- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 社
- 時間割コード
Course Code - 50880
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - フォトグラフィ・スタディーズ
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 春/2
- 担任者名
Instructor - 溝口 佑爾
- 曜限
Day/Period - 火3
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
講義(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
写真とは何か。それは、つねに他のメディアに依存し語られることで成り立つ、その疎外を本質とした宿命的に「弱いメディア」である。しかし、写真はその弱さゆえに私たちが世界をどのように読み解いているかを映し出すという特異な力をそなえている。
この講義では、写真の誕生からデジタル化を経て現代まで、マイルストーンとなった写真を鑑賞することを軸として、相互に関連する二つの問いを探求する。一つは写真が時間・空間・記憶・文化についての私たちの理解をいかに形作ってきたのかという問いであり、もう一つは時間・空間・記憶・文化についての理論的枠組みがいかに私たちの写真理解を形作ってきたかという問いだ。写真鑑賞を介した対話のなかで、多角的な視点を交えながら写真の「弱さ」にひそむ豊かな可能性を探る、批判的かつ創造的な学びをともに構築する旅の一員として、あなたの視点を歓迎する。
到達目標 / Course Objectives
①知識・技能の観点
・写真表現に対する主要な理論的枠組みを理解し、その特徴を説明することができる
・写真と他のメディアとの関係性を歴史的・構造的に説明することができる
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
・写真表現を通じて文化的・歴史的背景や社会的課題を批判的に考察することができる
・複数の枠組みを通じて写真表現を多角的に分析することができる
③主体的な態度の観点
・写真を題材とした対話や議論を通じて、多様な考え方を尊重しながら学びを深めることができる
・写真表現が映し出す世界について主体的に考え、自分の意見や解釈を共有することができる授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり
・学生同士の意見交換(グループ・ペアワーク、ディスカッション、ディベート等含む)
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
この講義では、テーマごとに関連する写真表現を共同で鑑賞するという実践的な方法を通じて、写真理論のフレームワークを解きほぐし、再構築します。
参加者同士の対話を重視し、多様な関心や反応に応じてテーマを柔軟に調整しながら協働的な学びを深めます。
第1回:イントロダクション
第2-3回:写真の起源をめぐる問い
第4-5回:非写真的なるものの系譜学
第6-7回:決定的瞬間という神話
第8-9回:フォーマリズムとポストコロニアルスタディーズ
第10-11回:インデックス性の臨界点
第12-13回:マテリアリティの現象学
第14-15回:記録と記憶の交錯
日常的な例が理論と結びついていることが写真の特徴であり魅力です。理論を身近な文脈で理解する機会を提供するため、InstagramやTikTokといった現代的なビジュアルカルチャーを取り上げることがあります。
授業時間外学習 / Expected work outside of class
・講義内容の復習
授業資料とノートを読み返し、理解が不十分な箇所については調べるなどして復習を行うこと。
・課題の完成
各授業で指示された課題を指定された期限までに完成させること。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
・授業中のディスカッションと参加態度(50%)
授業中のディスカッションやグループ作業への積極的な参加姿勢を評価します。発言の内容や議論への貢献度を重視し、単なる発言頻度ではなく質を評価対象とします。
・小課題(振り返りレポート)(50%)
各回の授業後に提出する振り返り課題(小レポート)を評価します。
主な評価基準は以下の通りです:
- 授業内容の理解度が反映されているか
- 学生自身の考えや視点が具体的に記述されているか
- レポートの論理性と記述の明確さ基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
①知識・技能の観点
小課題の提出と内容(ルーブリック評価)
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
小課題の提出と内容(ルーブリック評価)
③主体的な態度の観点
・授業内での積極的な参加や演習課題への取り組み(ルーブリック評価)
- 教科書
Textbooks
特定の教科書を使用せず、講義内容に合わせた資料や参考資料を授業内で提示します。
-
参考書
References 甲斐 義明 ありのままのイメージ: スナップ美学と日本写真史 東京大学出版会 978-4130802239
ロラン バルト 明るい部屋―写真についての覚書 みすず書房 978-4622049050
スーザン ソンタグ 写真論 晶文社 978-4794958662
多木 浩二 ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」精読 岩波書店 978-4006000196
甲斐 義明(編) 写真の理論 月曜社 978-4865030518
高森 順子・溝口佑爾・⾨林岳史ほか 残らなかったものを想起する──「あの日」の災害アーカイブ論 堀之内出版 978-4909237927
レフ・マノヴィッチほか インスタグラムと現代視覚文化論 ビー・エヌ・エヌ新社 978-4802511018
その他、題材に応じた参考文献を授業時に適宜紹介する。
- フィードバックの方法
Feedback Method ・小課題および中間レポートのフィードバック:提出された課題については授業中に全体的な講評とコメントバックを行います。特に重要な改善点や優れた取り組みを具体的に示し、次回以降の課題に活かせるよう指導します。
・オフィスアワーの活用:学生の質問や疑問に応じ、オフィスアワー中に追加のフィードバックやアドバイスを提供します。
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact メール:y.mizo@kansai-u.ac.jp
- 備考
Other Comments ・ノートPCの持参:
写真の鑑賞ワークと授業内でのディスカッションに使用するため、ノートPCまたは同様の操作が可能な端末を持参することを推奨します。端末は十分に充電した状態で持参してください。
・必要な基本的なパソコン操作スキル:次の操作ができることを前提とします。
1. ローマ字入力でのタイピングができること。
2. WordやExcel、PowerPointなどの基本的なソフトを操作できること。
3. 複数のウィンドウを切り替えて操作できること。
・学内ネットワーク利用のためのIDとパスワード:
あらかじめ各自で確認してください。
・事前のアカウント作成
授業内での写真鑑賞ワークとディスカッションではオンラインホワイトボード「miro」を活用します。初回授業までにアカウントを作成しておいてください。
・実習参加の推奨
技術的な面から写真に迫るための実習としてメディア制作実習B(フォトグラフィ)を開講しており、本講義を履修する学生には2年次以降に履修することを推奨します。ただし、本講義のみの受講も可能です。