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学部・研究科
Faculty/Graduate School
安全
時間割コード
Course Code
75231
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
社会技術論
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
担任者名
Instructor
長門 裕介
曜限
Day/Period
火2
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

講義(対面型)

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

この授業では、科学技術が社会の中に実装される際に生じる様々な問題をE(Ethics,  倫理)、L(Legal,法)、S(social,  社会)の三つの観点から考えていきます。
新しい技術が生み出され、それが何らかの意味で役に立つものだと考えられ、社会の中に定着し、(場合によっては)別の技術に取って代わられ姿を消していく……という一連のサイクルのなかには様々な課題が潜んでいます。安全性や環境への影響、コストの問題などは真っ先に思いつくでしょうが、新しい技術の登場によって既存の仕事がまるまる消滅したり、私たちの世界の見方やライフスタイルそのものの変化など長期的だったり抽象的な影響が議論されることもあります。
未来を予測することは誰にとっても不可能ですが、さまざまな事実を検証し、利害関係者への影響を評価し、どの程度の規制が必要になるかを議論することはできます。
この授業では現代の先端科学技術、たとえば生成AI、代替タンパク質(培養肉や昆虫由来肉)、身体や精神能力強化(エンハンスメント)技術、遺伝子検査技術などを取り上げ、それが社会とのかかわりの中でどのような課題があるかを講義します。個別のトピックを超えて、最終的には「どのような社会が望ましいか」という大きな問題ともかかわることになります。

到達目標 / Course Objectives

科学技術と社会の関係について、ステークホルダー間の利害や考慮事項を総合的に勘案して議論を行うための素地を身につけることがこの授業の目標です。そのためには、ある程度は専門的な用語の意味を覚える必要もありますが、そもそも何が問題になっているかを正確に把握し、言語化できる能力が必要になります。
また、この授業が実際に受講者にとって実りあるものになるためには、授業の内容と現実の生活を結び付ける必要があります。授業内では様々な事例を紹介しますが、普段の何気ないニュースなどについても講義中で得た知識や思考法を応用して考えられるようになることも重視しています。

授業手法 / Teaching Methods

・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生同士の意見交換(グループ・ペアワーク、ディスカッション、ディベート等含む)

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

第1回  技術と市民社会の関係(1)技術は社会のなかにある
第2回  科学と市民社会の関係(2)市民と科学技術ガバナンス
第3回  生成AI:なぜアーティストは生成AIを気にするのかフードテック:「不自然」な食べ物が「自然」になるまで
第4回  生成AI:AIの仕事と人間の仕事
第5回  フードテック:「不自然」な食べ物が「自然」になるまで
第6回  科学技術と期待の社会学
第7回  都市の設計とモビリティ:地域社会は技術でどのように変わるのか
第8回  グループディスカッション
第9回  技術者の社会的責任:技術者は倫理にかかわらない?
第10回  デュアルユース問題:技術の軍事転用可能性を考える
第11回  技術と多様性のある社会(1):自転車とストッキングから女性の社会進出を考える
第12回  技術と多様性のある社会(2):科学技術と疑似科学、陰謀論
第13回  技術と多様性のある社会(3):AI&VR技術による「死者の復活」
第14回  技術の社会的リスクに備える:ディストピアSFから社会技術論を学ぼう
第15回  技術との付き合い方

授業時間外学習 / Expected work outside of class

ニュースや新書などを読んでリテラシーを身につけることを強く促します。

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

定期試験(筆記試験)の成績で評価する。
成績は定期試験の結果のみに基づいて評価するが、各回の課題(講師からの質問に300字程度で応えるもの)についても定期試験の練習だと思って取り組んでもらいたい。

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

①知識・技能の観点
大学生に求められる倫理や法律、社会問題の知識と専門用語の意味理解
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
「何が問題となっているか」を適切に表現し、議論を構成し、一定の結論までもっていくための思考力と文章技術
③主体的な態度の観点
講義で紹介した考え方や過去の事例をもとに、新しい、初見の技術についてもE(Ethics,  倫理)、L(Legal,法)、S(social,  社会)の三つの観点からアプローチする態度

教科書
Textbooks

見上公一・標葉隆馬(編)  『入門・科学技術と社会』  ナカニシヤ出版  978-4-7795-1779-2

参考書
References


授業内で指示します。

フィードバックの方法
Feedback Method

課題や質問等に対するフィードバックは講義時間を通して行います。

担任者への問合せ方法
Instructor Contact

各回のコメントシートに質問欄を設けているのでそれを通して質問することを基本とします。学務上のことや簡単な質問は授業終了後に聞いてもらっても構いません。

備考
Other Comments

・人数によってはディスカッションの時間などを取ることもあります。
・技術の発展や社会動向などに応じて講義内容を変更する場合があります
BYOD〔ノートPC〕を使用しない。