- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 化
- 時間割コード
Course Code - 65119
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - 技術者倫理
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 春/2
- 1
- 担任者名
Instructor - 池田 勝彦
- 曜限
Day/Period - 火2
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
講義(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
マテリアル科学を専門とする技術者となるためには数学、物理学、化学などの「自然科学系基礎科目」と「マテリアル科学にかかわる専門科目」を修得せねばなりません。しかしながら、技術者は医師や弁護士と同じように専門職(Professional)であり、他の人達がもたない専門能力を行使して社会や自然環境に影響を及ぼしうることを考えますと、これら理工系科目を修得するだけでは社会的責任は果たせないことが理解できると思います。「安全性を確保しつつ『危険』を『価値』に変える知恵」が「技術」の重要な側面であると考えと、技術者は危険を調教する専門家であるとも言える。その調教師が「まあいいか」という安易な気持ちで「危険」に取り組むと、どういう結果を招くことになうでしょうか。「まあいいか」という安易な気持ちを戒めるために「技術者倫理」を学ぶと言ってもよいですし、「技術と社会・自然環境のかかわりと、技術者の責任を理解」するのが技術者倫理であると言ってもよいでしょう。
倫理的諸課題では、数学や物理学のように正解が一つしかないということがまれであり、正解であるように思われるものが、視点を変えると不正解であるように見えることすらあります。我々が社会で日常的に遭遇する問題はむしろこのように曖昧なものであり、そのような性格をもつ倫理的諸課題に対処するために必要なのは「多くの視点から事象を観察・分析する能力」です。
以上の点を踏まえて、受講生がグループ討論を行い、討論の結果を発表することによって、さまざまな視点から事象を観察・分析する能力を養う必要があります。本科目を修得することによって、
① 社会・自然環境に対する技術者の責任を自覚するようになり、
② 責任を自覚した技術者として倫理的課題に取り組む姿勢が身に付き、
③ さらには、マテリアル科学にかかわる専門科目を学ぶ過程で、とくに材料技術者としてマテリアルと関わる場面でどのような倫理的課題が発生しうるかを予測できる。
④また、考え方の異なる技術者と議論し、情報の共有化とともに合意形成を積極的に行う基礎的能力を養うことができる。
ようになるはずである考えております。到達目標 / Course Objectives
(知識・技能)
① 倫理および技術者倫理の知識を理解することで社会・自然環境に対する技術者の責任を自覚する。
② 責任を自覚した技術者として倫理的課題に取り組む姿勢が身に付く。
(思考力・判断力・表現力等の能力)
③ さらには、マテリアル科学にかかわる専門科目を学ぶ過程で、とくに材料技術者としてマテリアルと関わる場面でどのような倫理的課題が発生しうるかを予測できる。
(主体的な態度)
④また、考え方の異なる技術者と議論し、情報の共有化とともに合意形成を積極的に行う基礎的能力を養う。授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生同士の意見交換(グループ・ペアワーク、ディスカッション、ディベート等含む)
・プレゼンテーション(スピーチ、模擬授業等含む)
・課題探究(プロジェクト学習、課題解決型学習、ケーススタディ等含む)
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
第1週: ガイダンス
担当者を紹介し、講義の進め方を説明します。マテリアル科学コースが目指す教育の中での材料技術者倫理の位置づけと意義について説明します。
第2週: 法と技術者倫理
工業技術に関連する「法律」と、学協会の「倫理規定」について解説し、法と倫理の違い、これらがもつ意義と関係について説明します。
第3週: 事例1「スペースシャトルチャレンジャー号の事故」(内部告発)
「チャレンジャー号の事故」について説明し、レポートを課します。
第4週: 事例2「ソーラーブラインド」(内部告発)
「ソーラーブラインド」について説明し、レポートを課します。
第5週: 事例3「フォード・ピント事件」(命の値段)
「フォード・ピント事件」について説明し、レポートを課します。
第6週: 事例4「シテイーコープビル」(技術者倫理の重要性)
「シテイーコープ・ビル」について説明し、レポートを課します。
第7週: 「製造物責任法(Product Liability Law)」
日本と海外における「製造物責任法」、「民法」を比較し、解説し、レポートを課します。
第8・9週:グループでの課題検討(1・2)
事例1、事例2および事例3に関連したテーマを取り上げ、グループで議論してください。グループで検討・話し合いし、合意形成に努めてください。
第10週:グループでの課題検討(3)
グループ課題検討で合意形成できた内容、そうでなかった内容について発表のための原稿にまとめ、その内容についてグループ内で発表練習を行い、発表内容についてグループ内で情報の共有化を行っていただきます。
第11週:グループ課題検討(4)
各グループの纏めていただいた内容について発表していただき、意見交換ができればと思っております。
第12週: リスク管理
リスク管理について、技術者の立場からの説明を行います(情報管理の含む)。
第13週: 研究者のための倫理
将来の研究者のための「研究倫理」について説明します。
第14週: 「ハラスメント」について
倫理の立場からキャンパス内で起こりうる「ハラスメント」について考えてみたいと思います。
第15週: 総括
「材料技術者倫理」について総括する。授業時間外学習 / Expected work outside of class
グループ課題検討のために、講義に内容についてまとめておくこと。
講義に関する内容について、事前に教科書の関連部分を読んでおいてください。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
事例等に関するレポート(70%)、グループ討論・発表(30%)として評価します。
グループ討論・発表については、討論に際して個々人が作成したメモ、グループでの発表内容等に基づいて評価します。基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
評価基準としては、到達目標の(知識・技能)、②、(思考力・判断力・表現力等の能力)③および(主体的な態度)④についての基礎的知識とその基礎的運用能力とします。
- 教科書
Textbooks 藤本温編、川下智幸、下野次男、南部幸久、福田孝之共著 『「技術者倫理の世界』」第3版 (森北出版)
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参考書
References 齋藤了文、坂下浩司 『「はじめての工学倫理』」 (昭和堂)
杉本泰治、高城重厚 『「大学講義 技術者の倫理 入門」』第5版 (丸善)
中村収三、(社)近畿化学協会、工学倫理研究会 『技術者による実践的工学倫理 先人の知識と戦いから学ぶ』第2版 (化学同人)
R. Schinzinger and M. W. Martin、西原英晃 『「工学倫理入門』」 (丸善)
北原義典 『はじめての技術者倫理 未来を担う技術者・研究者のために』 講談社
鬼頭葉子 『技術の倫理 技術を通して社会がみえる』 ナカニシヤ出版
他に多数の教科書レベルの本が出版されています。
また、事例等についてはSNSなどで視聴できます。
- フィードバックの方法
Feedback Method 提出されたレポートでグループ討論で必要であると思われるレポートは返却します。
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact 関大LMSのメッセージで送ってください。
よろしくお願いいたします。
- 備考
Other Comments 学習教育目標:A
関連科目: 人間・文化分野科目、社会・経済分野科目、フレッシュマン・ゼミナール、オリエンテーション・ゼミナール、社会環境適応材料、特別研究1・2
オフィス・アワー;関大LMSのメッセージ でご連絡ください。
関大LMSのメッセージでご連絡する場合が多いので、必ずチェックをしてください。
Covid-19などの法定感染症の状況によっては、遠隔講義や動画による講義等で実施する場合があります。