- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - シ
- 時間割コード
Course Code - 62156
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - 解析力学
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 春/2
- 担任者名
Instructor - 伊藤 博介
- 曜限
Day/Period - 金2
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
講義(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
17世紀にニュートンにより確立された古典力学は,その後おもにフランスとドイツで数学的整備がなされた。ニュートンの運動方程式は,たとえば直交直線座標と極座標で形が変わるように,座標系のとり方に依存し,また,束縛条件がある場合に見通し良く運動方程式を解くことは難しい。これに対し,ラグランジュの運動方程式やハミルトンの運動方程式は,座標系を自由に選定しても,また束縛条件がある場合でも,形が変わらない。従って,これらの方程式を用いると変数の取り方に捉われない一般的な問題の解法が与えられる。
また,解析力学では「変分」という新しい概念を用いて,ラグランジュの運動方程式やハミルトンの運動方程式を統一的に理解することができる。力学の法則をそのように見直し,さらに方程式そのものの性質を調べることにより,解析力学は量子力学や統計力学へとつながった。
本授業では,最初に古典力学(ニュートン力学)の簡単な復習をしてから,座標と座標変換についての理解を深めたのちに,ラグランジュの運動方程式やハミルトンの運動方程式がどのようにして導き出されるかを学び,これを具体的な問題に適用する。さらに,量子力学・統計力学への橋渡しという観点から,正準変換と位相空間について理解した後に,解析力学と電磁気学,統計力学,量子力学とのかかわりについて学ぶ。到達目標 / Course Objectives
(1)位置ベクトル,速度,加速度の極座標表示を習得する。
(2)ラグランジュとハミルトンの運動方程式を理解し,それを種々の力学系に適用できる。
(3)変分原理を理解する。
(4)位相空間の概念を理解し,正準変換とは何かを理解する。
(5)電磁界中のラグランジアンとハミルトニアンを理解する。
(6)古典力学の破綻を理解するとともに解析力学と量子力学の関わりについての初歩的理解を得る。授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
第1回 古典力学(ニュートン力学)の復習:質点の運動,質点系の運動,保存則
第2回 座標と座標変換1:デカルト座標(直線直交座標) と座標の回転
第3回 座標と座標変換2:極座標と回転座標系,慣性系と加速度系
第4回 ラグランジュ形式1:ラグランジアンとラグランジュの運動方程式
第5回 ラグランジュ形式2:一般化座標,一般化運動量,一般化された力
第6回 ラグランジュ形式3:ハミルトンの変分原理,保存則と循環座標
第7回 ハミルトン形式1:ハミルトニアンとハミルトンの運動方程式
第8回 ハミルトン形式2:ラグランジュ形式からハミルトン形式へ
第9回 中間テスト
第10回 正準変換1:位相空間,正準変換
第11回 正準変換2:母関数による正準変換
第12回 正準変換3:ポアッソンの括弧式,正準変換不変量,リウビルの定理
第13回 物理学における解析力学1:電磁気学と解析力学
第14回 物理学における解析力学2:量子力学と解析力学
第15回 まとめと到達度の確認授業時間外学習 / Expected work outside of class
(1)教科書・ノートを何度も読み,授業内容の理解に努めること。
(2)演習問題を必ず解いてみること。教科書の単元が進むごとにレポート課題(実施時間およそ2時間)を課します。
(3)分からない所は積極的に質問すること。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験を行わず、到達度の確認(筆記による学力確認)と平常成績で総合評価する。
中間テストと到達度の確認テスト(85%),平常点(レポート+授業への取り組み)(15%)。
履修者数が多数になった場合には、成績評価方法を「定期試験(16週目)」に変更することがあります。成績評価方法が変更になった場合は、インフォメーションシステム等で連絡します。履修者数が多数になった場合には、成績評価方法を「定期試験(16週目)」に変更することがあります。
成績評価方法が変更になった場合は、インフォメーションシステム等で連絡します。基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
授業で取り上げた基本概念や基本問題についてきちんと理解できているかどうかを評価する。
- 教科書
Textbooks 久保謙一 「解析力学」 (裳華房フィジックスライブラリー) 978-4785322052
-
参考書
References 前野昌弘 「よくわかる解析力学」 (東京図書) 978-4489021626
ランダウ,リフシッツ 「力学(増訂第3版)」 (東京図書) 978-4489023866
宮下精二 「解析力学」 (裳華房テキストシリーズ) 978-4785320904
- フィードバックの方法
Feedback Method テストの採点後に,結果(略解,講評など)を関大LMSに掲載します。
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact オフィスアワー
授業終了時あるいはメールにて随時受付を行う。
メールアドレス
hitoh★kansai-u.ac.jp ※記号「★」を「@」に置き換えてください。
その他
関大LMSの「メッセージ」機能で連絡してください。
- 備考
Other Comments (1)力学1・2の修得を前提とする。
(2)微分・積分,ベクトル解析,線形代数等の基礎知識を前提とする。
(3)解析力学演習の履修を強く勧める。
解析力学は量子力学や統計力学の基礎となるものなので,解析力学の考え方を身につけておくことは,今後の学習にとって非常に重要である。解析力学を確実に修得するためには,解析力学演習を受講して,自らの頭で考えて問題を数多く解く必要がある。