2025 年度の講義概要のデータベースを検索します。カリキュラムツリーへのリンク
学部・研究科
Faculty/Graduate School
安全
時間割コード
Course Code
75269
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
事故調査制度論
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
担任者名
Instructor
岡本 満喜子
曜限
Day/Period
火3
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

講義(対面型)

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

 事故が起きると、原因究明のために事故調査が、当事者の責任追及のために捜査及び裁判が行われる。本授業では、事故調査に関し原因究明がどのように行われるか,また事故に関わる人的要因と組織的要因について解説する。加えて法的責任に関し,当事者が問われうる民事・刑事上の責任と裁判手続を解説する。
 事故調査と法的責任は独立した手続ではあるが,影響が及ぶことがある。すなわち,原因究明のためには当事者を免責し詳細な情報を得たいという要請がある一方、被害者感情や社会秩序の維持の観点から厳罰を求める要請もある。この相反する要請にどのように応えていくのかを,主に自動運転車による事故事例をもとに解説する。

到達目標 / Course Objectives

①知識・技能の観点
 事故調査手続と事故の人的・組織的要因,当事者が問われうる法的責任と裁判手続について,基礎的な事項を理解している。授業概要に掲載した原因究明と責任追及の相反する要請とそれによって生じる課題を理解している。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
 事故の人的・組織的要因をふまえ、効果的な対策が検討できる。具体的な事実関係が法的な過失と評価できるか、適切に判断できる。授業の概要に記載した相反する要請が生じる理由と解決策を思考し、適切に判断できる。以上を他人が理解できるように、論理的に表現できる。
③主体的な態度の観点
 事故調査および事故に伴う法的責任に関わる分野の正確な理解を深めるため、より専門的な内容や疑問点を主体的に調査検討する。

授業手法 / Teaching Methods

・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

1.ガイダンス(授業の全体構成と進行などに関する説明)
2.事故調査と裁判の概要,様々な分野の事故調査機関,事故調査の原則
3.事故の人的要因ーヒューマンエラーの発生機序を中心に
4.事故の組織的要因
5.事故に伴う法的責任1:民事責任
6.事故に伴う法的責任2:刑事責任
7.捜査・刑事裁判の基礎
8.過失犯処罰のあり方:どこまで刑事責任を科すべきか
9.事故調査と責任追及に対する相反する要請ー責任追及による事故調査手続への萎縮的効果
10.事故調査制度とその課題
11.具体的事例で考える事故調査と法的責任1ー自動運転車による事故の責任の所在
12.具体的事例で考える事故調査と法的責任2ー同事故の責任のあり方
13.具体的事例で考える事故調査と法的責任3ー同事故の調査のあり方
14.新技術が関わる事故の調査と法的責任のあり方とは
15.全体のまとめ

授業時間外学習 / Expected work outside of class

(1)授業資料、教科書を読み返し、疑問点があれば積極的に質問するなどして理解を深める。
(2)公開されている運輸安全委員会等の事故調査報告書や判例を読み、実際の事故調査,裁判のあり方を把握する。
(3)本授業に関連し実施するアンケート等に回答する。
(4)小レポートに解答する。

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。
定期試験70%、小レポート30%

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

①知識・技能の観点
 事故調査手続と事故の人的・組織的要因,当事者が問われうる法的責任と裁判手続について,基礎的な事項を理解しているか評価する。授業概要に掲載した原因究明と責任追及の相反する要請とそれによって生じる課題を理解しているか評価する。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
 事故の人的・組織的要因をふまえ、効果的な対策が検討できるか,具体的な事実関係が法的な過失と評価できるかを適切に判断できているか評価する。授業の概要に記載した相反する要請が生じる理由と解決策を思考し、適切に判断できているか評価する。以上を他人が理解できるように、論理的に表現できているか評価する。
③主体的な態度の観点
 事故調査および事故に伴う法的責任に関わる分野の正確な理解を深めるため、より専門的な内容や疑問点を主体的に調査検討できているか評価する。

教科書
Textbooks

岡本満喜子  自動運転事故の責任は誰にあるのか  法律文化社  978-4-589-04353-5

参考書
References

シドニー・デッカー著 芳賀繁訳  ヒューマンエラーは裁けるか  東京大学出版会  4130530178
組織罰を実現する会編  組織罰はなぜ必要か  現代人文社  978-4-87798-780-0

フィードバックの方法
Feedback Method

質問等に対するフィードバックは、授業時間を通じて行う。

担任者への問合せ方法
Instructor Contact

オフィスアワー
授業の前後、および春学期中の毎週木曜日12:20~12:50に対応します。M1014に来てください。
その他
関大LMSのメッセージ機能を使って連絡してください。


備考
Other Comments

弁護士としての実務経験を有する科目担当者が、組織事故の観点にたち、多角的な観点から対策立案を含めた事故調査を行う必要性とその具体的方法について解説するとともに,事故に関わる法的責任について解説し、日本の事故調査制度と事故に関わる法制度について学ぶことを目的とした授業科目です。詳細は授業概要・授業計画欄を参照ください。

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