- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 文
- 時間割コード
Course Code - 21564
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - 倫理学演習b
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 秋/1
- 担任者名
Instructor - 後藤 博和
- 曜限
Day/Period - 火3
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
「徳倫理学」は、行為の善悪を決定する原理・原則を問う「義務論」や「功利主義」とは異なり、人としての優れた生のあり方としての「徳」(virtue)を問題にする立場であり、アリストテレス倫理学に大きなインスピレーションを得てきた。日本ではこれまで、「ポリス的動物」との人間定義から出発し、コミュニタリアニズムを展開した論者(A.マッキンタイア『美徳なき時代』、B.ウィリアムズ『生き方について哲学は何が言えるか』など)の紹介・研究がなされてきたが、「徳倫理学」にはアリストテレスによるもう一つの人間定義である「理性的動物」を重視する流れもある。前者が「徳」の文化的相対性を主張するのに対し、後者は「理性」の普遍性の上に「徳」を構想する。
本授業では、これまで紹介・研究が比較的遅れてきた後者の代表的論者の一人であり、「トロッコ問題」の提唱者として有名なPh.フットの著作を綿密に読み進め、授業参加者全員で議論したいと考えている。到達目標 / Course Objectives
(1)レジュメ作成を通して、他人の意見を私見をできるだけ交えず正確に理解し、その骨子をヴィジュアル的にも見やすく提示する力を養う。
(2)発表とディスカッションを通して、自分の意見をわかりやすく説得力ある形で提示する力を養う。
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
初回授業は顔合わせと、授業参加者全員の自己紹介(興味のあるテーマ・思想家等)に当てる。
第2回〜第4回は、教科書第1章の読解と議論に当てる(担当は後藤)。また第2回では、第5回以降の担当を決定する。
第5回〜第14回は、教科書第2章〜第7章の読解と議論に当てる。当番に担当箇所の要旨まとめと問題提起をしてもらい、それを受けて全員で議論するという形式をとる。
第15回は全体討議に当てる。担当は後藤。
以下に教科書各章のタイトルを記す。
第1章「道徳哲学への再出発」
第2章「自然的な規範」
第3章「人間への適用」
第4章「実践的合理性」
第5章「人間にとっての善さ」
第6章「幸福と人間にとっての善さ」
第7章「反道徳主義」
授業時間外学習 / Expected work outside of class
文献を使うときは、一にも二にも綿密な読み込みを心がけてもらいたい。これは発表者に限らず授業参加者全員にお願いしたい。
- 成績評価の方法・基準
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Course Content
定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。レポート(50%)、平常成績(50%)
基準 / Evaluation Criteria
レポートでは、興味を覚えたテーマについて自由に論述してもらうが、評価ポイントは、論述全体の論理性と説得力が半々である。平常成績は、授業姿勢(出席・予習・発表・議論への参加)10割。
- 教科書
Textbooks フィリッパ・フット 人間にとって善とは何か 徳倫理学入門 筑摩書房
-
参考書
References 加藤尚武・児玉聡 編・監訳 徳倫理学基本論文集 勁草書房
- 備考
Other Comments 非常勤講師であり、関西大学に出講するのも火曜午後だけ。メール・アドレスは開講後に知らせる。が、多忙につき、返事が遅くなっても悪しからず。