2016 年度の講義概要のデータベースを検索します。
学部・研究科
Faculty/Graduate School
時間割コード
Course Code
11083
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
基礎法学1
(法の理論)
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
2
担任者名
Instructor
市原 靖久
曜限
Day/Period
火3
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

言語 / Language

<春>
日本語(Japanese)


授業概要 / Course Description

<春>
〔講義テーマ〕 「権利」―コトバと思想―
日本語の「権利」というコトバは、right(英語)、Recht(ドイツ語)、droit(フランス語)などの訳語として、明治前期から使われるようになったが、「権利」という語とこれら西洋語の間には、微妙な意味のズレがある。この講義では、これら西洋語の起源になっているラテン語の  iusという概念の歴史をたどりながら、ヨーロッパの人々が  ius  というものをどのようにとらえてきたのかについて確認するとともに、そのようなとらえ方は日本など非西洋には存在しなかったのかという問題についても考えていく。

到達目標 / Course Objectives

<春>
法学の体系および法の体系について説明することができる。また、西洋的権利概念の形成について、ius  概念の歴史的変遷をたどりながら説明することができる。さらに、法と歴史、法と思想・哲学の結びつきについて理解し、実定法や法律学を相対化してとらえることができる。

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

<春>
第1回  オリエンテーション:授業概要・到達目標、授業計画、成績評価の方法・基準、教科書、参考書などの確認
第2回  法と思想・哲学の関係
第3回  基礎法学とはどのような学問か(1):法学の学問体系
第4回  基礎法学とはどのような学問か(2):基礎法学の諸分野
第5回  「概念史」という方法について:社会、思想、概念、歴史
第6回  「権利」とright:日本語と西洋語における意味のズレ
第7回  ius  の概念史(1):学説史の通観、古典古代における  ius  の意味(法=正)
第8回  ius  の概念史(2):12世紀における  ius  の意味(釈釈学派、デクレティスト)
第9回  ius  の概念史(3):13世紀後半から14世紀前半における  ius  の意味(トマス、オッカム)
第10回  ius  の概念史(4):14世紀末から15世紀初頭における  ius  の意味(ジェルソン)
第11回  ius  の概念史(5):16世紀における  ius  の意味(スペイン近世スコラ学派、グロティウス)
第12回  ius  の概念史(6):17世紀における  ius  の意味(近代自然権思想)
第13回  ius  の概念史(7):18世紀以降における  ius  の意味(法=権利)
第14回  西洋的  ius  概念は普遍的か:文化と法の関係
第15回  まとめ

授業時間外学習 / Expected work outside of class

<春>
予習:授業前に参考教材(市原作成教材)を読んで予習しておくこと。
復習:授業後に参考教材の《概念の復習》に示されたキーワードを中心に授業内容を復習しておくこと。

成績評価の方法・基準
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Course Content

<春>
定期試験(筆記試験)の成績で評価する。筆記試験  100%

履修者数が多数になった場合には、成績評価方法を「定期試験(16週目)」に変更することがあります。
成績評価方法が変更になった場合は、インフォメーションシステム等で連絡します。

基準 / Evaluation Criteria

<春>
基礎的な学術用語、歴史的経緯、学説史・学説内容を正確に理解できているかどうかを評価する。

教科書
Textbooks

<春>
備 考 / Note=====================================
<春>
市販の教科書は使用せず、市原が作成した参考教材を使用して講義を進める。この教材は関大LMS  (Learning  Management  System)  からダウンロードできる  (予定)。履修者は教材を印刷し、教室に持参して受講すること(講義が早く進むこともあるので、次回分の教材も持参すること)。

参考書
References

<春>
加藤周一=丸山眞男(校注)  『日本近代思想体系 翻訳の思想』  (岩波書店)  1991. 古賀敬太(編著)  『政治概念の歴史的展開 第1巻』  (晃洋書房)  2004. 竹下賢=角田猛之=市原靖久=桜井徹(編)  『はじめて学ぶ法哲学・法思想――古典で読み解く21のトピック――』  (ミネルヴァ書房)  2010. ネル、クヌート・ヴォルフガング(村上淳一訳)  『ヨーロッパ法史入門――権利保護の歴史――』   (東京大学出版会)  1999.
備 考 / Note=====================================
<春>
配列は編著者姓の50音順による。
現在、品切れ又は絶版になっているものも含まれているが、図書館にはすべて所蔵されている。 
講義の各項目に関連する個別的な参考書については、講義のなかで言及する。

備考
Other Comments

<春>
連絡がある場合には、ichihara[atmark]kansai-u.ac.jp  までメールで連絡してください。

【2016.05.02 成績評価方法変更】