- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 政策
- 時間割コード
Course Code - 86467
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - 各国の政治・経済(北欧諸国)
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 春/2
- 担任者名
Instructor - 徳丸 宜穂
- 曜限
Day/Period - 木3
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
講義(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
経済パフォーマンスが比較的良好であるという意味でも,手厚い教育や生活保障の仕組みによって人々のウェルビーイングを高水準で保証し得ているという意味でも,また,先進諸国に共通する問題である所得格差を一定水準に抑制できているという意味でも,北欧諸国の社会経済システムは注目を集めてきた.良好な経済的・社会的成果をもたらしてきた社会経済システムにも,諸々のほころびや矛盾も見られることは事実だが,そうした問題を克服しようとする萌芽的な試行錯誤も様々に行われている.そこで本講義では,北欧諸国の社会経済システムの特質を概観した上で,現在それらがいかなる矛盾・問題を抱えていて,各国がどのような解決方策を見出しつつあるのかを検討したい.最終的には受講生が,日本の問題を理解し,解決の方向性を考える上で,北欧諸国の経験を比較のための「鏡」として用いられるようになることを目標としたい.
到達目標 / Course Objectives
①知識・技能の観点
・比較政治経済学/比較制度経済学の視点から,北欧諸国の社会経済システムの特質を理解できること
・北欧諸国のいわゆる「高福祉」「小さい不平等」を支える経済システムの特徴を理解できること
・北欧諸国の社会経済システムが目下のところ抱える矛盾・問題と,その解決の試行錯誤について理解できること
・日本の社会経済システムの問題を,国際比較の観点から捉えることができるようになること
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
講義に関連する事実関係について調査し,それを踏まえた自らの考えを文章で表現できること.
③主体的な態度の観点
講義に関連する情報を収集・整理する労をいとわないこと.授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
回数や順序には若干の変更がありうる.
第1回~第2回 先進諸国の中の北欧と日本:社会経済システムを概観する
第3回~第5回 北欧諸国の経済システム
第6回 北欧諸国の雇用システム
第7回~第8回 北欧諸国の生活保障:教育・福祉を中心に
第9回 北欧諸国の財政システム
第10回 地方分権とサードセクター
第11回 「北欧モデル」が抱える矛盾と問題
第12回 北欧モデルの試行錯誤(1) 福祉サービス改革
第13回 北欧モデルの試行錯誤(2) 新しい産業政策と社会課題解決
第14回 今後の展望と日本への示唆
第15回 総括授業時間外学習 / Expected work outside of class
講義内で紹介する参考文献を読むこと.
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
中間レポート30%,最終レポート70%.中間レポートの提出は必須とする.
なお,中間レポート未提出者については評価基準とは別の基準を適用し減点するものとする.基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
①知識・技能の観点
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
③主体的な態度の観点
いずれも,レポートが事実と論理に基づいて書かれているかどうかという観点から評価する.
- 教科書
Textbooks
特定の教科書は用いない.
-
参考書
References 岡澤憲芙 『北欧学のフロンティア:その成果と可能性』 (ミネルヴァ書房)
スヴェン・スタインモ 『政治経済の生態学:スウェーデン・日本・米国の進化と適応』 (岩波書店)
レグランド塚口淑子(編) 『「スウェーデン・モデル」は有効か:持続可能な社会に向けて』 (ノルディック出版)
湯元健治・佐藤吉宗 『スウェーデン・パラドックス:高福祉,高競争力経済の真実』 (日本経済新聞出版社)
翁百合ほか 『北欧モデル:何が政策イノベーションを生み出すのか』 (日本経済新聞出版社)
福島淑彦 『スウェーデンのフェアと幸福』 (早稲田大学出版会)
岡澤憲芙・斉藤弥生(編) 『スウェーデン・モデル』 (彩流社)
クラウス・ペーターセンほか(編) 『北欧福祉国家は持続可能か』 (ミネルヴァ書房)
マニュエル・カステル,ペッカ・ヒマネン 『情報社会と福祉国家:フィンランド・モデル』 (ミネルヴァ書房)
若森章孝 『新自由主義・国家・フレキシキュリティの最前線』 (晃洋書房)
田中拓道ほか 『政治経済学:グローバル化時代の国家と市場』 (有斐閣)
新川敏光(編) 『福祉レジーム』 (ミネルヴァ書房)
藤田真哉・北川亘太・宇仁宏幸 『現代制度経済学講義』 (ナカニシヤ出版)
カール・ポラニー 『大転換』 (東洋経済新報社)
ここでは便宜上,日本語の文献のみを挙げる.9冊目までは,北欧諸国の政治経済に関する理解に資する参考書で,10冊目以降は,北欧モデルを見る「眼」を養うための参考書.上記以外の参考書は講義中に紹介する.ぜひ積極的に当たってみてほしい.
なお,北ヨーロッパ学会が発行する雑誌『北ヨーロッパ研究』には,北欧諸国に関する様々な分野の研究論文が収録されていて,講義の参考になると思われる.バックナンバーは次から取得可能.
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/janes/-char/ja
- フィードバックの方法
Feedback Method
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact LMSで連絡されたい.講義後にも対応する.
- 備考
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