得しておくことが望ましい.

オフィスアワー:e-mail(asakawa@kansai-u.ac.jp)まで連絡ください.日時および場所を相談させていただきます.