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学部・研究科
Faculty/Graduate School
時間割コード
Course Code
65206
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
統計的品質管理
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
1
担任者名
Instructor
酒本 昌子
曜限
Day/Period
水2
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

講義(対面型)

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

「実験データがバラついたとき、どう判断すべきか?」——。現代の化学・物質工学の現場では、経験や勘だけでなく、データに基づいた客観的かつ誠実な判断が不可欠である。近年、様々な業種で品質管理に関する報道が絶えないことからも分かる通り、顧客の要求に合った製品やサービスを適正な価格で提供する「品質管理」は、社会貢献の要としてあらゆる組織で重視されている。

本講義では、理系学生やエンジニアにとって必須の「武器」となる統計的品質管理(SQC)の技法を体系的に学ぶ。前半は記述統計を中心に、データの可視化や相関・回帰分析を習得し、中間試験で基礎を固める。後半は、正規分布や二項分布といった確率モデルを土台に、製品の品質を定量化する「工程能力指数」や、プロセスの異常を検知する「管理図」、さらには「実験計画法」や「統計的推定」の基礎までを網羅する。

品質管理は組織の全員参加が基本であり、職場の問題を自律的に解決できる能力は、将来のキャリアにおいて強力な強みとなる。理論と具体的な工学実例を往復しながら、実務で使える統計学を習得してほしい。ここでの学びを、高度な専門研究やエンジニアとしての飛躍に繋げていく。

到達目標 / Course Objectives

①  知識・技能の観点
・平均・分散・標準偏差などの統計量を単なる計算式としてではなく「データの顔」として理解し、実験データの特性をプロフェッショナルな視点で適切に要約・可視化できる。
・相関・回帰分析を使いこなし、複雑な化学反応や材料特性に影響を与える「真の原因」をデータから特定できる。
・工程能力指数や管理図の仕組みを習得し、工場の製造プロセスが「実力を発揮できているか」「異常が起きていないか」を科学的な指標で判定できる。

②  思考力・判断力・表現力等の能力の観点
・データのバラツキの背後にある「偶然」と「異常」を論理的に見極め、次のアクション(実験のやり直しや設備の調整など)を的確に判断できる。
・一部のサンプル(標本)から全体(母集団)の状態を読み解く「統計的推定」を駆使し、不良率や製品の品質を根拠を持って推測できる。
・適切な統計指標を根拠に、実験結果の妥当性や改善案を「説得力を持って」説明できる。

③  主体的な態度の観点
・統計学を化学エンジニアの「共通言語」と捉え、高品質なものづくりや安全確保に対して、誠実かつ能動的に向き合うプロフェッショナルな姿勢を持つ。
・近年注目のマテリアルズ・インフォマティクス(MI)や製造DXの基礎となる「データサイエンスの思考法」を、卒業研究や将来のキャリアで積極的に応用しようとする高い意欲を持つ。

授業手法 / Teaching Methods

・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

第1回:統計学と品質管理とは (9/30)
履修の意義を問う。統計リテラシー、学問としての「統計学」の歩みと歴史、現代社会における統計的品質管理(SQC)の重要性を学ぶ。
第2回:母集団・標本とPPDACサイクル (10/7)
統計的思考の枠組みであるPPDACサイクルを理解する。全数調査と標本調査の違い、母集団とサンプルの概念を習得する。
第3回:代表値と品質指標 (10/14)
平均・中央値の意味を深く理解する。製造ロットの合併による数値の変化や、合成変数の扱いといった実務的な計算手法を習得する。
第4回:データの整理と可視化 (10/21)
ヒストグラムやパレート図など、QC七つ道具を学ぶ。層別分析を用いて、複雑なデータから要因を視覚的に特定する技法を習得する。
第5回:バラツキの定量化と標準化 (10/28)
分散、標準偏差を扱い、データの「バラツキ」を数値化する。標準化により、異なる指標間の精度を客観的に評価する。
第6回:2次元データの相関と疑似相関 (11/11)
散布図や分割表を用いた連関の把握。相関係数と偏相関を学び、データに潜む「見せかけの相関(疑似相関)」を見抜く力を養う。
【オンデマンド】:品質改善の実践
(授業ガイダンス及び授業動画70分、学習課題20分)

