- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - シ
- 時間割コード
Course Code - 62163
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - 連続体力学
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 春/2
- 担任者名
Instructor - 藤 定義
- 曜限
Day/Period - 木3
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
講義(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
連続体力学は巨視的な空間的な広がりを持つ物質の運動を扱い、 我々の身の周りから宇宙に至る様々な現象を記述することができる。 雲や川の流れを見ていると、美しいパターンや複雑な乱れが起きていることに気づくと思う。この多様な現象は、連続体力学がもつ非線形性に由来する。
基本的に連続体の運動はニュートン力学に従うが、質点系や剛体と違って連続的な変形や流動を行うので、電磁場のような場としての扱いが必要になる。加えて、音波のように圧力や密度の熱的な変化も運動に伴って起きるので、熱力学の効果も力学と共に取り扱うことになる。
本講義では、連続体の運動を概観した後、弾性体力学、流体力学 の基礎方程式をミクロな立場との関連を考慮しつつ導く。 基礎方程式に基づき、具体例に即しながら波動現象や渦運動を学ぶ。 更に、非線形現象の基礎的な概念を紹介する。
連続体力学の多くの教科書は、基礎方程式に基づく数理物理的な視点でまとめられている。従って、体系的な美しさはあるが、数学的な記述が容易である線形現象の詳細な解説に陥りがちである。初学者は、連続体力学が持つ非線形性に由来する興味深い多様な現象に触る前に、数学的な煩わしさに圧倒されるのではないだろうか。
本講義では、むしろ物理的な側面に視点を置き、連続体の運動に対する記述方法を学び、非線形現象の定性的な理解を目指したい。また、数学的な基礎はできるだけ前提とせず、講義の中で説明する予定である。到達目標 / Course Objectives
①連続体の概念を理解し,その運動の記述方法を習得する.
②連続体の記述に必要な概念や数学的な手法に親しむ.
③連続体の見せる様々な運動に連続体力学を適用してその理解を深める.授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
以下の項目に従って授業を行うが、受講生の習熟度に応じて適宜内容を変更する予定である。
1.連続体力学とは: 氷河は流体か固体か? 星間物質は流体か?
2.ニュートンの運動方程式: 質点と場の見方
3.質量の保存:連続の式
4.連続体の運動方程式: 加速度の表現
5.オイラー方程式:力が圧力だけの場合
6.流れ場の記述方法
7.連続体に働く力: 面に働く力と応力
8.連続体の運動方程式:非線形性をもつ方程式
9.連続体の変形や歪み: 応力との関係
10.連続体の分類:固体と流体とは
11.圧力と密度、温度の関係とエネルギーの保存則
12.連続体の運動: 弾性波、 音波、 水の波
13.流体の運動: 渦運動授業時間外学習 / Expected work outside of class
(1)講義ノートや参考書を復習して内容の理解に努めること。講義で出す課題や問題、参考書の例題などは理解を深めるために必ず解いてきること。
(2)普段から連続体に関連する日常的な自然現象を観察して欲しい。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
筆記による学力確認(50%)、平常点(出席・小テスト・レポート課題)(50%)
履修者数が多数になった場合には、成績評価方法を「定期試験(16週目)」に変更することがあります。
成績評価方法が変更になった場合は、インフォメーションシステム等で連絡します。基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
以下の項目に関する理解度
①連続体の概念を理解し,その運動の記述方法を習得する.
②連続体の記述に必要な概念や数学的な手法に親しむ.
③連続体の見せる様々な運動を連続体力学を適用して理解する.
公式・定理を暗記するのではなく導出できるか,講義中に紹介する例題や演習問題と同レベルの問題を解くことができるかを問う.
- 教科書
Textbooks
特に教科書は指定しません。事前に開示する講義ノートを使って復習をしてください。以下の連続体力学の参考書は、基礎的なものから専門的な順に並べています。講義の最初の回に説明します。
木田の「納得する流体力学」は、ベクトル解析を用いて流体力学の基礎方程式を導出した初学者向きの良書です。
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参考書
References 関西大学工学部物理教室編 弾性体・流体の力学 学術図書出版
恒藤敏彦 連続体と流体 岩波書店
佐野理 連続体の力学 裳華房、基礎物理学選書
巽友正 連続体の力学 岩波書店
川原琢治 連続体力学 産業図書
木田重雄 納得する流体力学 講談社
- フィードバックの方法
Feedback Method
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact オフィスアワー
講義終了時あるいはメールにて随時質問などを受ける.
メールアドレス
toh.sadayoshi.3c♪kyoto-u.jp ※「♪」を「@」に置き換えてください.
- 備考
Other Comments (1)力学1・力学2・物理数学1・線形代数2の習得を前提とする.
(2)高校レベルの微分・積分を前提とする.