- 学部・研究科
Faculty/Graduate School - 社
- 時間割コード
Course Code - 50855
- 科目名
Course title
サブテーマ
Subtitle - メディア・リテラシー論
- 授業形態/単位
Term/Credits - クラス
Class -
- 春/2
- 担任者名
Instructor - 水越 伸
- 曜限
Day/Period - 火1
- 授業概要
Course Description
到達目標
Course Objectives -
授業種別 / Teaching Types
講義(対面型)
言語 / Language
日本語(Japanese)
授業概要 / Course Description
社会のあらゆる出来事はメディアに媒介されて生じ、世界のすべての国や地域はメディアを介して相互依存するようになった。コミュニケーションの「媒(なかだち)」としてのモノやシステムであるメディアのあり方が、私たち自身や世界のあり方を大きく規定するようになった。
かつて新聞や放送のようなマスメディアと、スマートフォンやSNSのようなデジタルメディアのことをバラバラなままで漠然と指していたメディアという概念も大きく変わりつつある。インターネットがあらゆることがらのプラットフォーム・メディアとなり、そこで作動するAIやアルゴリズムが私たちのコミュニケーションのあり方を枠づけ、人々の協働を可能にする一方で分断をうながし、共感を育む一方で憎悪を助長もしているのだ。
こうしたなかで、メディアの読み書き能力などといわれてきたメディア・リテラシーの射程と課題も変化しつつある。私たちには今、マスメディア中心的であったり、技術中心的なとらえ方を超えた、新しいメディア・リテラシー を必要としている。
この授業では、そうした新しいメディア・リテラシーを3次元で分けて素描していく。
(1)SNSメッセージ、ニュースやドラマなどのメディア・テクストを批判的にとらえ直す営み(テクストを批判的に読み解く)
(2)文章や映像、音声などを使って能動的に表現する営み(物語を表現する)
(3)テクストや表現が乗るプラットフォームのあり方に注目し、構想する営み(プラットフォームをデザインする)
以上3つについて、具体的な事例を挙げて講義をするとともに、ミニワークショップなどを通してそれらの営みを実際に体験し、メディア・リテラシーの意義や課題を身をもって知ることを目指している。
演習ではないものの、ただ講義を一方向的に聞いていればすむタイプではない、インタラクティブな授業であることに留意し、そうしたスタイルを面白く思える人に履修してほしい。到達目標 / Course Objectives
①知識・技能の観点
メディアとはなにか、メディア・リテラシーとはなにかについての基本的な知識を手に入れること。日常生活を取りまくメディアを取り上げ、それらについて日々、批判的にとらえ、能動的に活用していく方法を身につけること。
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
3つのメディア・リテラシーを理解することで、批判的思考と能動的表現をおこなうための基本的な作法と素養を身につけること。
③主体的な態度の観点
メディア・リテラシーを、単なるお勉強ではなく、我が事としてとらえることができれば、おのずとメディア社会を主体的に生きる術を身につけることにつながる。授業手法 / Teaching Methods
・教員による資料等を用いた説明や課題等へのフィードバック
・学生による学習のふりかえり
・学生同士の意見交換(グループ・ペアワーク、ディスカッション、ディベート等含む)
・プレゼンテーション(スピーチ、模擬授業等含む)
・課題探究(プロジェクト学習、課題解決型学習、ケーススタディ等含む)
- 授業計画
Course Content -
授業計画 / Course Content
第1回 はじめに:授業の概説
第2回 メディア・リテラシーとはなにか
第3回 テクストを批判的に読み解く(1)
第4回 テクストを批判的に読み解く(2)
第5回 テクストを批判的に読み解く(3)
第6回 小括:テクスト分析のリテラシー
第7回 物語を表現する(1)
第8回 物語を表現する(2)
第9回 物語を表現する(3)
第10回 小括:物語表現のリテラシー
第11回 プラットフォームをデザインする(1)
第12回 プラットフォームをデザインする(2)
第13回 プラットフォームをデザインする(3)
第14回 小括:メディア・デザインのリテラシー
第15回 まとめ:「夢みる権利」を失わないために授業時間外学習 / Expected work outside of class
・参考書や授業資料を活用した予習、および復習。
・3つの次元のメディア・リテラシーそれぞれについて、個人あるいはグループによる課題提出、あるいはレポート提出などがあり、それらの準備が必要となる。
- 成績評価の方法・基準・評価
Grading Policies /
Evaluation Criteria -
方法 / Grading Policies
定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
・個人あるいはグループでの課題成果物(複数回実施) 合計50%
・レポート(複数回実施) 合計50%
・上記の内容や回数については履修者の人数や状況に応じて授業の中で具体的に指示する。基準・評価 / Evaluation Criteria・Assessment Policy
① 知識・技能の観点
・個人あるいはグループでの課題成果物
・ミニレポート
②思考力・判断力・表現力等の能力の観点
・個人あるいはグループでの課題成果物
・レポート
③ 主体的な態度の観点
・授業への参加度・貢献度
④ 上記の課題成果物とレポートの提出合計数が、本来提出すべき数の半分より少ない場合には、原則的に不合格となる。
- 教科書
Textbooks
・教科書は指定しない。授業の各回で必要な文献やWeb情報は紹介していく。
-
参考書
References デビッド・バッキンガム メディア教育宣言:デジタル社会をどう生きるか 世界思想社 2013年
水越伸・飯田豊・劉雪雁 新版 メディア論 放送大学教育振興会 2022年
水越伸・東京大学情報学環メルプロジェクト メディアリテラシー・ワークショップ:情報社会を学ぶ・遊ぶ・表現する 東京大学出版会 2009年
・以上の他の参考文献派、授業中に適宜紹介する。
- フィードバックの方法
Feedback Method ・個人あるいはグループでの課題成果物を授業の中で発表、共有する機会を設ける予定で、その際にコメントなどをする予定。
- 担任者への問合せ方法
Instructor Contact ・LMSのメッセージ(メールを同報)を活用すること。
- 備考
Other Comments ・授業は楽しく進めるが、成績評価は厳しい。当然ながら出席状況を重んじる。
・授業でのインタラクティブな活動を個人でおこなうかグループでおこなうかは、履修者の人数や面構えを見て検討する。
・担当講師については下記を参照すること。
https://shinmizukoshi.net