2025 年度の講義概要のデータベースを検索します。カリキュラムツリーへのリンク
学部・研究科
Faculty/Graduate School
時間割コード
Course Code
65114
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
結晶構造とX線回折
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
担任者名
Instructor
竹下 博之
曜限
Day/Period
月5
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

講義(対面型)

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

 ほとんどの固体物質は、その構成原子が広い範囲にわたって周期的に規則正しく並ぶ、いわゆる「結晶」である。その「結晶構造」、すなわち構成原子がどのような規則性により三次元的に配列されているかは、X線、電子線、中性子線などが持つ「波」としての性質に基づく「回折」現象を利用して知ることができる。
 固体物質の性質(例えば力学的性質など)は結晶構造によって大いに影響を受ける。また実用材料において、組織はその性能に重要な影響を及ぼすが、その組織を構成する相は固有の結晶構造を持っている。それゆえX線回折、電子線回折等の分析手法を用いた結晶構造の決定や構成相の同定が広く行われている。一方、X線や電子線は人体に有害な電離放射線の一種であり、その利用は法規によって規制されている。従って、電離放射線の知識と理解、その安全な取り扱い、そしてこれらの分析手法の基礎となる回折や結晶に関する学問的知識を習得することが材料技術者に求められる。

到達目標 / Course Objectives

1)電離放射線の安全な取り扱いに関する基礎知識を得る
2)X線回折に関する基礎知識を得る
3)知識を応用して固体物質の基本的な結晶構造を決定・区別できるようになる
4)格子方向や結晶面を理解、表示できるようになる(これは金属材料の塑性変形において重要なすべり面やすべり方向を理解する上で必要である。)

授業手法 / Teaching Methods

・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

第一部 結晶構造
1.結晶の幾何学(第1〜4週)
 結晶を構成する原子が対称性、周期性を持って並んでいること、その性質を利用して原点からの3本のベクトルで表現した単位格子で表記できること、ブラベー格子や結晶系、代表的な結晶構造について説明する。
2.結晶面及び方位の記述法(第5〜7週)
 結晶面や方位を記述するのに必要なミラー指数について説明する。また、三次元に分布している結晶面や方位の関係を平面上に表現するのに便利なステレオ投影について説明する。

第二部 X線回折
3.X線の基本的な性質(第9〜10週)
 X線、電子線などの電離放射線の持つ性質、被曝による人体への影響、電離放射線の安全な取り扱いについて概説する。
4.原子および結晶による回折(第11〜14週)
 回折現象とブラッグの法則、消滅則と構造因子について概説し、代表的な結晶構造の決定方法について説明する。

第8週と第15週には、それぞれ第一部と第二部の内容の確認と理解を深めるため、演習を実施する。

授業時間外学習 / Expected work outside of class

1.三角関数やベクトル(外積を含む)に関する高校レベルの知識を必要とするので予め復習し、理解しておくこと。
2.関数電卓を必要とするので、その使い方に熟練しておくこと。
3.ミラー指数を用いた結晶面や方位の記述法など、「ルール」に関する内容を少なからず含んでいるが、これらは実際に反復して使わないとなかなか身につかない。宿題等、指示された課題をこなすだけでなく、教科書巻末の演習問題に取り組む等、自主的に取り組むことが望ましい。

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。
定期試験(筆記)の成績(50%)と平常成績(50%)で総合評価する。平常成績は、演習、宿題などにより評価される。正当な理由の無い欠席、遅刻、早退は大幅な減点とする。

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

講義内容に対する理解度と、到達目標達成への平常の取り組みぐあいを成績評価の基準とする。

教科書
Textbooks

早稲田嘉夫、松原英一郎  『X線構造解析』  (内田老鶴圃)  

参考書
References

松村源太郎 訳  『新版カリティX線回折要論』  (アグネ)  
日本金属学会 編  『回折結晶学』  (丸善)  

フィードバックの方法
Feedback Method

講義終了後または関大LMSにて質問に対応する。

担任者への問合せ方法
Instructor Contact

オフィスアワー; 随時。
         不在の場合はメールで連絡してください。
         なお、迷惑メールとの区別のためタイトルに氏名・学籍番号を明記してください。
         メールアドレス    h-take@kansai-u.ac.jp
関大LMSのメッセージ機能を用いて問い合わせしてもかまいません。ただし上記の注意点を守ってください。

備考
Other Comments

 毎回出席して授業に集中し、ノートをとるとともに、できるだけ多くの演習問題をこなすことが必要である。疑問点は放置せず速やかに質問されたい。
 本科目の学習・教育目標はC,  A,  B。
 本科目の基礎となる科目は、数学を学ぶ(関数と微分積分の基礎1)、数学を学ぶ(関数と微分積分の基礎2)、線形代数、物理を学ぶ(演習含)(基礎物理学)、物理化学Ⅲである。 本科目を基礎とする科目は、格子欠陥と塑性変形、相変態と組織制御、材料機器分析、金属材料、セラミック材料化学、マテリアル工学実験Ⅰ・Ⅱである。
 本科目を補完する演習科目は、マテリアル科学演習Ⅰ・Ⅱである。