- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 化
- 時間割コード
Course Code - 65062
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - 特別研究1
(材料界面工学研究室) - 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 春/3
- 担任者名
Instructor - 春名 匠/廣畑 洋平
- 曜限
Day/Period - 他
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
その他
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
より豊かな社会、より便利な社会を享受するために、常に新しい技術が期待され、その要望に応えるべく新しい材料が創製される。しかし、材料が最終的に実用化されるためには、その使用環境に耐え得る表界面特性(耐食性)が要求される。現在、表界面からの材料劣化(腐食)がもたらす社会的損失はGDPの約3%に達するとされており、表界面特性の制御は、省資源社会を構築する上で極めて大きな検討課題である。しかも、近年の軽量化・微小化に向けての技術開発は、単位体積当たりの表界面面積の増大をもたらすことから、微小材料の表界面特性はシステム全体の耐久性の鍵を握る。したがって、微小精密機器から長大インフラまで、製品の長寿命化を推進し、省資源社会の構築を実現するためには、使用環境に応じた適切な表界面の形成が重要となる。さらに、材料表界面の改質技術は材料母材の開発と比較して、必要元素添加量を抑制し、材料のリサイクル性を高める、極めて有効な循環型社会構築の一手段である。ここに示した表界面特性の多くは電気化学によって極めて明快に特徴付けられるので、材料学と電気化学の修得は省資源社会・循環型社会の構築に必要不可欠な学問である。
そこで本特別研究1では、次学期で行う特別研究2と合わせて、省資源社会・循環型社会の構築を念頭に置くことのできる、材料学と電気化学に精通した科学・技術者の養成を目指した講義・演習・実習を行う。到達目標 / Course Objectives
① 知識・技能の観点
・「材料電気化学」、「マテリアル工学実験1」などで学習した電気化学および腐食科学・防食技術に関する知識・技術が定着し、それらの高度な理解力・応用力が養われる。
・研究課題の遂行に必要な実験装置の原理と使用方法を修得することができる。
・研究日誌の重要性が認識され、その記載の励行能力が養われる。
② 思考力・判断力・表現力等の能力の観点
・省資源社会・循環型社会の構築を念頭に置くことのできる科学・技術者としての倫理観が養われる。
・研究活動で得られた成果を第三者に理解させるプレゼンテーション能力が養われる。
③ 主体的な態度の観点
・自らの研究活動・研究成果を頻繁に振り返り、適切な改善点を挙げて、研究成果をより確固たるものにする態度が養われる。授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり
・学生同士の意見交換(グループ・ペアワーク、ディスカッション、ディベート等含む)
・プレゼンテーション(スピーチ、模擬授業等含む)
・課題探究(プロジェクト学習、課題解決型学習、ケーススタディ等含む)
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
【研究課題の概要】
・実環境における材料の耐食性発現因子の把握と耐食機構の解明
・高耐食性材料の環境脆化発生・進展挙動の把握とその防止策の検討
・高耐食性薄膜の創製とその表界面特性の評価
【講義計画 (第1〜15週)】
・科学・技術者としての倫理観および循環型社会に貢献し得る材料科学技術についての学習。
・研究日誌の毎週末の提出による研究日誌作成の習慣化ならびに記載方法の修得。
・共通の研究手法である電気化学測定方法などの基礎の習得ならびに実験における安全衛生管理の理解。
・受講生各人の研究課題の決定ならびに研究計画の立案・実施。
・研究課題に関連する文献調査の開始。
・腐食科学・防食技術の基礎事項の効率的な学習を目的とした関連参考書の輪読会の実施(毎週一回)
・研究課題に関連した学術論文(日本語・英語)の読解と第三者への内容伝達能力の養成ならびに発現・議論能力の養成を目的とした雑誌会の実施(毎週一回)。
・課題研究の進捗状況を第三者へ伝達する能力の養成ならびに質問・議論をする能力の養成を目的とした研究室中間発表会の実施(毎月一回)。授業時間外学習 / Expected work outside of class
輪読会・雑誌会の準備と研究成果の検討に必要な文献の読解は授業時間外に行い、授業時間内は実験活動に集中すること。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
(1)デザイン能力(30%)、(2)研究遂行能力(30%)、(3)コミュニケーション能力(15%)、(4)情報利用能力(25%)を中心に総合的に評価する。基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
到達目標に記載した項目をおもな評価基準とする。
- 教科書
Textbooks
研究課題に関連した教科書を適宜指示する。
-
参考書
References
研究課題に関連した文献・書籍を適宜指示する。その他、必要に応じて、研究室・総合図書館の蔵書や大学外部所蔵の文献など、研究課題に関連した情報の自力収集に努めること。
- フィードバックの方法
Feedback Method ・毎日の実験結果が記載された研究日誌を毎週末に教員が確認し、指導する。
・毎週行われる輪講・雑誌会での発表内容を教員や研究室構成員と議論する。
・毎月行われる研究室中間発表会での発表内容・発表方法について教員が指導する。
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact 【オフィスアワー】 随時受付
メールアドレス:
haruna@kansai-u.ac.jp
hirohata@kansai-u.ac.jp
- 備考
Other Comments ・材料が関連する電気化学(電極化学)は、上記以外にメッキ、燃料電池、光触媒、化学センサー、生体計測、希金属回収など様々な産業で利用され、工学的に重要な学問である。
・将来、未解決問題への着手を求められることが想定される。その場合、本講義で修得する、未解決問題に対する取組方法の計画・実施・評価、研究成果の総括・伝達および関連情報の収集方法に関する知識は極めて有用となろう。
・この講義には、専門必修科目以外に,「材料電気化学」(選択必修:2年次配当)を修得していることが望ましいが、未修得者の挑戦も大いに歓迎する。
【学習・教育目標(JABEE)】 A、C、F、H