- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 化
- 時間割コード
Course Code - 65307
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - 生物化学工学1
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 春/2
- 担任者名
Instructor - 片倉 啓雄
- 曜限
Day/Period - 水3
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
<春>
講義(対面型)
言語 / Language
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日本語(Japanese)授業概要 / Course Description
<春>
食料品、日用品、医薬品などの多くは微生物をはじめとする生物を利用して生産されている。目的の有用物質を安定して安価に生産するためには、それを生産する細胞を効率よく増やすとともに、目的物質を効率よくつくるよう、環境を整えてやる必要がある。生物化学工学(Biochemical Engineering)は、生物の力を借りた有用物質の生産を扱う学問であり、生物反応を一種の化学反応にみたてて、定量的速度論的に扱う。これによって、研究室で得られた試験管スケールでの知見をもとにして、何十トンのレベルの工業的なプロセスを設計することが可能になる。この講義では、日本のお家芸といわれる発酵産業を支える生物化学工学の概要と、工業プロセスを設計するための基礎を学ぶ。
到達目標 / Course Objectives
<春>
①知識・技能
・SI単位系と接頭辞を理解し、単位を換算し適切な表記で使うことができる。
・生産コストの内訳と損益分岐点について説明できる。
・対流と拡散による物質移動の概念を理解している。
・比増殖速度、比生産速度、比消費速度の概念を理解し、培養データから計算して求めることができる。
・回分、半回分および連続培養における細胞増殖、物質生産および基質消費の速度式をたてられる。
・培地成分と菌体成分の関係を物質収支式をもとに説明できる。
・通気、撹拌、滅菌、除菌の理論を理解している。
・培養状態の計測の原理と制御の基本を理解している。
②思考力・判断力・表現力 ③主体的に学習に取り組む態度
・工業生産における流加培養の意義を、コスト、リスク管理、得られる微生物の特性の観点から総合的に説明するための知識を自ら探して理解し、文章にまとめることができる。
・好気培養における酸素供給の意義、具体的な供給方法、工業スケールでの留意点について、総合的に説明するための知識を自ら探して理解し、文章にまとめることができる。
授業手法 / Teaching Methods
・学生による学習のふりかえり
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
<春>
(1) 総論(化学工学の5つの基本概念、生物化学工学とは)
(2) 単位1(SI単位系、主な組立て単位、接頭辞)
(3) 単位2(トリチェリの実験、細胞の表面積・体積)
(4) 微生物の化学量論(エネルギー源と炭素源による分類、細胞の組成、炭素源と窒素源、微量元素)
(5) 微生物の培養(Monodの経験式と菌体増殖)
(6) 比速度と収率(比速度、世代時間、収率、維持定数)
(7) 微生物による物質生産1(流加培養)
(8) 微生物による物質生産2(連続培養、まとめ)
(9) 移動と運動(対流と拡散、粘度、層流と乱流)
(10) 通気と撹拌(酸素供給の重要性、KLa)
(11) 計測と制御(温度、pH、溶存酸素測と制御の基礎理論)
(12) 殺菌・滅菌・除菌
(13) 生産コスト1(固定費と変動費、BEPチャート)
(14) 生産コスト2(コスト計算の実際、スケールアップ)
(15) まとめと到達度の確認試験
授業時間外学習 / Expected work outside of class
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初回の授業で、以降の授業内容のポイントを問う記述式問題を配布するので、予習してそれに対する解答を考えた上で授業に臨むこと(授業を記述式の小問の答え合わせとして聞く)。要所で計算問題を宿題にして、翌週に解説する。提出は求めないが、自分で解いてから解説を聞くこと。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
<春>
定期試験を行わず、到達度の確認(筆記による学力確認)と平常成績で総合評価する。
到達度確認試験(70〜80%)、レポート+出席点(20〜30%)。
基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
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到達目標に達しているかを、計算問題と記述式の問題を交えて問う。計算問題については、式が合っていれば計算を多少間違えていても部分点を与えるが、単位を間違えたり書いていない場合は数値が合っていても点を与えない。なお、読みにくい数字で答えた場合、点を与えない。記述式の問題では、長々と書いても要点が抜けていれば減点し(例えば3つの要点のうち一つしか書けていなければ点数は1/3しか与えない)、逆に、要点が的確に書けていれば短い答案でも満点を与える。
- 教科書
Textbooks <春>
海野肇、中西一弘、丹治保典、今井正直、養王田正文、荻野博康 生物化学工学(第3版) 講談社
備 考 / Note=====================================
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授業資料は基本的にはLMSにアップし、適宜資料を配布する。教科書は最も授業内容に近いものを指定したが、授業で触れない部分もある。なお、この教科書は分離・精製工学の参考図書でもある。
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参考書
References <春>
備 考 / Note=====================================
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- フィードバックの方法
Feedback Method <春>
講義終了後または関大LMSで質問に対応する。ミニッツペーパーの返却を行う。初回に配布した小問の答えは授業中に適宜解説する。
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact <春>
katakura@kansai-u.ac.jp
メール本文に氏名を明記すること。スマホからの送信の場合、このアドレスからの着信を許可するように設定しておくこと。
- 備考
Other Comments <春>