2016 年度の講義概要のデータベースを検索します。
学部・研究科
Faculty/Graduate School
経/商/社/シ/環/化
時間割コード
Course Code
00454
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
こころとからだを哲学する
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
B
担任者名
Instructor
元明 淳
曜限
Day/Period
水2
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

本講義では、〈こころ〉と〈からだ〉がどのように関わっているのかを「心身問題」というテーマのもとに考えていく。たしかに両者は近代以降、デカルトの二元論に基づいて、それぞれ主に心理学と生理学によって別個の存在領域として扱われてきた。しかし通常、当たり前のように語られる〈こころ〉というものにどうやって接近できるのかは、それが本来、姿・形に表せない限り必ずしも学問的に明らかではない。〈こころ〉はやはり、もう一方の要素である〈からだ〉の方、すなわち当該の人間の示す様ざまな表情や仕草などの身体的振る舞い・言語的所作を通してしか、接近できないのではなかろうか。ただし身体に着目するとはいっても、現代流行の脳科学の教えるように、〈こころ〉の現象はそのすべてが物理的、生理学的な脳の機能で説明できるものなのか(=中枢モデル)。むしろ心身の統合を同時にそれを取り巻く「環境」との関わりにおいて捉える視点も可能なのではないか(=関係モデル)。
 講義ではこのように心身の関係についての様ざまな疑問を提示して、〈こころ〉の存在を問題化する際にそれと身体との関わりを考察の中心に置いて、現代の様ざまな哲学者や認知科学者の考えに依拠しながら両者の関係性を探ってみたい。

到達目標 / Course Objectives

学習の到達目標は、①  心身問題についての基本的な事項、ないし人名等、その全体像を把握すること、および②  ある哲学上の理論や学者の基本概念をおおよそ理解したうえで、〈こころ〉と〈からだ〉との関わりについて「あなたはいかに考えるのか」を筋道をつけて表現することである。

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

※おおよその講義予定は以下の通りである。
第1〜2回 心身問題とは何か?──「こころ」と「からだ」の関係を問う哲学的問題──
第3〜4回 デカルトの心身二元論──「機械のなかの幽霊」のドグマ──
第5〜6回 中枢モデル──心は脳の物理的・生理的な現象にすべて還元できるか?── 
第7〜8回 関係モデル  その(1)──現象学的心身論(メルロ=ポンティの身体論に即して)──
第9〜10回 関係モデル  その(2)──身体と環境との循環的な相互作用(ギブソンの生態学的知覚論に即して)──
第11〜13回   「心」はあるのか?  ──「振る舞い」としてのことば(ウィトゲンシュタインの言語ゲーム理論に即して)──
第14回 サブリミナル・マインド──自分のことは自分が一番よく知っているか?──      
第15回 講義の補足

授業時間外学習 / Expected work outside of class

自主課題として、毎回、提示される哲学者や思想家の基本的な考え方を自分なりにそしゃく、吟味して、疑問点や自分の意見などをその都度、まとめておいてください。

成績評価の方法・基準
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Course Content

定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。定期試験  80%(内訳:到達目標に関して、それぞれ①  40% ②40%)
簡易レポート  20%(平常成績に関して、2回実施)

基準 / Evaluation Criteria

・上記①に関して、各回で取りあげた基本的な問題や概念について正しく理解できているかどうかを評価する。
・上記②に関して、ある論題について「問い」「主張」「根拠」の三要素で、論理的に表現されているかどうかを評価する。
・授業期間に実施するレポートに関しては、現時点で、あるテーマについてどのように考えているかを見る。書き方については、直前に注意します。

教科書
Textbooks


とくに使用しない。プリント配布と、授業内容の筆記をもってテキストとする。

参考書
References


授業内で、参考文献リストを配布する。

備考
Other Comments

・授業中の私語や携帯の使用等は、授業の士気を下げることと、周囲への迷惑となるので固く禁ずる。繰り返される時は、何度でも注意せざるをえません。
・毎回の授業内容の要点や考えておくべき課題(簡易レポートを含む)などを、CEAS/Sakai  システムにて公開するので、必ず参照してください。また授業にたいする質問も本システムから行えます。
・試験前の付け焼刃の学習では、単位取得は非常に困難になることをあらかじめ銘記しておいてください。