2025 年度の講義概要のデータベースを検索します。カリキュラムツリーへのリンク
学部・研究科
Faculty/Graduate School
シ/環/化/工
時間割コード
Course Code
60225
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
複合糖質化学特論
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
担任者名
Instructor
古池 哲也
曜限
Day/Period
金1
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

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講義(対面型)

言語 / Language

<春>
日本語(Japanese)


授業概要 / Course Description

<春>
 糖鎖化合物は植物の細胞壁の主成分であるセルロース、エネルギー源としてデンプン中に含まれるアミロースやアミロペクチン、甲殻類の殻に含まれるキチンなどのように単独の多糖として存在するものもあるが、タンパク質や脂質などと結合した複合糖質として生体内に存在する。単純な多糖に比べて種類が多くしかもその存在量が微量のものが多いので不明の部分が多かったが、近年これらの複合糖質の構造と機能が徐々に明らかにされつつある。本講義では、生体活動に大きな関わりを持つ天然高分子として複合糖質を取り上げ、これらに関する最新の研究成果を含めて講述する。本講義を修得することで、複合糖質が織りなす多彩な機能や「わからないことがまだこんなにある」ということを実感するであろう。

学位授与方針との関係 / Related Diploma Policy

<春>
(理工学研究科(M化学生命工学))
1.知識・技能
  
2.思考力・判断力・表現力等の能力
  

到達目標 / Course Objectives

<春>
①知識・技能の観点
第三の生体物質と呼ばれている糖鎖の多様な構造に関して基礎的な知見と、我々の体内で絶え間なく機能している糖鎖の巧妙な認識メカニズムについても理解することができる。

②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
単糖や多糖の略号から、それらの構造を推測することができる。

授業手法 / Teaching Methods

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

<春>
第1週:糖鎖の最小構成単位である単糖の立体構造と種類に関して説明する。
第2週:ホモ多糖として、グルカン、キチン・キトサン、デンプンなどについて講述する。
第3週:ヘテロ多糖として、ガラクトマンナン、グルコマンナン、アルギン酸などについて講述する。
第4週:アミノ糖を含む酸性多糖をムコ多糖という。ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリンなど生化学的に重要な多糖が多い。これらの由来、構造、性質について説明する。
第5週〜第6週:ペプチドグリカンは細菌の細胞壁成分であり、ムコ多糖にペプチドが結合したものである。ムコ多糖の構成単糖はN-アセチルグルコサミンやN-アセチルムラミン酸であるので酵素リゾチームによって消化される。細菌の細胞壁の構造と糖鎖の関わりについて説明する。
第7週〜第8週:細胞表層に存在する糖鎖分子は糖タンパク質、糖脂質、プロテオグリカンなどの複合糖質としてその多くは細胞膜に存在して様々な生命維持活動の主要な役割を果たしている。これらの多様性に富んだ複合糖質の構造と機能に関して講述する。
第9週:自然界における糖鎖の合成経路は、糖転移酵素の厳密な基質特異性により支配されている。そこで、生体系における糖転移酵素による糖鎖合成経路に関して、糖タンパク質糖鎖の合成を例としてとりあげ説明する。
第10週〜第11週:生体系における糖認識タンパク質として知られるレクチンは、植物から高等動物に至るまで全ての生物に存在し、生態防御、物質認識、情報伝達などの様々な生命現象に深く関与している。それらのレクチンの種類と機能に関して概説する。
第12週:生体内における糖鎖の役割に関して、ウイルス、微生物、ガンの感染などを例に病気と複合糖質の関係を説明する。
第13週〜第14週:糖鎖の化学的合成法は、他の生体分子の合成よりも多価な水酸基の制御に起因して、非常に困難であることが知られている。そこで糖鎖合成における基本的な保護・脱保護法と、グリコシル化反応に関して概説する。
第15週:総括

授業時間外学習 / Expected work outside of class

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専門用語の意味等を理解しておくようにすること。

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

<春>
定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
レポート(80%)、平常成績(20%)で評価する。

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

<春>
討論の深さとともに、レポートの客観性や理論性についても評価する。また、発表の内容と討論への参加度合いによって評価する。

教科書
Textbooks

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備 考 / Note=====================================
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無し

参考書
References

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Ed.  By  P.  Finch  Carbohydrates  Structure,  syntheses  and  dynamics  Kluwer  Academic(1999)  
西村紳一郎他著  生命高分子科学入門  講談社サイエンティフィク(2004)  

備 考 / Note=====================================
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フィードバックの方法
Feedback Method

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講義終了後またはLMSにて質問に対応する。

担任者への問合せ方法
Instructor Contact

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関大LMSのメッセージ機能で連絡してください。

備考
Other Comments

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