2016 年度の講義概要のデータベースを検索します。
学部・研究科
Faculty/Graduate School
時間割コード
Course Code
21663
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
ユーラシア史a
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
担任者名
Instructor
向 正樹
曜限
Day/Period
月3
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

講義テーマ:
本講義が取り上げる「海から見た歴史」は,従来の国ごとの歴史をベースに理解されてきた東アジア史を,「海域」概念を用いて塗り替える,挑戦的な試みです。
伸縮しつつもほぼ重なる「東アジア海域」という空間に視点を置きつつ,それぞれまったく異なる様相をみせる3つの異なる100年をピックアップしてその全体史が描かれます。
①国家中心の歴史と時系列史の相対化,②「東アジア海域」の交流パターンのモデル化という方法で,新しい世界史のかたちを提示するものです。

到達目標 / Course Objectives

この講義の到達目標は,以下の通りです。

1「東アジア海域」の歴史の最新の歴史像を提示し,その知識を修得する。

2  歴史の視点を,国ごとに見るのではく,地域から再構成できることを理解する。

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

第    1回 ガイダンス―授業計画・成績評価の説明

第    2回 海から見た歴史へのいざない
       ―「新しい歴史」の構想―

第    3回 ひらかれた海Ⅰ
       時代の構図 1250~1350年の東アジア海域

第    4回 ひらかれた海Ⅱ
       海域交流の舞台背景と担い手たち
       海商がおしひろげる海域交流

第    5回 ひらかれた海Ⅲ
       モンゴルの衝撃がもたらしたもの
       モノと技術の往来

第    6回 ひらかれた海Ⅳ
       まとめとディスカッション

第    7回 せめぎあう海Ⅰ
       時代の構図 1500~1600年の東アジア海域

第    8回 せめぎあう海Ⅱ
       大倭寇時代
       海商たちの時代

第    9回 せめぎあう海Ⅲ
       多様で混沌とした文化の展開

第10回 せめぎあう海Ⅳ
       まとめとディスカッション

第11回 すみわける海Ⅰ
       時代の構図 1700~1800年の東アジア海域

第12回 すみわける海Ⅱ
       海商たちと「近世国家」の“すみわけ”

第13回 すみわける海Ⅲ
       交流と居留の圧縮と集中
       海をまたぐモノと情報

第14回 すみわける海Ⅳ
       まとめとディスカッション

第15回 総まとめと小テスト

授業時間外学習 / Expected work outside of class

授業時間外にグループで発表の準備をし,「ひらかれた海(1250~1350年)」,「せめぎあう海(1500~1600年)」,「すみわける海(1700~1800年)」のⅡとⅢで各グループが1回発表します。

成績評価の方法・基準
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Course Content

定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。ブックリポートの提出(30%),出席(20%),最終日に行う論述形式の小テストあるいはレポート(50%)。

基準 / Evaluation Criteria

講義中に紹介した本を読み,ブックリポートを提出してもらいます。これが最終日に行う小テストへの参加条件になります。私的用事での欠席は認めません。遅刻も欠席とみなします。

教科書
Textbooks

小島毅監修,羽田正編  『東アジア海域に漕ぎだす1 海から見た歴史』  (東京大学出版会)  授業はこのテキストの章立てに沿って進み,その題材をもとにグループ発表します。

参考書
References

羽田正  『新しい世界史へ―地球市民のための構想』  (岩波書店)  上記教科書が採用した方法論についての羽田氏の考えが述べられています。 桃木至朗編  『海域アジア史研究入門』  (岩波書店)  上記教科書の執筆者たちが以前書いた海域アジアの学説紹介。 羽田正  『興亡の世界史8 東インド会社とアジアの海』  (講談社)  人とモノのつながりかに注目して世界全体の歴史を描く羽田氏の「新しい世界史」。

備考
Other Comments

「東洋史概説a・b」や共通教養科目のアジア史関連の科目を履修していると,この講義を理解しやすい。また高等学校における「世界史B」程度の知識でも理解できる。