2025 年度の講義概要のデータベースを検索します。カリキュラムツリーへのリンク
学部・研究科
Faculty/Graduate School
政策
時間割コード
Course Code
86387
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
政治学史
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
担任者名
Instructor
安武 真隆
曜限
Day/Period
金3
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

講義(対面型)

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

世の中には変わり易いものと、変わりにくいものがある。変化の激しい昨今、「今ここ」で役立つことに目が向かいがちなのは否めない。しかし、「今ここ」で役に立つことが、諸君が社会に巣立った後にも役に立つとは限らない。即戦力となる情報は、即戦力外通告を受けうることを覚悟しなければならない。むしろ「今ここ」に執着した近視眼的で軽薄な「実践」性よりも、どのような場面に出くわしても動じない、より広い射程の育成こそ、大学教育には求められるべきではないか。そのためは、「今ここ」とは異なった文脈で書かれた過去の古典と取り組むことが、迂遠なように見えて王道であると、講義担当者は信じている。大きな樹に成長するためには、根元に近い場所に水や肥料をやるのではなく、少し遠いところにやった方がよいからである。

 本講義では、日本の近代化にも多大な影響を与えた欧米の政治学・政治的言説の歴史的展開を概観する。本講義で紹介する過去の政治学が「今ここ」で即効性を持つとは保証できない。むしろ「役に立たない」かもしれない。しかし、千年以上も前に書かれた書物が今なお読み継がれていることを想起するならば、「今ここ」で「役に立たない」ことを敢えてやることの意味も自ずと分かってくるであろう。

 少なくとも西欧において、およそ名のある政治家・政治学者であれば誰であれ、この講義で紹介する、プラトン、アリストテレス、キケロ、マキアヴェッリ、ホッブズなどの著作を単に時代遅れのものとはせず古典として親しみ、そのうえで、それぞれの時代の政治学を展開してきた。つまり、それぞれの時代において政治について語り、その時代の政策を構想した人々は、目の前の政治について考えるにあたって、古い本を読みながら考えるという態度を身につけていた。彼らは、まず過去に向かって助走してはじめて、現在を見据え未来を展望をすることができると考えていたのである。

到達目標 / Course Objectives

 本講義では、それぞれの政治思想を学生が内在的に理解できることを到達目標とする。

授業手法 / Teaching Methods

・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

講義のスケジュール案は以下の通り。
1.  Introduction
2.  ヘロドトス  『歴史』、  トゥキュディデス『戦史』
3.  プラトン(ソクラテス)  『ソクラテスの弁明』
4.  プラトン  『ゴルギアス』
5.  プラトン  『国家』  『法律』
6.  アリストテレス  『ニコマコス倫理学』  『政治学』
7.  アリストテレス  (続き)
8.  ヘレニズム ポリュビオス  『歴史』
9.  キケロ  『義務論』  『友情論』
10.  キリスト教
11.  マキアヴェッリ(同時代的背景)
12.  マキアヴェッリ  『君主論』
13.  マキアヴェッリ  『ローマ史論』
14-15. 総括と質疑

授業時間外学習 / Expected work outside of class

定期試験に向けてプラトン『ゴルギアス』『国家』ならびにマキアヴェッリ『君主論』を講読しておくと、より効果的である。

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。
定期試験80%、レポート20%を原則とする。

成績評価方法が変更になった場合は、インフォメーションシステム等で連絡する。

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

それぞれの政治思想を受講生が内在的に理解できているかどうかが評価の基準となる。

教科書
Textbooks


プリントを配布

参考書
References

フィードバックの方法
Feedback Method

担任者への問合せ方法
Instructor Contact

関大LMSのアンケート機能を活用されたい。

備考
Other Comments

秋学期定期試験については、長期休暇を利用して「古い本をじっくり読む」余裕があまりないので、受講生の負担を軽減するために、プラトンとマキアヴェッリに限定した試験問題を準備する予定。したがって、高成績を望む者は、プラトンの『国家』(あるいは『ゴルギアス』)とマキアヴェッリの『君主論』が必読である。

なお、両者の講読の機会として専門導入ゼミ2を別途開講するので、その場合は合わせて履修することを推奨する。