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学部・研究科
Faculty/Graduate School
政策
時間割コード
Course Code
86437
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
政治社会学
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
担任者名
Instructor
小西 秀樹
曜限
Day/Period
火2
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

講義(対面型)

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

 社会学は、広く社会生活、組織における人間行動の理解をめざす学問であり、社会構造と政治現象、特に政治参加、政治権力、公共政策との関係分析も重要なテーマとしてきた。大衆民主主義の時代が到来し、社会学の一部門としての政治社会学が発展してきたのである。この授業では、政治社会学の理論、方法論について概説し、そのうえで社会変動(産業化、近代化、脱産業化、脱近代化など社会の構造変化)と、人びとの政治的な意識と行動、公共政策の関係を考察する。具体的には、戦後日本における国土政策を対象とし、国土政策が日本社会をどう変え、また社会生活の実際がどのように国土政策を変えてきたのか、社会変動と人々の意識、価値観、国土政策(政策の理念と内容)の関係をとりあげる。
 国土政策は産業化、近代化のために必要とされ、また社会変動によってその評価が変わってきた。国土政策のあり方は今日、主要な政治的争点となっている。政治において(すなわち具体的なアクターにとって)国土は重要な資源でありつづけてきた。開発すべきか、保護すべきか、少なくとも政治的目的達成のためにどう利用できるのか、国土は有限であるだけに、そこに暮らす人びとの生活問題とからみ、社会構造、社会意識の変化に影響され、現実政治における重要なテーマとなってきた。例えば「構造改革」や「公共事業の是非論」、「地域活性化」や「まちづくり」と称される動きの本質も、戦後の社会変動と政治の関連において、より深く理解できる。

到達目標 / Course Objectives

 全体として、現代日本における社会構造と政治現象の関係性を考察する力を養うことが到達目標である。

①知識・技能の観点
 政治現象を考察するうえで必要となる社会学(政治社会学)の基礎的な理論、観点を修得すること。授業で扱う現代日本の政治社会におけるできごと、国土政策の展開について、事実の流れを正確に理解すること。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
 現代日本における国土政策と社会生活の関係、その特徴について、政治社会学的論点を発見して整理し、それらを正確な事実認識にもとづく、論理的な文章に仕上げる力を養うこと。
③主体的な態度の観点
 政治社会学の仮説、さらには実際の政治社会の課題と展望について、自身の見解をまとめる思考力、その見解をも批判的に検証する多角的な思考力を養うこと。

授業手法 / Teaching Methods

・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

 授業内容は1回完結ではなく、できごと等をつなぎあわせながら、例えば1つの論点でも複数回にわたって解説する。したがって各項目については授業の進展にあわせて若干の変動があり得る。また、授業で配布するプリントのタイトルや小見出しは、以下に示したものと異なる場合がある。 

第1回 政治社会学の課題と方法(1)---  社会の形成と本質
第2回 政治社会学の課題と方法(2)---  社会構造と政治過程
第3回 社会変動論(1)---  産業化論、近代化論
第4回 社会変動論(2)---  脱工業社会論
第5回 社会変動論(3)---  戦後日本の産業化と政治社会
第6回 現代日本の社会変動と国土政策(1)---  国土政策の構想
第7回 現代日本の社会変動と国土政策(2)---  戦後復興と国土総合開発法
第8回 現代日本の社会変動と国土政策(3)---  一全総と高度経済成長
第9回 現代日本の社会変動と国土政策(4)---  新全総と「明治百年」論
第10回 現代日本の社会変動と国土政策(5)---  高速道路と整備新幹線
第11回 現代日本の社会変動と国土政策(6)---  「日本列島改造論」
第12回 現代日本の社会変動と国土政策(7)---  初期全総と地域社会の変化
第13回 現代日本の社会変動と国土政策(8)---  「田園都市国家構想」
第14回 現代日本の社会変動と国土政策(9)---  「地域の個性」とリゾート開発
第15回 総括  ---  21世紀の国土政策と地域社会

授業時間外学習 / Expected work outside of class

 毎回配布するプリント等をもとに、授業内容を再確認し、概念や事実の整理はもちろん、論点ごとの考察、文章化を適切におこなっておく必要がある。

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。
定期試験(60%)、中間レポート(LMS利用。10%)、授業時間内の小レポート(30%)の割合とする。小レポートは原則として毎回実施する。

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

 政治社会学、社会変動の基礎的な理論、観点を修得し、それをもとに現代日本における社会変動と政治現象(具体的には国土政策の決定、内容、影響)の関係性を理解しているかどうかを成績評価の中心的基準とする(授業内容をふまえていることが大前提である)。授業時間内の小レポート(毎回実施)の評価は、その記載内容、大きくは主体的な受講態度に対するものであり、提出したこと自体に対するものではない。各回の授業に主体的に参加すること、すなわち、概念や事実を適切に理解し、さらに進んで論点を日常生活に関わる問題として多角的に考察し、それを小レポートに反映させる必要がある。

①知識・技能の観点
 政治現象を考察するうえで必要となる社会学(政治社会学)の基礎的な理論、観点を修得しているか。授業で扱う現代日本の政治社会におけるできごと、国土政策の展開について、事実の流れを正確に理解しているか。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
 現代日本における国土政策と社会生活の関係、その特徴について、政治社会学的論点を発見して整理し、それらを正確な事実認識にもとづく、論理的な文章に仕上げることができたか。
③主体的な態度の観点
 政治社会学の仮説、さらには実際の政治社会の課題と展望について、自身の見解をまとめ、その見解をも批判的に検証する多角的な思考表現ができたか。 

教科書
Textbooks


 指定しない。主要参考文献は適宜指示する。

参考書
References


間場寿一編(2000)『講座社会学  9 政治』東京大学出版会。
大石久和(2012)『国土と日本人』中央公論新社。
久保田滋ほか編(2008)『再帰的近代の政治社会学』ミネルヴァ書房。
小磯修二ほか(2018)『地方創生を超えて』岩波書店。
佐藤信之(2021)『鉄道と政治』中央公論新社。
下河辺淳(1994)『戦後国土計画への証言』日本経済評論社。
下村太一(2011)『田中角栄と自民党政治』有志舎。
土山希美枝(2007)『高度成長期「都市政策」の政治過程』日本評論社。
富永健一(2008)『思想としての社会学』新曜社。
根岸裕孝(2018)『戦後日本の産業立地政策』九州大学出版会。
本間義人(1999)『国土計画を考える』中央公論新社。
町村敬志(2011)『開発主義の構造と心性』御茶の水書房。
御厨貴(1996)『政策の総合と権力』東京大学出版会。
山崎幹根(2006)『国土開発の時代』東京大学出版会。
吉見俊哉(2021)『東京復興ならず』中央公論新社。
米田雅子(2003)『田中角栄と国土建設』中央公論新社。

フィードバックの方法
Feedback Method

 授業時間内の小レポートについて、返却はしないが、受講生の主体的な取り組みに資するよう、文章作成方法、評価基準などを適宜説明する。教室、LMSで寄せられた質問についても適宜(教室で全受講生に対しておこなったほうがよい場合は授業時間内に復習として)説明する。

担任者への問合せ方法
Instructor Contact

 教室での質問(小レポートへの記載)を原則に、LMSのメッセージ機能の利用も可とする。  オフィス・アワー(曜日と時間は開講時に指定)を設定予定である。

備考
Other Comments

 プリントをもとに授業を進める。プリントは教室で配布するとともに、プリントのうち,主教材は原則としてLMSに閲覧期限付で掲出する。