2025 年度の講義概要のデータベースを検索します。カリキュラムツリーへのリンク
学部・研究科
Faculty/Graduate School
時間割コード
Course Code
65112
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
材料熱力学
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
担任者名
Instructor
竹中 俊英
曜限
Day/Period
水3
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

講義(対面型)

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

1年の物理化学1、2で学習した熱力学の知識が、材料科学の分野にどう利用されているかを学ぶことを目的とする。具体的には,相律、相図、エリンガム図、標準ギブズエネルギー、化学反応に伴うギブズエネルギー変化、溶液論等の材料工学の基礎理論と応用について学ぶ。
これにより、反応の進行方向と平衡位置の予知ができるようになる。本講義の知識はあらゆる種類の材料を合成する上で必須であり、応用範囲はきわめて広い。

到達目標 / Course Objectives

・温度変化、圧力・体積変化、化学反応に伴うエンタルピー、エントロピー、Gibbsエネルギー変化について理解し、文献値を用いたこれらの算出ができること
・多相系の平衡状態をGibbsの相律から理解し、系が平衡しているか判断できるようにすること
・多相系を化学平衡させた場合の平衡定数とGibbsエネルギーの関係を理解すること
・多相系を化学平衡させた場合の各相の量を平衡定数と物質収支を用いて算出できること
・凝縮多相混合系(溶液)の混合エンタルピー、混合エントロピー、混合Gibbsエネルギー変化と化学ポテンシャルの関係を理解すること
・代表的な「溶液」について理解すること

・毎授業日に行う授業内容に関する演習を通し、授業内容を自主的に思考し理解する。

授業手法 / Teaching Methods

・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

本講義は各事項に関して講義し,関連する演習を行う.演習のため関数電卓と教科書を必ず持参すること.
講義計画は概ね下記のようになる。なお、「物理化学」の復習をかねている部分があり、その内容を理解していることが望ましい。

1.  授業概要の説明と基礎知識の確認
授業内容を概説し,必要となる基礎的な知識(単位,誤差と有効数字など)の確認を行う。

2.  熱力学の基本法則(第2週〜7週)
熱力学の基本法則について復習する.また,材料工学で必要なエンタルピーやエントロピーの計算法を学ぶ.
1)  熱力学第1法則とエンタルピー
2)  熱力学第2法則とエントロピー
3)  モル熱容量とエントロピー
4)  物質のモル熱容量
5)  物質のエンタルピー,エントロピー(標準生成エンタルピー)
6)  エンタルピー,エントロピーの計算(反応エンタルピー変化)

3.  ギブズエネルギーと化学平衡(第8-12週)
ギブスエネルギーの意味と応用法を学ぶ。状態図、相律、化学ポテンシャル、均一系および不均一系のギブズエネルギ-等を学習する。
1)  ギブスエネルギー
2)  化学ポテンシャルと相律
3)  化学平衡とギブスエネルギー
4)  ギブスエネルギーや平衡定数の利用

4.  溶液(第13-14週)
溶液の熱力学的取り扱いについて学習する。これは合金の性質の理解に必要な知識となる。
1)  部分モル量
2)  理想溶液と正則溶液

5.  総括(第15週)

6.  定期試験(第16週)

授業時間外学習 / Expected work outside of class

・次回の講義の内容をLMS上に公開するので,必ず予習しておくこと.その際,指定された教科書だけでなく,「物理化学」の教科書や授業ノートも利用すること.
・授業内容の理解を深めるため毎回宿題を課す.

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。
平常点(宿題の提出等)20%程度、演習40%程度、定期試験40%程度で評価する。ただし、正当な理由の無い欠席や遅刻を所定の回数以上した場合には自動的に不合格となる。

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

上記の方法で総合成績を算出し,90点以上を秀,80点以上を優,70点以上を良,60点以上を可,59点以下を不可とする.

教科書
Textbooks

日本金属学会  『金属化学入門シリーズ1「金属物理化学」』  (丸善)  

参考書
References

P.  W.  Atkins著、千原英昭・中村亘男訳  『アトキンス 物理化学(上) 第6版』  (東京化学同人)  
P.  W.  Atkins著、千原英昭・稲葉 章共訳  『アトキンス 物理化学要論 第3版』  (東京化学同人)  
向井楠宏著  『化学熱力学の使い方』  (共立出版)  
香山滉一郎著  『化学熱力学』  (アグネ技術センター)  
D.  V.  Ragone  著 寺尾光身  監訳  『材料の物理化学  I』  (丸善)  
L.  S.  Darken,R.  W.  Gurry著  『Physical  Chemistry  of  Metals』  (Kogakusha)  

フィードバックの方法
Feedback Method

毎回授業で授業内容に関する演習を行うが、演習の結果,理解が進んでいない部分の説明を加えた詳しい解答例を配布する.また、前回の演習答案を朱筆の上で返却し、理解を促す。
質問等については講義終了後または関大LMSをとおして対応する。

担任者への問合せ方法
Instructor Contact

オフィスアワー:毎回の授業後.また,連絡があればその都度調整
連絡先:ttakenak@(関大ドメイン)

その他:質問を歓迎する.

備考
Other Comments

社会状況により,【成績評価の方法、基準・評価】,【授業形態】は変更する場合がある.

上記のようにLMS上に予習資料を公開する.また諸連絡もLMSを通して行うので,毎週必ず確認すること.

授業時間中に演習も行うので、教科書と関数電卓を必ず持参すること。

本科目の学習・教育目標はC,  B。
本科目の基礎となる科目は、数学(演習含)(関数と微分積分の基礎1)、数学(演習含)(関数と微分積分の基礎2)、物理学(演習含)(基礎物理学)、化学(演習含)(基礎化学1)、物理化学1(演習含)、物理化学2(演習含)、フレッシュマンゼミナール、オリエンテーションゼミナール。
 本科目を基礎とする科目は、相変態と組織制御、核生成・成長と凝固過程、鋳造工学、材料電気化学、材料精製工学、セラミック材料、電磁気材料、マテリアル工学実験Ⅰ・Ⅱ。