2016 年度の講義概要のデータベースを検索します。
学部・研究科
Faculty/Graduate School
時間割コード
Course Code
65132
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
格子欠陥と塑性変形
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
担任者名
Instructor
上田 正人
曜限
Day/Period
金2
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

金属材料とセラミック材料の大部分を占める結晶材料は原子が周期的に規則正しく配列していることに特徴がある。しかしながら,実在する結晶材料中には多かれ少なかれ格子欠陥と呼ばれる原子配列の乱れが存在し,材料の性質を大きく左右する。結晶中の拡散やイオン伝導においては,点欠陥である原子空孔やイオン空孔が,結晶材料に力を加えた際永久変形する塑性変形挙動においては,線状の格子欠陥である転位の振舞いがそれぞれ重要な役割を果たす。本講義では,前半に格子欠陥の種類と特徴を,後半に結晶の強度,変形といった巨視的現象を転位の構造・運動といった原子論的立場から解説する。本科目を修得することにより,各種格子欠陥を図示し,その濃度や密度,周囲の応力場等を定量的に取り扱えるようになる。また,転位論導入の必然性,ならびに結晶材料の強化機構,強度の温度依存性等,実用的に重要な事項についても説明できるようになる。

到達目標 / Course Objectives

①格子欠陥の種類と特徴を説明できるようになる。
②結晶材料の塑性変形や強度を原子論的立場から説明できるようになる。

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

第1,  2週 理想的な結晶
a.  結晶構造とミラー指数
b.  塑性変形の定義と理想強度

第3,  4週 格子欠陥の種類と特徴
a.  点欠陥,線欠陥(転位),面欠陥(結晶粒界,積層欠陥)の構造と基本特性
b.  格子欠陥の相互作用

第5〜7週 点欠陥
a.  熱平衡濃度と形成エネルギー
b.  導入方法
c.  拡散現象
d.  諸物性に及ぼす点欠陥の影響

第8〜10週 線欠陥
a.  刃状転位とらせん転位
b.  バーガース回路とバーガースベクトル
c.  転位のひずみ場,応力場,エネルギー
d.  転位の分解と反応

第11〜13週 結晶の変形
a.  結晶の降伏現象と転位の運動・増殖
b.  転位線を動かすパイエルス‐ナバロ力
c.  強度を支配するシュミットの法則

第14週 格子欠陥を利用した強化機構
a.  純金属,合金の強化機構
b.  金属間化合物における異常強化現象

第15週 総括

授業時間外学習 / Expected work outside of class

必ず復習すること。講義中にアナウンスしたことについては必ず予習すること。

成績評価の方法・基準
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Course Content

定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。筆記試験(85%)と授業時間中に実施する小テスト(15%)で評価する。

基準 / Evaluation Criteria

到達目標に記述する内容の理解度。

教科書
Textbooks


ノート講義とし,適宜プリントを配布する。

参考書
References

幸田成康  金属物理学序論  コロナ社   ハル著,平野賢一訳  転位論入門  共立出版   日本金属学会編  材料強度の原子論  日本金属学会  

備考
Other Comments

本科目の学習・教育目標:C,  B
本科目の基礎となる科目:材料の強さと変形(演習含),結晶構造とX線回折,物理化学3
本科目を基礎とする科目:,塑性加工学,半導体材料,電磁気材料,セラミック材料,マテリアル科学実験Ⅰ・Ⅱ,マテリアル工学実験Ⅰ・Ⅱ
オフィスアワーについて:授業終了時に申し出てください。メールでも随時受付します。
メールアドレス:  m-ueda@kansai-u.ac.jp