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学部・研究科
Faculty/Graduate School
時間割コード
Course Code
65352
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
化学概論
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
1
担任者名
Instructor
幸塚 広光
曜限
Day/Period
水1
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

<秋>
講義(対面型)

言語 / Language

<秋>
日本語(Japanese)


授業概要 / Course Description

<秋>
 物質は、温度と圧力を選ぶことによって、気体、液体、固体のいずれかの状態で存在することになる。固体状態にある物質であって、その固体物質が何らかの形で人の役に立つとき、私たちは材料(マテリアル)とよぶ。自動車、テレビやパソコンなどの情報機器、燃料電池や太陽電池などのエネルギー技術のいずれをとっても、それを形作っているのは個性ある優れた性質をもつ固体物質である。したがって、これらの先端技術を物質についての専門知識・専門能力の点で切り拓いていくためには、固体物質についての専門知識とその基礎となる学問を修める必要がある。
 1個の分子中での原子配列は分子構造とよばれる。分子中での原子間の化学結合は基本的に共有結合であり、分子がもつ性質は、分子を構成する原子の性質と分子構造によってほぼ決まるといえる。これに対し、固体物質の構造は複雑であり、化学結合の種類も多い。構造や化学結合の多様性と複雑さによって固体物質の性質も多様なものとなるが、このことが、私たちの役に立つ面白い様々な性質が固体物質に現れる原因にもなっている。本講義では、固体物質における化学結合の種類、化学結合が性質に及ぼす影響、構造の種類と把握の仕方、構造が性質に及ぼす影響を基礎的に学習する。
 また、気体や液体、あるいは1個の分子ではあまり問題にする必要のない性質が、固体物質にはたくさんある。硬いか柔らかいか、温度を上げるとよく膨張するかしないか、電気が流れるか流れないか、光をよく透すか透さないかなどの性質は、固体物質を役立つものとして使う場合にとくに重要となるものである。そして、これらの性質はいずれも物理量によって表され、物理量は必ず単位をもつ。単位を理解することによって物理量がもつ意味も明確になるので、本講義では物理量の単位についての理解も深める。

到達目標 / Course Objectives

<秋>
 本科目を修得することにより、固体物質を化学結合と構造の視点で把握し、性質を物理量という視点で正確にとらえ、固体物質の性質を化学結合と構造から説明するためのセンスをもつことができるようになる。

授業手法 / Teaching Methods

・学生による学習のふりかえり

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

<秋>
【第1章  物理量のSI単位】 物理量と単位。SI単位。基本単位と誘導単位。SI単位の接頭辞 (第1〜2週)
【第2章 固体中での原子の並び方】 物質の三態。結晶と非晶質。結晶中での原子配列。固体の組織・微細構造。結晶の密度。2元系状態図 (第3〜5週)
【第3章 固体中の化学結合】 化学結合とバネの類似性。化学結合の種類と結晶の分類。化学結合の強さ。ダイヤモンドとグラファイト (第6〜7週)
【第4章 熱と固体】 原子の振動。固体の融解。固体の融点 (第8〜9週)
【第5章 力と固体】 可逆的な変形と非可逆的な変形。応力とひずみ。弾性変形における応力とひずみの関係。化学結合とヤング率の関係 (第10〜11週)
【第6章 電気と固体】 電気にかかわる物理量。さまざまな固体物質の電気伝導性。金属,半導体,絶縁体。イオン伝導体。比抵抗・電気伝導度の温度依存性 (第12〜14週)
【到達度の確認と解説】(第15週)

授業時間外学習 / Expected work outside of class

<秋>
 講義で学習した範囲内にあるテキストの例題や章末問題を、当該講義日に全て解答することが強く望まれる。

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

<秋>
定期試験を行わず、到達度の確認(筆記による学力確認)と平常成績で総合評価する。
 小テスト10点、到達度確認90点で成績を評価する。小テストは採点後に返却し、解説する。
 正当でない理由で4回以上欠席した者は、欠席回数に応じて大幅に減点する。
 履修者数が多数になった場合には、成績評価方法を「定期試験(16週目)」に変更することがある。成績評価方法が変更になった場合は、インフォメーションシステム等で連絡する。履修者数が多数になった場合には、成績評価方法を「定期試験(16週目)」に変更することがあります。
成績評価方法が変更になった場合は、インフォメーションシステム等で連絡します。

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

<秋>
講義と演習を通じて学んだ内容の理解に関する到達度を評価する。

教科書
Textbooks

<秋>
幸塚広光  『固体物質科学の基礎』  関西大学化学生命工学部化学・物質工学科  

備 考 / Note=====================================
<秋>

参考書
References

<秋>
P.W.  Atkins著,千原・中村訳  『アトキンス物理化学  第6版 上・下』  (東京化学同人)  
化学教科書研究会編  『基礎化学』  (化学同人)  
田中勝久著  『固体化学』  (東京化学同人)  
ジョン・ウルフ編,永宮健夫監訳  『材料科学入門Ⅰ〜Ⅳ』  (岩波書店)  
A.R.  ウェスト著  『ウェスト固体化学入門』  (講談社サイエンティフィク)  
足立吟也編著  『固体化学の基礎と無機材料』  (丸善)  
Richard  J.D.  Tilley著,滝澤博胤  、田中勝久、大友明、貝沼亮介訳        『固体材料の科学』  (東京化学同人)  

備 考 / Note=====================================
<秋>

フィードバックの方法
Feedback Method

<秋>
講義終了後または関大LMSにて各講師が質問に対応する。

担任者への問合せ方法
Instructor Contact

<秋>
【オフィスアワーについて】 電子メールによって日時を事前に打ち合わせた上で担当教員と面談すること。
幸塚:  kozuka@kansai-u.ac.jp 
春名:  haruna@kansai-u.ac.jp 
星山:  hosiyama@kansai-u.ac.jp

備考
Other Comments

<秋>
 マテリアル科学コース(JABEE認定プログラム)での本科目の学習・教育目標はB。
 同コースで、本科目の基礎となる科目は「数学を学ぶ(関数と微分積分の基礎Ⅰ)」「数学を学ぶ(関数と微分積分の基礎Ⅱ)」「物理を学ぶ(演習含)(基礎物理学Ⅰ)」「基礎化学Ⅱ」。
 同コースで、本科目を基礎とする科目は「固体の物理的性質」「結晶構造とX線回折」「速度論と物質移動」「材料の強さと変形(演習含)」「状態図と材料組織」。