- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - シ
- 時間割コード
Course Code - 62307
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - トライボロジー
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 春/2
- 担任者名
Instructor - 谷 弘詞
- 曜限
Day/Period - 水2
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
講義(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
専門用語としての「トライボロジー」はOECDの用語集につぎのように定義されている。the science and technology of interacting surfaces in relative motion and of related subjects and practices 検討の対象は「摩擦」と「摩耗」現象であり、これらをコントロールする技術としての「潤滑」である。機械が所望の働きをするには、これを構成する部品間に、互いに力を及ぼし合いながらの相対運動が必ず存在しているので、機械は摩擦、摩耗というトライボロジー現象の巣といっても過言ではない。摩擦ブレーキは摩耗しては困るが、安定した摩擦力を必要とする。高速回転軸を支える軸受では摩擦力も作用しない方がよい。摩擦、摩耗は誰もが知りながら、未だに本質が解明できていない現象である。本質に迫り、これを自由に操ることができるようになれば、機械の飛躍的な高性能化が期待できる。しかし、本質を見誤って設計されれば、その機械の性能はがた落ちになる。本講義では、摩擦、摩耗の原因と、これらを軽減する潤滑技術をどのように捉えたらよいのか、これまでの諸説を紹介し、トライボロジーの世界への入り口をのぞいて、機械設計におけるトライボロジーの重要性の認識を促すことを目的にする。
到達目標 / Course Objectives
本講義の到達目標は以下のとおりである。
1.摩擦・摩耗現象の原因・メカニズムを含む、トライボロジーの基礎知識を習得する。
2.摩擦・摩耗を低減するための潤滑技術に対して理解する。
3.機械設計におけるトライボロジーの重要性を深く理解する。授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
第1回 オリエンテーション・講義概要、講義計画、成績の評価法等の確認
第2回 トライボロジーとは:トライボロジーという用語の起源に絡めて、機械設計におけるトライボロジーの重要性を考える。
第3回 固体表面の特徴:表面の微視的幾何形状と金属組織学的特徴、物理化学的特徴を考察し、トライボロジー現象の舞台を認識する。
第4回 固体表面の接触:見掛けの接触面積と実際の接触面積の違いを考察し、真実接触面積の概念を認識する。
第5回 摩擦の法則:アモントン・クーロンの摩擦法則、摩擦の速度依存性、荷重依存性、摩擦振動などを考察する。
第6回 摩擦・摩耗の測定:摩擦や摩耗を測定する方法、それによって得られる結果の特徴について考察する。
第7回 摩擦のメカニズム:摩擦の凹凸説と凝着説、それらを補強する考えを交えて摩擦力発生のメカニズムを考察する。
第8回 摩耗のメカニズム1:摩擦に伴う機械的作用、熱的作用、化学的作用が摩耗を引き起こすメカニズムを考察する。
第9回 摩耗のメカニズム2:摩耗とは言い難い表面の損傷、焼付きと疲労損傷について、そのメカニズムを考察する。
第10回 潤滑のメカニズム1:油を注すと何故摩擦や摩耗が減るのか、摩擦や摩耗が減るメカニズムの概略を考察する。
第11回 潤滑のメカニズム2:境界潤滑のメカニズムについて考察を深める。油性向上剤、極圧剤とその働きについて考察する。
第12回 潤滑のメカニズム3:流体潤滑のメカニズムについて流体力学的に考察し、その特徴を論じる。
第13回 潤滑油について:潤滑油の種類と特徴、各種添加剤とその働き、粘度測定法、粘度の温度・圧力依存性などを考察する。
第14回 油以外の潤滑剤:グリースの種類と特徴、固体潤滑剤の種類と特徴について考察する。
第15回 講義のまとめ、到達度の確認、講評授業時間外学習 / Expected work outside of class
教科書および配布プリントを十分予習することが望ましい。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験(筆記試験)の成績で評価する。
定期試験(筆記試験)(100%)基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
トライボロジーに対する基礎知識が身についているかどうか、つまり講義内容に対する理解度を評価する。
- 教科書
Textbooks 岡本・中山・佐藤 『トライボロジー入門 摩擦・摩耗・潤滑の基礎』 (幸書房)
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参考書
References 似内昭夫監修 『わかりやすい潤滑技術』 (日本プラントメンテナンス協会)
山本・兼田 『トライボロジー』 (理工学社)
日本トライボロジー学会 『トライボロジー辞典』 (養賢堂)
桜井俊男 『新版潤滑の物理化学』 (幸書房)
- フィードバックの方法
Feedback Method
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact
- 備考
Other Comments トライボロジーに関する諸問題を考察するためにはいろいろな知識が必要になる。化学は機械工学には必要ないと思っているかもしれないが、多少は勉強しておくことをすすめる。
オフィスアワー:取り扱いの詳細については授業時に追って指示します。