- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - シ
- 時間割コード
Course Code - 62328
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - 実験流体力学
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 秋/2
- 担任者名
Instructor - 田地川 勉
- 曜限
Day/Period - 月2
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
講義(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
現代の流体力学における実験の役割と位置付けは,実験技術と装置の進歩に加えて,近年の数値流体力学(CFD)の目覚ましい発展に伴って大きく変わりつつある.このため,実験の哲学そのものに立ち返り,それぞれの特徴に応じて使い分けることが重要である.流体に関する諸現象への取り組み方として,理論的/数値計算的手法と比べ,実験的手法は経費と人手がかかるが,実現象を制御された形で直接取り扱うので,理論的/ 数値計算的手法による結果を実証するために必須であるだけでなく,現象の本質の理解に繋げやすいため,新たな知見や論理につながることが多く,またその実験手法などは実機の性能評価にも応用できることから,流れを扱う研究・開発・設計・製造の全段階において極めて重要な役割を担っている.
この講義では,模型実験と実機の関係を力学的見地から記述した「力学的相似則」,風洞・回流水槽を使った実験法とその制限,流体の諸物性値,圧力,流量,流速等の流体計測法および流れの可視化手法の原理とこれらに関わる光学的理論について講義するとともに,実際の計測例を紹介することで,技術者,研究者として必須の基礎知識・基礎技術を身に付ける.到達目標 / Course Objectives
①知識・技能の観点
これまで学修した機械工学の知識を基に,模型実験の基礎となる力学的相似則を修得できていること.
また,各種流体計測法の測定原理とそれぞれの長所・短所を説明できること.
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
模型実験によって得られるデータの物理的な意味,精度,現象の再現性などの模型実験の限界と実機試験との対応関係が説明できること.
③主体的な態度の観点
様々な物理現象について,本科目で学んだ視点で積極的に考えることができること.授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
1. 実験流体力学とは? 実験の哲学,模型実験の適応例
2. 模型実験の理論的基礎1:力学的相似則とパイナンバー
3. 模型実験の理論的基礎2:流れの相似則とその主要なパイナンバー
4. 模型実験の理論的基礎3:熱・物質輸送の主要パイナンバー,流れと熱・物質輸送とのアナロジー
5. 風洞と水槽1:特徴と性能
6. 風洞と水槽2:それを使った実験法,実験例
7. 流れの可視化:可視化手法と適応例
8. 圧力の測定:マノメーター,ブルドン管,熱伝導率式,半導体圧力変換器など
9. 流速の測定1:ピトー管,熱線・熱膜流速計
10. 流速の測定2:超音波ドップラー流速測定法(USD,UDP)
11. 流速の測定3:レーザードップラー流速測定法(LDV)
12. 流速の測定4:粒子追跡流速測定法(PTV)と粒子画像流速測定法(PIV)
13. 粒子・液滴・気泡径の測定:レーザー回折式,位相ドップラー粒子分析計(PDPA)など
14. 流量の測定:差圧式,電磁式,超音波式,渦式,コリオリ式,容積式など
15. データの統計的処理とその物理的意味,計測の知能・コンピューター化とその制限授業時間外学習 / Expected work outside of class
授業中に配布した講義資料を見直しておくこと
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験(筆記試験)の成績で評価する。
定期試験(筆記)の成績で評価する.基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
①知識・技能の観点
力学的相似則とそのパラメータについて,その物理的な意味を理解し,説明できるか.
また,各種流体計測法の測定原理とそれぞれの長所・短所を説明できるか.
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
模型実験の限界を理解し,そこで得られるデータの統計学低な表現法や物理的な意味だけで無く,実機試験との対応関係を理解できているか.
③主体的な態度の観点
様々な物理現象について,本科目で学んだ視点で積極的に捉え,考え,把握することができているか.
- 教科書
Textbooks
教科書は使用しない.
毎講義の講義資料をLMSで公開する.(授業日の前の週の土曜日正午)
プリント等で配付はしないので,事前に印刷したり,iPadなどのタブレット端末にダウンロードしメモできる状態にしておくこと.
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参考書
References 江守一郎・斉藤孝三・関本孝三 『模型実験の理論と応用(第三版)』 (技報堂出版)
大場謙吉・板東潔 『流体の力学 -現象とモデル化- 』 (コロナ社)
Pankhurst & Holder 『Wind-Tunnel Technique』 (Sir Isaac Pitman & Sons Ltd)
日本機械学会・編 『技術資料 流体計測法』 (日本機械学会)
F.Durst et al. 『Principles and Practice of Laser-Doppler Anemometry』 (Academic Press)
浅沼強・編 『流れの可視化ハンドブック』 (朝倉書店)
M.ラッフェル・C.E.ヴィラート・J.コンペンハンス 著,小林敏雄 監修(岡本孝司・川橋正昭・西尾茂 訳) 『PIVの基礎と応用-粒子画像流速測定法-』 (シュプリンガー・フェアラーク東京)
日本実験力学会・編 『実験力学会ハンドブック』 (朝倉書店)
小宮勤一 『流体量の測定』 (朝倉書店)
日本原子力学会 編 『混相流計測法』 (森北出版)
松山裕 『実用 流量測定』 (財団法人 省エネルギーセンター)
日本機械学会 編 『機械工学便覧 基礎編α4 流体工学』 (丸善)
- フィードバックの方法
Feedback Method 授業時に課す演習やディスカッションに対して,コメントをしたり,提出された演習の添削結果を返却等する事でフィードバックする場合があります.
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact オフィスアワー
毎回の授業終了後に受け付けるので,申し出ること.
その他
LMSを活用するため,LMSのコンテンツおよび個人伝言を必ずチェックしておくこと.
- 備考
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