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学部・研究科
Faculty/Graduate School
時間割コード
Course Code
65113
科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle
固体の物理的性質
授業形態/単位
Term/Credits
クラス
Class
/2
担任者名
Instructor
幸塚 広光/内山 弘章
曜限
Day/Period
火4
授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives

授業種別 / Teaching Types

講義(対面型)

言語 / Language

日本語(Japanese)

授業概要 / Course Description

 「マテリアル」とは「役に立つ固体物質」のことである。役に立つのは固体物質がもつ「性質」である。「役に立つ性質」はしばしば「機能」とよばれる。したがって、マテリアルとは「機能をもつ固体物質」であるともいえる。固体物質をマテリアルとして活用するためには、固体物質の性質を科学的に理解しておく必要がある。固体物質の性質を工学的に役立てるのは、そのあとの仕事であるとさえいえる。
 加熱したときの膨張のしやすさや熱の伝わりやすさ、電圧を加えたときの電流の流れやすさ、光の通りやすさなどは、それぞれ熱膨張率、熱伝導率、電気伝導率、透過率という物理量で表される。これらの物理量の定義は複雑なものでなく、ごく単純なものであるので恐れるには足りない。しかし、簡単な定義に基づくこれら物理量をしっかりと理解しておかなければ、工学的知識を駆使して新しいマテリアルを開発するための第一歩を踏み出すことはできない。これらの物理量の大きさの違いによって様々な固体物質の性質の違いを定量的に記述することができるわけだが、単に性質の違いを記述するだけでなく、なぜそのような違いが生じるかを物質科学に根ざして理解しておくことも、工学的に必要であるだけでなく科学的に興味深い。
 本講義では、どのような固体物質にも備わっている熱的性質、力学的性質、電気的性質、光学的性質を取り上げ、それらの性質を定量的に表すための物理量を学ぶとともに、固体物質の種類によってそれら性質に違いが現れる理由について学習する。

到達目標 / Course Objectives

本科目を修得することによって、固体物質の性質をどのようにして定量的に表現することができ、さらには、固体物質の種類によってなぜそれら性質が異なるかについて説明することができるようになる。

授業手法 / Teaching Methods

・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり
・課題探究(プロジェクト学習、課題解決型学習、ケーススタディ等含む)

授業計画
Course Content

授業計画 / Course Content

【第1章 化学結合と物質の構造】(第1週) 

【第2章 熱的性質(その1):熱膨張】 (第1〜2週) 
(1)  熱膨張率 
(2)  熱膨張のメカニズム 
(3)  さまざまな固体物質の熱膨張率 

【第3章 熱的性質(その2):熱伝導】 (第3〜4週) 
(1)  熱伝導率 
(2)  熱伝導のメカニズム 
(3)  さまざまな固体物質の熱伝導率 

【第4章 力学的性質】 (第5〜6週) 
(1)  応力-ひずみ曲線 
(2)  弾性率 
(3)  弾性変形と塑性変形のメカニズム 
(4)  さまざまな固体物質の力学的性質 

【第5章 電気的性質】 (第7〜10週) 
(1)  電気抵抗率と電気伝導率 
(2)  バンド構造と電子伝導 
(3)  イオン伝導
(4)  絶縁体(誘電体)

【第6章 光学的性質】(第10〜14週)
(1)  光の性質
(2)  固体による光の吸収・発光
(3)  固体による光の反射・屈折
(4)  固体の光学的性質の測定・評価

【到達度確認と解説】 (第15週)

授業時間外学習 / Expected work outside of class

講義中に提示される例題や問いを確実に解答できることが、講義内容が理解できたことの証となる。講義が行われたその日のうちに、全ての例題・問いが解答できることを確かめておくことが強く望まれる。

成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria

方法 / Grading Policies

定期試験を行わず、到達度の確認(筆記による学力確認)と平常成績で総合評価する。
2回の小テスト(計16点)と筆記による学力確認(84点)により評価する。小テストについては、成績をフィードバックし、授業中に解説を行う。なお、正当でない理由で4回以上欠席した者は、欠席回数に応じて大幅に減点する。履修者数が多数になった場合には、成績評価方法を「定期試験(16週目)」に変更することがあります。
成績評価方法が変更になった場合は、インフォメーションシステム等で連絡します。

基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy

講義と演習問題を通じて獲得した知識と能力を評価する。

教科書
Textbooks

ノート講義とする  

参考書
References

ジョン・ウルフ編,永宮健夫監訳  『材料科学入門Ⅰ〜Ⅳ』  (岩波書店)  
田中勝久著  『固体化学』  (東京化学同人)  
A.R.  ウェスト著  『ウェスト固体化学入門』  (講談社サイエンティフィク)  
足立吟也編著  『固体化学の基礎と無機材料』  (丸善)  
村石治人著  『基礎固体化学』  (三共出版)  
Richard  J.D.  Tilley著,滝澤博胤  、田中勝久、大友明、貝沼亮介訳  固体材料の科学  東京化学同人  

フィードバックの方法
Feedback Method

小テストを採点後に返却する。
講義終了後または関大LMSにて各講師が質問に対応する。

担任者への問合せ方法
Instructor Contact

【オフィスアワーについて】 電子メールによって日時を事前に打ち合わせた上で担当教員と面談すること。
・幸塚:第4学舎2号館研究棟2階  幸塚教授室、kozuka@kansai-u.ac.jp
・荒地:第4学舎2号館研究棟2階  荒地教授室、arachi@kansai-u.ac.jp

備考
Other Comments

【学習・教育目標と関連科目】  本科目の学習・教育目標はB、C。本科目の基礎となる科目は基礎化学Ⅱ、基礎化学Ⅲ(演習含)、物理化学Ⅲ、物理学(演習含)(基礎物理学)、フレッシュマンゼミナール、オリエンテーションゼミナール。本科目を基礎とする科目は材料の強さと組織、金属材料、セラミック材料化学、高分子材料化学、半導体材料、材料機器分析、マテリアル科学実験Ⅰ・Ⅱ、マテリアル工学実験Ⅰ・Ⅱ。