- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - シ/環/化/工
- 時間割コード
Course Code - 60163
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - 基礎物性科学特論
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 春/2
- 担任者名
Instructor - 伊藤 博介
- 曜限
Day/Period - 火2
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
<春>
講義(対面型)
言語 / Language
<春>
日本語(Japanese)授業概要 / Course Description
<春>
ナノテクノロジーの進展により,人間がナノスケールの世界を自由自在に操ることが可能となってきた。本授業では,そのような微小な世界における物理現象を取り扱う。物性物理学(特に電子物性物理学)の基礎となる理論を理解し,その理論に基づきメソスコピック系における量子伝導現象を説明できることを,本授業の到達目標とする。
授業の前半(○)では,従来の固体電子論の教科書に従って,自由電子模型を出発点とし,固体の電子状態の基礎および自由電子気体の性質について学ぶ。授業の後半(◎)では,ナノ・メートル・スケールの世界でおこる量子的な物理現象(電子の波としての性質が顕著に表れるメソスコピック系の伝導現象,および電子のスピンが重要な役割をはたすスピントロニクス)について学ぶ。特に,GMR効果は2007年のノーベル物理学賞に輝いた研究テーマであり,この現象から学ぶことは多い。また,スピントロニクスの分野で現在進行中の研究についても,いくつかトピックス(●)を提供する。
学位授与方針との関係 / Related Diploma Policy
<春>
(理工学研究科(M理工学))
1.知識・技能
到達目標 / Course Objectives
<春>
(1)現象の物理的イメージを掴む。
(2)それを数学的に正しく記述する。
(3)基本的な法則や考え方を具体的な問題にあてはめて,問題を解くことができる。
授業手法 / Teaching Methods
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
<春>
1.自由電子模型
○ 量子力学の簡単な復習:波動関数,シュレーディンガー方程式,境界条件
○ 波数ベクトル○ 平面波
2.エネルギーバンド
○ 周期ポテンシャル中の電子
○ ブロッホの定理,ブロッホ関数
○クローニッヒ-ペニー模型
○ バンドギャップ
○ 金属,半導体,絶縁体
○ ブリュアンゾーン
○ フェルミ面
3.自由電子フェルミ気体
○ フェルミ準位,フェルミ球
○ フェルミ分布関数
○ 電子スピン ○ 電子気体の比熱
○ 電気伝導率とオームの法則
○ パウリの常磁性,帯磁率
○ 強磁性のストナー模型 ◎ バリスティック伝導
◎ トンネル効果
4.メソスコピック系の物理入門
◎ 量子化コンダクタンス◎ アハラノフ-ボーム効果
◎ アンダーソン局在
◎ 普遍的なコンダクタンス揺らぎ
◎ 単電子トンネリング
◎ アンドレーエフ反射
5.スピントロニクス入門
◎ 巨大磁気抵抗効果(GMR)
◎ トンネル磁気抵抗効果(TMR)
● 電流駆動磁化反転:次世代メモリへの応用を目指して
● 半導体スピントロニクス:ポストスケーリングの一方策として
授業時間外学習 / Expected work outside of class
<春>
(1)ノートを何度も読み,授業内容の理解に努めるよう復習をすること。単元が進むごとにレポート課題(実施時間およそ1時間)を課します。
(2)積極的に質問すること。(授業は教員が一方的に話すのではなく,学生との対話によって成り立つものです。)
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
<春>
定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
レポート課題(85%),授業への取り組み(15%)。
基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
<春>
(1)現象の物理的イメージを掴んでいるか。
(2)それを数学的に正しく記述できるか。
(3)基本的な法則や考え方を具体的な問題にあてはめて,問題を解くことができるか。
- 教科書
Textbooks <春>
備 考 / Note=====================================
<春>
教科書は特に指定しない。必要であれば授業の際に,資料を適宜配布する。
-
参考書
References <春>
チャールズ キッテル 「固体物理学入門 第8版」 (丸善) 978-4621076569
備 考 / Note=====================================
<春>
- フィードバックの方法
Feedback Method <春>
レポート課題の採点後に,授業内で課題に関する解説を行います。
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact <春>
オフィスアワー
授業終了時あるいはメールにて随時受付を行う。
メールアドレス
hitoh★kansai-u.ac.jp ※記号「★」を「@」に置き換えてください。
その他
関大LMSの「メッセージ」機能で連絡してください。
- 備考
Other Comments <春>
(1)授業で取り上げたもので,さらに深く勉強したいと思うものがあれば相談すること。
(2)量子力学をまだ十分に勉強していなければ,量子力学の講義の受講を勧める。