2025 年度の講義概要のデータベースを検索します。カリキュラムツリーへのリンク
学部・研究科
Faculty/Graduate School
人間
時間割コード
Course Code
25281
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
学びの身体技法
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
担任者名
Instructor
小室 弘毅
曜限
Day/Period
水2
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

<春>
講義(対面型)

言語 / Language

<春>
日本語(Japanese)


授業概要 / Course Description

<春>
AIが人類の知能を超えると言われている現代において、「学ぶ」ことと「教わる」こととは異なる営みとなる。本講義ではAIと人間との対比を土台にしながら、「学ぶ」とはどのような営みなのかについて考えていく。
「頭では理解できるが腑に落ちない」という表現があるように、深い理解、「学び」において身体や身体感覚は重要な要素となっている。こころとからだは連動しているのである。また「主体的・対話的で深い学び」が謳われているが、「主体的」の語には「体」が含まれている。このことを踏まえ、本講義では、「学び」という現象にからだとこころがいかに関わっているかを教育学、歴史学、現象学、心理学、文学、文化人類学等多角的な視点から考察を加えていく。
あわせて「声に出して読む」「手で書いて読む」等、具体的に身体を使った「学び」の技法も実践を踏まえつつ学んでいく。
また「学び」における身心両面にわたる「構え」の重要性や姿勢の問題に関しても検討を加え、技法以前の技法としての「学び」の身心技法についても考察していくことにする。
からだとこころは常に環境、他者との関係性の中に開かれている。その関係こそが「学び」ともいうことができる。講義では自身の身心とのかかわりを扱うと同時に他者とのかかわりにも焦点を当てる。

到達目標 / Course Objectives

<春>
本講義の到達目標は以下である。 
①AI時代における、学ぶことと教わることの違いを理解する。
②学びにおける身体の重要性と構えのあり方について理解する。 
③自分自身の身心を通して学び、それを自らの言葉で表現する力を身につける。 
④理論と体験の両面からからだとこころのつながりについて理解する。
⑤理論と体験の両面から他者との関係あり方について理解する。
⑥自分自身についての理解を深める。

授業手法 / Teaching Methods

・学生による学習のふりかえり

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

<春>
第1回  AI時代における学ぶことと教わること
第2回  学びにおける身心相関の重要性(主体的な学び)
第3回  学びにおける身心の技法とはどのようなものか
第4回  学びにおける「構え」づくりの技法
第5回  書くことと身体(書くという行為が持つ意味)
第6回  他者との関係性からの学び1(対話的な学び)
第7回  他者との関係性からの学び2(共鳴する身体・声)
第8回  腑に落ちるとはどのような体験か(深い学び)
第9回  環境と相互作用する身心とその技法
第10回  荒川修作の思想に見る身体と学びの技法
第11回  身心感覚と学び1(生きることと息をすること)
第12回  身心感覚と学び2(からだほぐしと気づき)
第13回  身体文化と学び1(立つことの意味と座ることの意味)
第14回  身体文化と学び2(歩くことの意味)
第15回  人間形成における身心の役割

授業時間外学習 / Expected work outside of class

<春>
授業資料、教科書、ノートを読み返すと同時に、授業内容を自分の経験に照らし合わせて理解に努めるよう復習をすること。

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

<春>
定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
毎授業時に課す小レポート(30%)と最終レポート(70%)で総合的に評価する。備考欄も必ず参照すること。

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

<春>
・積極的な参加態度
・授業で得た知識を自分のことばで語ることができること
・自分自身の身体、体験に真摯に向きあっていること

教科書
Textbooks

<春>
小室弘毅・齋藤智哉編  『ワークで学ぶ教育の方法と技術』  ナカニシヤ出版  

備 考 / Note=====================================
<春>

参考書
References

<春>
井藤元編  『ワークで学ぶ教育学』  ナカニシヤ出版  
齋藤孝  『身体感覚を取り戻す』  NHKブックス  
佐藤学  『学びの身体技法』  世織書房  
三村尚彦・門林岳史編  『22世紀の荒川修作とマドンリン・ギンズ』  フィルムアート社  

備 考 / Note=====================================
<春>
他にも授業中適宜紹介する。

フィードバックの方法
Feedback Method

<春>

担任者への問合せ方法
Instructor Contact

<春>
LMS経由で担当者へメッセージを送信

備考
Other Comments

<春>
(1)連動した内容であるため、「身心教育学」の授業もあわせて受講すること。 
「学びの身心技法」では「身心教育学」に関連する内容を特に、学ぶ側の視点から、実践的に論じる。理論と実践は不可分のものである。よって「身心教育学」との同時受講を勧める。
(2)学ぶ意欲のない学生の出席は認めない。
学びは当人の身心両面にわたる「構え」に大きく左右される。「構え」は環境や他者との関係に大きな影響を受ける。やる気のないチームにいるとやる気のある者もその意欲を減退させ、その逆もまた然りである。学びたいという積極的な意志を持つ学生を最優先に授業を進めていく。
(3)私たちの身心は周囲の環境と連動し刻々と変化している。授業ではその変化するリアルな身心を対象とするため、講義計画はあくまで仮のものである。参加者各人のリアルな身心が作り出す場のあり方を優先して授業を行う。