これまでに学んだ統計手法を統合し、工学的な課題解決に取り組む。要因分析、工程能力の評価、相関・回帰分析を自ら実施する。客観的根拠に基づく「品質報告書」の作成を通じ、実務で通用する判断力を養う。
※最終回の1/20までに確認し、レポートを提出のこと。
(オンデマンドレポート締め切り1/20)
第7回:中間試験 (11/18)
第1回〜第6回(記述統計・要因分析の基礎)の内容について、理解度を確認する筆記試験を行う。
第8回:回帰分析と品質予測 (11/25)
単回帰分析を用い、要因(原因系)から品質(結果系)を予測する。数理モデルを用いた問題解決の基礎を習得する。
第9回:不確実性のモデル化と確率理論 (12/2)
条件付き確率やベイズの定理を学ぶ。検査結果から真の不良率を導き出すなど、不確実な事象を論理的に捉える思考法を理解する。
第10回:確率分布の基礎と特性量 (12/9)
期待値と分散の性質を学び、不規則なデータを「確率モデル」として捉える。二項分布や正規分布の特性を理解し、正規分布における6σの考え方など、品質評価の基準となる数理的土台を習得する。
第11回:工程能力指数 (12/16)
プロセスの実力評価工程能力指数(Cp値、Cpk値)の算出と解釈を行う。製造プロセスが規格に対してどの程度の余裕を持っているかを定量化する。
第12回:統計的推定と検定 (12/23)
サンプルの情報から母集団の性質を推測する。科学的根拠に基づいた仮説検定のプロセスを習得する。
第13回:管理図と実験計画法(実践編) (1/13)
管理図によるプロセスの監視、および実験計画法の基礎を学ぶ。最新の材料開発(MI)への応用など、実践的な武器としての活用法を理解する。
第14回:期末試験 (1/20)
第8回〜第13回の範囲(確率分布・統計的推論・品質管理の実践)を中心とした総合問題により、全期間の到達度を確認する筆記試験を行う。

オンデマンド配信授業回
上記授業計画の中でオンデマンド配信授業は1回90分です。

授業時間外学習 / Expected work outside of class

・授業資料、教科書、ノートを読み返し、授業内容の理解に努めるよう復習をすること。
・講義で十分に理解できなかった課題に関して、次の授業までに解けるように復習しておくこと。

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。
中間試験(30%)
期末試験(30%)
授業内ミニテスト(10%)
レポート(20%)
毎回の「振り返り」と最終総括(10%)

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

①  知識・技能の観点
中間試験(30%):第1回〜第6回の範囲(記述統計・要因分析)の用語定義および算出問題。
期末試験(30%):第8回〜第13回の範囲(確率分布・統計的推論・品質管理の実践)を中心とした総合問題。
授業内ミニテスト(10%):各単元の基礎スキルの定着度を確認する。

②  思考力・判断力・表現力等の能力の観点
レポート(20%):与えられたデータを用い論理的に論述できているかを確認する。

③  主体的な態度の観点
毎回の「振り返り」と最終総括(10%):学習内容を自身の専門領域へ応用しようとする考察の深さを評価する。

教科書
Textbooks

竹士  伊知郎  品質管理のための統計的方法  日科技連出版社  978-4-8171-9796-2

必要に応じてプリントを配布する。
教科書は上記とするが、扱う内容は標準的なので、自身で使いやすいと思う教科書を一冊用意しておくと授業の見返しに便利だと思われる。

参考書
References

白旗  慎吾  統計解析入門  共立出版  978-4-3200-1454-1
石村  園子  やさしく学べる統計学  共立出版  978-4-3200-1808-2
広田  すみれ  読む統計学  使う統計学(第2版)  慶應義塾大学出版会  978-4-7664-2036-4
竹士  伊知郎  学びたい  知っておきたい  統計的方法:  まずは  はじめの一歩から  日科技連出版社  978-4-8171-9648-4

副読本として以下も掲げておく。
川野  常夫(2012),品質管理のための統計学  ~生きた実例で理解する~  (現場の統計学).  技術評論社.
鐵  健司(2012),品質管理のための統計的方法入門.  日科技連出版社.
小寺  平治(2012),  はじめての統計15講.  講談社.
C.  R.  ラオ(2010),  統計学とは何か―偶然を生かす.  藤越他(訳).筑摩書房.
サルツブルグ(2006),統計学を拓いた異才たち.  竹内・熊谷  (訳)  日本経済新聞社.

フィードバックの方法
Feedback Method

講義時間内に質問などに対応します。
また、LMSにより資料を配布します。

担任者への問合せ方法
Instructor Contact

毎回の授業終了時等に受付を行いますので、各自申し出て下さい。
授業時間外は関大LMSで問い合わせて下さい。

備考
Other Comments

マテリアル科学コース(JABEE認定プログラム)での本科目の学習・教育到達目標:D,F

【オンデマンド配信授業回に関する情報】
①配信元:関大LMS
②配信時期
 オンデマンド配信授業(1):第6回授業終了から1月20日まで
③質問等の対応方法:質問は対面授業時または関大LMSのメッセージで受け付けます。