2025 年度の講義概要のデータベースを検索します。カリキュラムツリーへのリンク
学部・研究科
Faculty/Graduate School
安全
時間割コード
Course Code
75200
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
社会安全のための統計学
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
2
担任者名
Instructor
福井 敬祐
曜限
Day/Period
水1
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

講義(対面型)

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

 本講義では,結果が偶然に左右される行動において,特定の結果の起こりやすさを定量的に評価する指標のひとつである「確率」の考え方と,手元にあるデータを集計し分析することによって,その背後にある集団の特性を推測する「推測統計」の基礎的手法を修得する.前半では,まず,確率の基本的な性質を述べたあと,条件付確率とそれに基づくベイズ推定の考え方を学ぶ.つぎに,離散分布の代表例として二項分布,連続分布の代表例として正規分布およびそこから派生するカイ  2  乗分布,F  分布,t  分布を取り上げ,それらの性質を考察する.後半では,平均値,四分位数,分散・共分散,相関係数などの基本的な統計量について述べたあと,複数の量的データの間に成り立つ関係式を統計的に推定する方法,母集団の平均値や分散の信頼区間を求める方法を学ぶ.さらに,仮説検定の考え方を理解した後,カイ  2  乗分布,F  分布,t  分布などの統計分布を用いて母数に関する検定を行う方法を学ぶ.

到達目標 / Course Objectives

➀知識・技能の観点
・条件付き確率の計算が正しくできる. 
・ベイズの定理に基づいて,事前確率と条件付確率から事後確率を計算できる. 
・数十件程度のデータに対して,平均値,中央値,分散,歪度,相関係数などの基本統計量を正確に計算できる. 
・標本データから,母集団の平均値や分散の信頼区間を求めることができる.
・仮説検定の考え方に基づいて,複数の質的データあるいは量的データの関連性を検証できる. 
➁思考力・判断力・表現力等の能力の観点
・統計データの尺度を正しく見分けられる. 
・統計データが従う分布を見極めて,その分析に適した統計手法を選択できる.
③主体的な態度の観点
・さまざまな現象の背景にある問題の構造を,データの分析を通じて明らかにしようとする意欲を高めることができる.

授業手法 / Teaching Methods

・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

第1回  場合の数
第2回  確率の性質
第3回  条件付確率
第4回  ベイズの定理
第5回  確率変数の期待値と分散
第6回  反復試行の確率
第7回  統計分布
第8回  中間試験
第9回  統計データの整理・分析
第10回  相関分析と回帰分析
第11回  区間推定
第12回  仮説検定の考え方
第13回  カイ  2  乗検定
第14回  t  検定
第15回  F  検定

授業時間外学習 / Expected work outside of class

講義後に各自復習を行い,  不明点等を次回の講義までにまとめる.

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。
定期試験:50%,平常成績(中間試験):50%  で評価する.

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

社会調査士D科目として認定されているため,社会調査に必要な確率・統計に関する事項を理解していることが単位認定の条件になる.具体的には,以下の各項目で成績を評価する.
・場合の数や(条件付き)確率を正しく計算できること.
・数十件程度のデータに対して,電卓を用いて基本統計量を正しく計算できること. 
・標本データから,母数の信頼区間を求める方法を理解していること.
・仮説検定の考え方を理解し,数十件程度の標本データから,カイ2乗検定,t検定,一元配置分散分析に必要な検定統計量を電卓を用いて正しく計算できること.
・相関分析,回帰分析などの多変量解析の基本的事項を理解していること.
なお,上記「授業時間外学習」にまじめに取り組んでいない場合は単位を認定しない.

教科書
Textbooks

山川栄樹  『社会調査のための確率・統計』  (電気書院),  2014年  ISBN  9784485302385

参考書
References

石原辰雄,長谷川勝也,川口輝久  『Lotus  1-2-3  活用多変量解析』  (共立出版),  1990年  ISBN  9784320025325
石村園子  『すぐわかる確率・統計』  (東京図書),  2001年  ISBN  9784489006203
木村俊一,古澄英男,鈴川晶夫  『確率と統計:基礎と応用』  (朝倉書店),  2003年  ISBN  9784254111026
小針あき宏  『確率・統計入門』  (岩波書店),  1973年  ISBN  9784000051576
篠原清夫,清水強志,榎本環,大矢根淳  『社会調査の基礎:社会調査士  A・B・C・D  科目対応』  (弘文堂),  2010年  ISBN  9784335551338
高橋幸雄  『確率論』  (朝倉書店),  2008年  ISBN  9784254117776
土田昭司・山川栄樹  『新・社会調査のためのデ-タ分析入門:実証科学への招待』  (有斐閣),  2011年  ISBN  9784641173798
東京大学教養学部統計学教室  『統計学入門』  (東京大学出版会),  1991年  ISBN  9784130420655

フィードバックの方法
Feedback Method

中間試験の答案は,採点の上返却する.

担任者への問合せ方法
Instructor Contact

随時受け付けるが,関大LMSのメッセージ機能により事前に連絡・調整の上,質問されたい.

備考
Other Comments

この科目を履修するには,一定の数学的知識と計算能力が必須である.「社会安全のための数学Ⅰ」を修得するか,その内容を自習して十分に理解した上で受講することが望ましい.解析ソフトウェアを用いた演習の可能性があるため,  ノートPCの持参が必要な場合がある.