- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 化
- 時間割コード
Course Code - 65175
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - 分光物理化学
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 春/2
- 1
- 担任者名
Instructor - 川崎 英也
- 曜限
Day/Period - 火3
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
講義(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
分けた光を使って,原子,分子,分子の集合体,物質などの性質や構造を調べる学問である”分子分光学”の基礎について学ぶ。分子分光学は,分子による電磁波の吸収と放出を取り扱う学問分野である。これらの情報を定量的に解析することによって,電磁波と相互作用する分子の形(構造),分子の運動,分子の環境,及び電子の配列(電子状態)などを詳細に知ることができる。そのため、分子分光学は分子の構造と性質を調べる上で強力な研究手段となる。本講義では,電磁波と分子との相互作用によって観測されるスペクトルの理論的基礎を中心に説明する。そして,得られたスペクトルをどのように解釈するのかについて概説する。この授業を通じて,分子と電磁波との相互作用によって観測される様々なスペクトルの物理化学的な基本原理について学ぶことができる。
到達目標 / Course Objectives
① 知識・技能の観点
分光法の基礎、回転スペクトル、赤外吸収スペクトル、紫外可視吸収スペクトル、蛍光スペクトルや核磁気共鳴法の測定原理を理解する。
② 思考力・判断力・表現力等の能力の観点
回転スペクトル、赤外吸収スペクトル、紫外可視吸収スペクトル、蛍光スペクトルや核磁気共鳴法により、分子の光学的特性や分子構造の情報を得ることができる。
③ 主体的な態度の観点
自らの学習を振り返り、適切な改善点を挙げることができる。授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
1〜3週
【分子分光学の基礎 】
分子によって吸収あるいは放出される電磁波の振動数(波長)とその量(強度)の関係を表すあるスペクトルの基礎について学ぶ.
i). 光の種類と性質,ボーアの振動条件, 光の吸収と吸収スペクトル
ii). スペクトル線の強度,ランベルトーベールの法則,実験技術
iii). 光の誘導吸収・誘導放出・自然放出,選択律と遷移モーメント
4〜6週
【マイクロ波の吸収:回転スペクトル 】
分子の回転運動との相互作用であるマイクロ波の吸収と分子の回転状態について解説する. マイクロ波分光測定より得られる情報(分子の回転のエネルギー状態,慣性モーメント,分子構造,等々)について講義する.
i). 剛体回転子の慣性モーメント,回転エネルギー準位(回転定数,回転項),
ii).回転スペクトル(回転選択律,回転スペクトルの形, 回転スペクトルと分子の結合長)
7〜9週
【赤外線の吸収:振動回転スペクトル 】
赤外線吸収の基本原理,分子振動と分子構造の関係等について講義する.
i). 二原子分子の振動,二原子分子の振動のエネルギー準位,非調和性
ii). 選択律(赤外活性,基本遷移),二原子分子の振動回転スペクトルの形
iii). 多原子分子の振動,特性振動数,スペクトルの様相と分子構造
10〜13週
【可視紫外吸収と発光(蛍光・燐光)】
分子の電子・振動・回転状態のエネルギー準位とそれぞれの関係を理解し,分子の電子励起・緩和過程やその機構を講義する.
i) 分子の電子・振動・回転状態のエネルギー準位,フランク-コンドンの原理,垂直遷移
ii). 電子遷移の種類:d-d遷移,振電遷移,電荷移動遷移,π*←πおよびπ*←n 遷移
iii). 電子励起状態がたどる道 :蛍光とりん光
14〜15週
【核磁気共鳴】
核スピンのエネルギー状態や核磁気共鳴の基本原理を説明できる.
i)核スピン,外部磁場による核スピンエネルギーの分裂とラーモア周波数
ii) NMRスペクトル
授業時間外学習 / Expected work outside of class
・シラバスで指定している教科書や参考書の範囲を読み、内容を把握するように予習すること。
・次回の授業範囲における専門用語の意味等を理解しておくように予習すること。
・授業資料、教科書、ノートを読み返し、授業内容の理解に努めるよう復習をすること。
・授業資料、教科書を、ノートを読み返し、理解が不十分な箇所に関しては各自参考書を調べるなどして復習をすること。
・講義の単元毎に演習を行うので、演習内容の理解に努め復習すること。
・講義で十分に理解できなかった課題に関して、次の授業までに解けるように復習しておくこと
・必要に応じて図書館やコモンズを活用して、学習を進めること。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。
定期試験(70%)、平常成績(30%)
基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
1)知識・技能の観点
レポート課題と総合確認テスト
2)思考力・判断力・表現力等の能力の観点
レポート課題と総合確認テスト
3)主体的な態度の観点
・レポート課題の提出と内容
- 教科書
Textbooks P.W.Atkins 「 アトキンス物理化学 第10版・下」 (東京化学同人) 978-4-8079-0909-4
-
参考書
References P.W.Atkins他 「アトキンス 物理化学問題の解き方 (学生版) (第10版) 英語版」 東京化学同人 9784807909100
- フィードバックの方法
Feedback Method 講義終了後あるいは関大LMSにより対応する。
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact メールにて随時受け付けを行います。
hkawa@kansai-u.ac.jp
- 備考
Other Comments 関数電卓を用意すること。