- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 社
- 時間割コード
Course Code - 50879
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - メディアと技術
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 秋/2
- 担任者名
Instructor - 水越 伸
- 曜限
Day/Period - 木1
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
講義(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
メディアとは、人々のコミュニケーションを媒(なかだち)するモノやシステムのことである。たとえば手紙や先祖の名前が刻まれた墓石も、メディアとしてとらえられる。20世紀に入り、一対多のマスコミュニケーションを仲立ちする新聞、放送などのマスメディアが発達し、その過程でマスメディア論が確立した。一方で手紙や墓石など古来のメディアは隅に追いやられ、「メディア=マスメディア」という通念が定着してしまった。
しかし21世紀以降、インターネットが地球を覆いつくし、スマートフォン、SNS、さらに新型コロナ禍以降はオンラインサービスが一般化した。この状況はマスメディア論の射程外であり、手紙、墓石から新聞、放送、さらにメディアとしてのAI、ロボットまでを包括的にとらえる、新たなメディア理論が必要とされている。そしてとくに、情報技術に対するアプローチが重要となってくる。
メディアと情報技術(ITあるいはICT)は一見よく似た概念だが、どのような関係にあるのだろうか。製紙技術が新聞メディアを、電波技術がテレビメディアを成り立たせたように、情報技術はメディアにとって不可欠の要素である。しかし、用紙の違いが新聞報道の内容に、チャンネル(電波の周波数)の違いがテレビ番組の中身に影響を与えることはあり得なかった。すなわちマスメディアの時代には情報技術は理工系の領域であり、メディア論の問題となることはなかったのである
しかしインターネットやスマートフォンが定着した現在、情報技術は社会に迫り出している。紙版とネット版で新聞の報道内容は大きく異なり、SNSのアルゴリズムの更新がタイムラインのメッセージのあり方を様変わりさせるようになり、メディア論において情報技術そのものをとらえる必要が出てきたのである。
この授業では、まずメディア、情報技術などの基礎概念について概説し、次にそれらの基礎概念を使って、メディア、および情報技術と私たち人間の関わり方に関する四つのテーマに取り組む。それぞれのテーマの詳細を説明はしないが、キーワードは、「ロボット」「インターネット」「弱いAI」そしてさまざまなメディアをめぐって「失われたメディア感覚」となる。
これら四つのテーマに対して、講義、ワークショップとその合評会をおこなう。つまり通常の講義とは異なり、履修者がグループワークをしたり発表をするなど積極的に参加することになる。出席を重んじることは当然だが、アクティブ・ラーニングをやってみたい学生の参加を期待する。到達目標 / Course Objectives
①知識・技能の観点
メディア論、および情報技術をめぐる基礎知識を身につける。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
メディア論的想像力を身につける。
③主体的な態度の観点
メディア論の観点から、情報技術と現代社会、人間存在について批判的にとらえ、能動的に行動する術を身につける。授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり
・学生同士の意見交換(グループ・ペアワーク、ディスカッション、ディベート等含む)
・プレゼンテーション(スピーチ、模擬授業等含む)
・課題探究(プロジェクト学習、課題解決型学習、ケーススタディ等含む)
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
第1回 はじめに:授業の射程とスタイル
第2回 メディアとしてのロボット
第3回 ロボットの歴史
第4回 ロボットの現在と未来
第5回 メディアとしてのインターネット
第6回 インターネットの歴史
第7回 インターネットの現在と未来
第8回 失われたメディア感覚(1)
第9回 失われたメディア感覚(2)
第10回 失われたメディア感覚(3)
第11回 弱いAIとの共創(1)
第12回 弱いAIとの共創(2)
第13回 弱いAIとの共創(3)
第14回 ふり返りとまとめ(1)
第15回 ふり返りとまとめ(2)授業時間外学習 / Expected work outside of class
・参考書や授業資料を活用した予習、および復習。
・予習の一環として、映画や動画投稿サイト等を視聴する必要がある場合がある。
・個人あるいはグループによる課題提出、あるいはレポート提出などがあり、それらの準備が必要となる。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
・個人、あるいはグループによる課題成果物(複数回実施)合計50%
・レポート(複数回実施)合計50%
・上記の内容や回数については履修者の人数や状況に応じて授業の中で具体的に指示する。基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
① 知識・技能の観点
・個人、あるいはグループによる課題成果物
・レポート
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
・個人、あるいはグループによる課題成果物
・レポート
③ 主体的な態度の観点
・授業への参加度・貢献度
④ 上記の課題成果物とレポートの提出合計数が、本来提出すべき数の半分より少ない場合には、原則的に不合格となる。
- 教科書
Textbooks
・教科書は指定せず、授業中に適宜、参考文献やWeb情報を知らせる。
-
参考書
References 水越伸 メディアの生成:アメリカ・ラジオの動態史 筑摩書房 2023年
水越伸・飯田豊・劉雪雁 新版 メディア論 放送大学教育振興会 2022年
ハロルド・イニス/久保秀幹訳 メディアの文明史:コミュニケーションの傾向性とその循環 筑摩書房 2022年
梅田拓也・近藤和都・新倉貴仁編 技術と文化のメディア論 ナカニシヤ出版 2021年
・その他の参考文献、Web情報は、授業中に適宜知らせる。
- フィードバックの方法
Feedback Method ・個人、あるいはグループによる課題成果物やレポートを素材として授業中にディスカッションをおこなう。
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact ・LMSのメッセージ(メールを同報)を活用すること。
- 備考
Other Comments ・授業は楽しく進めるようにするが、成績評価は厳しい。当然ながら出席状況を重んじる。
・授業でのインタラクティブな活動を個人でおこなうかグループでおこなうかは、履修者の人数や面構えを見て検討する。
・担当講師については下記を参照すること。
https://shinmizukoshi.net