2025 年度の講義概要のデータベースを検索します。カリキュラムツリーへのリンク
学部・研究科
Faculty/Graduate School
時間割コード
Course Code
65154
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
応用化学実験2
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/4
担任者名
Instructor
曽川 洋光/梅田 塁/大洞 康嗣/坂口 聡
曜限
Day/Period
火3/月3/火4/月4/火5/月5
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

実験・実習・製図(対面型)

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

有機化学とその関連科目で学んだ化合物の性質や理論を実験を通して理解し、化学反応の実験的手法、および機器分析による化合物の構造解析法を習熟させる。まず実験に先立ち、実験中の事故防止と対処、薬品の取扱い、装置、器具の取扱い等の安全教育を行い、その後、抽出、再結晶などの基本操作を習得させる。引き続いて、種々の官能基の性質、官能基変換法、炭素-炭素結合形成等に関する実験を行い、それらの実験を通じて様々な実験法を習熟させると共に、それらの反応に関する理論の理解をさらに深める。またDesk  Workとして演習課題を併用して行い応用力の向上にも努める。

到達目標 / Course Objectives

①  知識・技能の観点
化学反応の実験的手法に関する事項を習得すること。
化合物の分子構造解析法に関する事項を習得すること。
実験装置、器具の取扱い等に関する事項を習得すること。
有機反応論に関する事項を理解すること。
②  思考力・判断力・表現力等の能力の観点
実験中の事故防止と対処、薬品の取扱いに関する事項を習得すること。
③  主体的な態度の観点
事前に綿密な計画のもと段取りを組んで、限られた時間内に実験作業を実行する習慣を身につけること。

授業手法 / Teaching Methods

・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり
・学生同士の意見交換(グループ・ペアワーク、ディスカッション、ディベート等含む)

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

1 安全教育
 実験中の事故防止と対処
 薬品の取扱い
 装置、器具の取扱い
2 実験項目
 2.1 基本操作
  2.1.1  抽出
  2.1.2  再結晶、融点測定
  2.1.3  減圧蒸留、GCを用いた分析
 2.2 官能基の性質と官能基変換法
  2.2.1  付加反応
   オレフィンのハロゲン化とその配向性、1H-NMRを用いた構造解析
   Diels-Alder反応
  2.2.2  脱離反応
   アルコールの脱水とその配向性、GCを用いた分析
  2.2.3  エステル化反応
   カルボン酸のエステル化、IRを用いた構造解析
  2.2.4  加水分解反応
   ニトリルの塩基性条件下での加水分解
  2.2.5  還元反応
   カルボニル基の還元、IRを用いた構造解析
 2.3 芳香族求電子置換反応
  ニトロ化反応とその配向性
  ジアゾニウム塩のカップリング反応
 2.4 炭素-炭素結合形成反応
  Grignard反応、1H-NMRを用いた構造解析
  Aldol縮合反応、IRを用いた構造解析
  Wittig反応
3 演習
 3.1  スペクトル解析による化合物の構造決定
  1H-NMR、13C-NMR、IR、MS
 3.2  分子模型による立体化学演習
  立体異性体(エナンチオマー、ジアステレオマー、幾何異性体、光学異性体、立体配座異性体)
 3.3  文献検索と英文和訳
  Check JOC

授業時間外学習 / Expected work outside of class

実験を行う前に、実験書を読み取って段取りを組んでおくこと。また、使用する試薬の物性や反応機構などについても事前に調べて、実験ノートに書き込んでおくこと。
実験後は、実験ノートを参考に考察も含めて整理ノートを作成すること。

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
出席点・口頭試問(70%)、整理ノート(30%)

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

①知識・技能、②理解力等の能力:有機化学とその関連科目で学んだ知識を実際の実験を通じて体験すると共に、有機化学の実験操作および機器分析法を修得することを目的としており、修得状況は実験後の口頭試問通じて評価する。
③事前準備力・思考力・判断力・表現力等の能力:実験を行うに当たっては、事前に十分に実験書を読み、段取り良く実験を行えるように準備しておくことが必要である。準備状況は実験項目ごとに設けた演習問題の回答状況、口頭試問時にチェックする実験ノートを通じて評価する。また、実験後に提出させる整理ノート(レポート)では単に実験操作、結果を記載するにとどまらず、論理的な考察の記載も併せて求めており、それらを通じて評価する。
④主体的な態度:全てのテーマを全て実施し、さらに決められた時間内に終了することは当然である。それらの実験態度(出席状況を含めて)を総合的に評価する。

教科書
Textbooks

関西大学化学生命工学部 化学・物質工学科  『Organic  Experiments  12th  Edition』  (関西大学出版部)  

初回のガイダンス時にプリントを配布するが、基本は上に示した教科書を元に実験を行い、配布プリントは参考資料として使用すること。特に、配布プリント中にある「考察事項・修得事項」をきちんと理解し、整理ノートには、その理解についても丁寧に記述すること。また、火災の原因になるため、特にマントルヒーターやスライダックなどの器具は、使用する意味(なんのために使用しているのか、使用するときに注意点など)を考えて使用すること。

参考書
References

『Organic  Synthesis  』  (John  Wiley  &  Sons  Inc.)  
小川雅弥他  『化学レポートと論文の書き方』  (化学同人)  
小川雅弥他  『機器分析のてびき 1』  (化学同人)  
小川雅弥他  『機器分析のてびき 2』  (化学同人)  
小川雅弥他  『機器分析のてびき 3』  (化学同人)  
小川雅弥他  『機器分析のてびき データ集』  (化学同人)  
大船他訳  『ブルース有機化学 第7版(上)』  (化学同人)  
大船他訳  『ブルース有機化学 第7版(下)』  (化学同人)  
西山、柳他  化学系のための安全工学  (化学同人)  
化学同人編集部  『安全を安全に行うために』  (化学同人)  

フィードバックの方法
Feedback Method

実験終了時に、実験ノートをもとに実施した実験内容を理解しているかチェック(口頭試問)を行うことにより評価し、改善点を伝える。

担任者への問合せ方法
Instructor Contact

オフィスアワーについて:毎回の授業終了時に、実験場にて受付を行いますので、各自で申し出てください。

備考
Other Comments

1 実験室では保護メガネと実験着を着用する事を必須条件とする。
2 病気などで止むを得ず欠席した時は速やかに担当者に申し出て指示を受けること。
3 取扱いによっては危険な薬品があるので、実験前に使用する薬品の性質を十分に調べるとともに、当該テーマについて予習すること。